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絶海学園  作者: 浜 タカシ
第三章 ようこそ鹿児島!
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第五十四話 いざ鹿児島へ

〜2100年7月15日 7:00 NPOCIA国内線ターミナル〜

NPOCに発動されていた全ての非常事態宣言は今日の深夜に解除され、日常が戻ってこようとしている。

ただ、事後処理には莫大な時間がかかることや、教育機関の復旧にはまだまだ時間がかかることなどから、夏休みの期間が2週間延長され、今日から晴れて夏休みとなった。

俺は優芽の実家のある鹿児島に一緒に、行くこととなり空港にいる。


「おーい、貴くん」

後ろの方から俺を呼ぶ声がする。ふふっ、なんだかデジャブだな…3か月前、入学式の日に空港に着いた時もこんなことがあったような…

ドォーン「痛ったぁー!おい、優芽何するんだよ!」

「貴君が無視するからいけないんでしょう!」

「いや今回はな、物思いにふけっていたんだよ」

この下りも二回目か…

「優芽!女の子がドタドタと走らないの!」

「ひゃぁ!お…お母さん…」

「何度言えばわかるんですかあなたは…貴文君おはよう。朝早くから騒がしくてごめんなさいね」

「いえいえ、慣れてますから」

「慣れてる…はぁ…まぁいいでしょう。私は搭乗の手続きをしてきますから二人でそこのベンチにでも座ってなっていてくださいな」

そう言い残すと優芽のお袋さんは足早に搭乗手続きをしに行ってしまった。

「もう、貴君、余計なこと言わないでよね!お母さんに睨まれたじゃんか…」

「あはは…まぁ本当のことだけどな」

「馬鹿正直に言っていい事と駄目なことがあるのー」

そう言いながら、ポカポカと殴られつつ、俺と優芽はベンチに落ち着いた

「ねぇ貴くん、本当に私の家に来るので良かったの?昨日貴くんが帰った後お父さんに聞いたんだけど…」

大体察した。多分優芽を助け出すまでの経緯を一から十まで聞いたんだろうな。

「気にするな、まぁ、あれだな…彼女と少しでも一緒にいたいしな…」

「へっ?」

「うわわ、いやこれはそのだな言葉の綾というか…」

「嘘だったんだ…嬉しかったのにな…」

「…」

気まずい…早くお袋さん戻ってきて!

プルルルル、プルルルル「貴君、電話なってるよ」

「あっ…あぁ…あっ、親父さんからだぞ」

俺はそう言いながら携帯の画面を見せた。

「ホントだ、どうしたんだろうお父さん」

「もしもし、貴文です。どうされました?」

『あぁ、私だ。朝早くからすまないね。実は貴文君にお願いがあってね』

「お願いですか?」

『事後処理がどうもお盆前まで続きそうなんだ。だから当分NPOCから出れそうにない。でも本島の各省庁に報告に行かなくてはならないんだよ。そこでだ、貴文君が折角本島に戻るから君に報告をお願いしようと思ってね』

「えっ?何をどうすればいいかなんてさっぱりですよ」

『問題ない。報告用の資料はデータで送るし、近藤も派遣するから』

「わ…分かりました」

『と言っても来週報告に行ってもらいたいんだけどね。19日が月曜日だったと思うから、その日に頼むよ「統括学園長、ちょっとよろしいですか」あっ、貴文君すまない、詳細はまた。じゃあ失礼』

「あっ、切れた…」

「お父さん何って?」

「忙しくて本島に報告に行けないから来週代わりに行ってくれだって」

「はぁ…お父さん何考えてるの…」

「二人ともお待たせ」

「ねぇお母さん聞いてよ」

優芽は俺と親父さんとのやり取りを事細かにお袋さんに説明し始めた。(何より怖かったのがお袋さんの表情がだんだん鬼の形相に近づいていったことだ…)

「貴文君、これは本当なの?」

「は、はい!」

「はぁ…あの人がごめんなさいね。どうする?報告に行く?」

「一度引き受けてしまいましたし、非常事態対策本部長としても行く必要があると思いますから、報告に行きます」

「うふふ、そう。流石は優芽の彼氏ね。とても誠実で責任感があって、うん文句なしね」

「えっ!なんでお母さん私と貴君が付き合ってるの知ってるの!」

「それは簡単なことよ。優芽の母親だから娘の些細な変化にもすぐに気づくものよ」

「あはは…」

「まぁその辺の話は追々家で聞くとして、さぁ保安検査を受けて飛行機に乗りましょうか」

こうして、俺の夏休みは幕を開けた。

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