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絶海学園  作者: 浜 タカシ
第二章 文月の奪還作戦
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第二十五話 正体

~2100年7月12日 NPOC UG3 システム管理課~

「でもどうしてスパイは危険を冒してまでこのNPOCに留まったんだい」

「連れ去られたのは優芽だ。そして優芽が連れ去られたら真っ先に行動し始めるのが俺だっただろう。東スパイは確か高等部の人間だったよな」

「あぁ、ログによるとそういうことになっていたね」

「だったらスパイの目的は一つ。俺の監視と考えるのが妥当だろう」

「なるほど…。貴文、お前もう誰がスパイか分かっているんじゃないか」

俺は残念でたまらない。スパイはあいつで決まりだから。言い逃れできない事実がたくさんある。これであいつを追い詰めることができるだろう…。

「東、今からスパイのところに行く。警備部の人間を携えていきたい。至急準備を頼む」

「わ…分かった」

さぁ、スパイとの直接対決に行こうか。


~NPOC US1 学生寮~

「いいかお前たち!ドアを開けたと同時にスパイを取り押さえろ」

「はっ!」

岡田はいつになく気合が入っている。やはりこいつにはディスクワークより現場でバリバリ働いている方が似合う。

「岡田、急なお願いに対応してもらって…。ありがとう」

「ふん。別にお前のためじゃねぇよ。ただスパイを確保するために俺は任務を命ずられ、従うだけだ」

岡田は素直じゃないところがある。でも頼りになる存在であることは間違いないことだ。

「よし。みんな行くぞ」

俺たちは螺旋階段を一気に駆け上がった。

ピーポーン「はい」

「あれ貴文君てすか?こんな時間に…」

「確保!」

スパイはあっという間に確保され手足を拘束された。

「どういうことてすか?貴文君開放してください!」

「お前の演技には散々振り回されたよ。さぁ、化けの皮をはがせ、一ノ瀬明衣」

スパイの正体は他でもなく一ノ瀬明衣であると俺は確証をもってそう言い放った。

「ふふ…あははははは。よくわかったわね。私の正体が」

「どうして…どうしてスパイなんだよ!」

「どうして?それはね、連合国を、日本を潰すためよ!」

「この女ふざけてんのか!くそぉー」

岡田が振り上げた拳を俺は静止した。いろいろ想うことはある。でもここではゆっくり話せないだろう。だって…

『「なになに?一ノ瀬さんがスパイ?」「えっ、やばくない?」「写メ撮っとこ」「てかなんで山本あそこにいるの」「早く拡散しないと」「スパイは失せろ!」…』

遅い時間にもかかわらず野次馬が次から次へと湧いてくる。まぁしょうがないだろう。こんなにうるさかったらみんな気になってしまうだろうから。

「一ノ瀬明衣。国家陰謀罪容疑で逮捕する」

                                       第二十六話に続く

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