第四十三話 時間
〜2100年7月14日 8:30 NPOC非常事態対策本部〜
作戦失敗を受け部長級会議が招集された。
「それでは各部署からの報告をお願いします。まずUG3から」
「はい。先程8:10頃先導A隊がRGH半径5kmの防衛空域におとり用ミサイルを発射したところRGH自動防衛システムが作動。つまりRGHの自動防衛システムが解除されていなかったと言う事です。これは一ノ瀬明衣が我々を裏切った事を示しています。よって山本非常事態対策本部長が不起訴条件とした項目に反したため連合国はこれを革命国の宣戦布告とみなし直ちに攻撃に移ることを要請します」
「そうですね…非常に残念ですがそうするしかないでしょう。貴文くんは何と?」
「貴文は…一ノ瀬明衣は我々を裏切る真似はしないと言っています…」
「やはりそうですか…」
あれから貴文を何度も説得してみたがやはり一ノ瀬明衣は裏切りなんてしないの一点張りだった。どうして貴文はそこまで一ノ瀬明衣の事を信じられるのだろうか。
〜8:45 革命国領空内 D隊機内〜
俺にはどうしても明衣が俺たちを裏切ったとは思えない。でも自動防衛システムが解除されていなかったのはまぎれもない事実だ…
「どうしてなんだ…」
「こちらNPOC非常事態対策本部です。山本非常事態対策本部長をお願いします」
「山本非常事態対策本部長、無線です」
多分父さんからの無線だろう。俺は無線に出るのがどうも気乗りしなかった。
「はい、こちら山本です」
「貴文か。私だ。先程部長級会議で革命国への攻撃が決定した。あとはお前の合図を待つだけだ。といってもお前はまだ納得していないんだろう」
やっぱり父さんには敵わない。俺の心の中をすっかり読まれている。
「俺はどうしても明衣が俺たちを裏切るとは思えない。でも…」
「いいか貴文。今お前は非常事態対策本部長だ、多くの人間の命を守り抜く義務がある。一個人であるお前の感情に任せて攻撃しないという決定を下すことなどあり得ない。あと45分待ってやる。覚悟を決めておけ」
とうとうリミットを告げられた。父さんの言う通りだ。俺にはNPOCの人々をもっと言えば日本の人々を守る義務がある。俺の私的な感情だけで作戦の許可不許可を決めることなど出来ない。現実に起こったことが全てだ。そんなことは分かってる…
「何か証拠はないのか…」
「山本管理官でも息子さんには優しいですね」
「へっ?」
隊員の一人が唐突に変なことを言ったので変な声が出てしまった。
「父さんが優しい?」
「はい。確かに言い方は厳しかったでけど45分待ってやるなんて普通言いませんよ。我々に何かを決めさせるときなんて即決させますからね」
そうなのか…なんで父さんは俺に時間を与えたんだ…
第四十四話に続く
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