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絶海学園  作者: 浜 タカシ
第二章 文月の奪還作戦
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第二十九話 息子の判断

~2100年7月13日 NPOC UG3 システム管理課~

統括学園長から命令が下りてきた。一ノ瀬明衣を作戦に使うようにという内容だった。

「貴文…早速一つ時代を変えたか…」


国家陰謀罪…日本国に対し外国と手を組み国家の存続を危機的状況に陥れる行為。

      懲役20年以上の実刑とする。


国家陰謀罪での検挙はここ数年で急増してきている。大半が革命国と手を組み日本に対しスパイ行為をするものが多い。国家陰謀罪での検挙はあまり報道されず、起訴や裁判も秘密裏に進むことが多い。国家陰謀罪で有罪となった者の大半が死刑となっているのが現状だ。

だから今回のような情状酌量による不起訴処分など聞いたことがない。というよりまず検察官がスパイに対し不起訴処分にしてしまうと検察官自身にも国家陰謀罪がかけられかねない。まぁこの件に関する管轄はNPOC司法部。NPOCのトップである統括学園長が一言不起訴処分と言えばそうなってしまう、というよりなってしまった。

ここからは司令部の中でも一部の管理職しか知らないが今回不起訴を決定のは統括学園長からこの件に関する取り調べから量刑の決定まですべてを一任されていた山本貴文、つまり私の息子だ。最初統括学園長はこの決定を貴文が報告した時ひどく取り乱したそうだが熱心な説得や情状酌量の条件などすべて聞き、すべてを加味したうえで不起訴処分を許可したという事だった。普通の検察官なら絶対にやらないというよりできない事を成し遂げた貴文は我が息子ながら頭が下がる功績だ。

「管理官、山本貴文が報告に参りました」

「通したまえ」

ドアが開き目の前に現れたのは昨日もあったはずなのに大きく成長したように見える息子と容姿端麗な少女だった。

「父さん、今日付けでこの一ノ瀬明衣を国家陰謀罪に対して不起訴処分としました」

「あぁ、先ほど私のところにもその報告は回ってきた。では会議室へ移動しようか」

私はゆっくりと椅子を立ち上がり会議室へと二人を案内し始めた。

「あっ、あのー」

「どうした一ノ瀬明衣。何か私に用か」

「なぜ私に対して何もおっしゃらないんてすか?UG3には何の被害がなかったと言っても日本に対してスパイ行為を働いたのは紛れもない事実です。防衛省の官僚であるあなたにはなにか言われると思ったのてすか…」

「ほぉ…。このUG3の事や私のことまで知っているとはやはり革命国も侮れないな。そうだな。確かに立場上言いたいことはたくさんある。ただ今回はお前の取り調べをしてすべて加味したうえで情状酌量による不起訴処分を下した息子の意見を信じてみようと思っただけだ。だからお前と特別会話を交わす必要もなかろう」

「と…父さん」

「だが貴文。勘違いだけはするな。私は完全にお前を認めたわけではない。きっちりと西郷優芽を救出しお前の答えを証明して見せろという私の言葉に変わりはない。さぁここが会議室だ。気を引き締めていけ」


ここからの24時間が世界情勢を大きく変えるからな。

                                        第三十話に続く


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