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絶海学園  作者: 浜 タカシ
第二章 文月の奪還作戦
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第十八話 空白の3か月

あの日から、優芽が革命国軍に拉致された日から3か月が経った。俺はこの間なにもできなかった。ただ優芽を守れなかった自分を責め続け、優芽の無事を祈るばかりの辛く長い、たった3か月なのに1年にも10年にも感じられる、そんな日々を過ごしてきた…。

~2100年7月1日 NPOC非常事態対策本部~

「西郷優芽さんが拉致されてから早3か月が経ちましたが…」

対策本部内の空気はとても重い。それもそうだ。この3か月優芽の手がかりは何一つ見つかっていない。東は話を変えこう切り出した。

「予備システムに移行してから今日までサーバー攻撃はなく、通常通りに機能しています。ただメインシステムは復旧まではもうしばらく時間をいただきたい」

「まぁ、しょうがないだろうな」

いつも通りの雰囲気で会議は進んでいった。


「山本君…山本君…会議終わったよ」

東に声を掛けられ俺は我に戻った。どうやら会議は終わってしまったようで会議室には俺と東以外誰もいない。

「やっぱり西郷さんのことが気になるか…」

俺は黙ったまま頷いた。

「この3か月間システム管理部としても全力を挙げて捜索に当たってきた。しかし結果は君も知っての通りだ。もう私たち一般人の力でどうこうなる世界ではないよ」

「そうだよな…」

どこにいるかもわからない優芽。たとえ優芽が監禁されている場所が分かったところできっとそこは革命国だろう。もう俺に成すすべはない。

「ただ…ね、一つだけあるんだよ方法が。でも少し面倒でね」

「なんだよ!方法って。優芽が助けられるなら面倒でもいい。教えてくれ」

俺は必死に東に頼み込んだ。東はしばらく考えてこう言い始めた。

「分かった。では手続きを取るよ。でも一つだけ最後の忠告だ。きっとこの面倒なことをしてしまうと君が今まで信じてきたこと、事実だと思ってきたことがあっという間に崩れ去るかもしれない。それでも君は西郷さんを自分を犠牲にしてまで助けるかい」

東の一言一言が俺に重くのしかかった。俺はあの日誓った。命に代えても優芽だけは守るって。でも俺は守れなかった。優芽との約束を。だからせめて優芽を助け出したい。俺の心はずっと揺るがない。

「あぁ、俺がどうなっても優芽だけは助け出す!」

「分かった…。では手続きを取るから待っていてくれ」

東はそう言うと壁にあるNPOC内のあらゆる部署につながる受話器を上げた。

「…もしもし、NPOCシステム管理部長の東です。…はい、いつもお世話になっております。…申し訳ありません。お忙しいのは重々承知しております。ただ今回は人命がかかっておりますので…はい。その件です…」

東はやたら敬語で電話の相手と話している。10分ほどしてやっと電話が終わった。

「ふぅー、待たせたね。手続きが完了したよ」

俺はさっきから感じている疑問について質問してみることにした。

「東、さっきから気になってたんだけど何なんだ手続きって」

「あっ…そうだね…君にはこの…このNPOCの秘密を話しておくべきだろうね」

「秘密?」

「あぁ、重大な秘密さ。このNPOCのUG3には…」


「連合国軍の軍事兵器開発基地があるんだよ」

第十九話に続く


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