第十六話 絶海学園(中編)
~2100年4月10日 0:10 NPOC US1層学生寮第1棟~
「旺1棟航空司令官、作戦部隊配置に着きました」
「了解よ。その場で待機して頂戴」
「了解」
ここまでは計画通りだ。私は大きく深呼吸をした。大丈夫…大丈夫…。
「作戦開始!突入よ」
俺たちは旺1等航空司令官の合図とともに学生寮への侵入を開始した。螺旋階段を駆け上り一気に7階まで到着した。日頃の訓練に比べればなんてことはない。
「今から電子ロックを解除するわ。解除が完了したら電子音がするはずよ」
ピー。電子ロックが解除された音だ。俺たちは一気に714号室に流れ込んだ。
~4月10日 同時刻 学生寮1棟614号室~
ドタドタドタ…。誰だこんな時間に螺旋階段を駆け上がる馬鹿は。俺は文句の一つでもいてやろうと俺は布団から出た。
ダダダ…ドンドンドン…ガッシャン。上の部屋からものすごい音が聞こえる。
「まさか…」
俺は靴も履かずに玄関を飛び出し螺旋階段を駆け上がって714号室へと急いだ。
玄関が不用心にも開いたままである。家の中に入るとこの部屋の主の姿はなくそこにあるのは、争ったと思われる散らかった部屋だけだった。
俺は急いで東に電話した。東は寝ているのだろうか。なかなか電話に出ない。10コール目でやっと電話に出た。
「どうしたんだい山本君こんな時間に?」
明らかに寝起き声の東が電話越しでこう言った。
「どうしたもこうしたも、優芽が誘拐されたんだよ」
「なんだって!西郷さんが誘拐されたって!」
「うるせぇーよ!とりあえずシステム管理課の方で調べてくれ。俺は寮の周りを探すから」
「分かったよ。ただ山本君、もしかすると革命国の誘拐である可能性も今のNPOCなら否定できない。十分に気を付けるんだよ」
ここで通話は終了した。
俺は優芽の部屋を飛び出した。
~4月10日 0:15 噴水公園~
間一髪だった。急にガキが部屋に飛び込んできて危うく姿を見られることだった。
「うー、うー、うー」
「おい、この女すげぇー暴れるぞ」
「いっそ殴って失神させるか」
「いやダメだ。司令官には傷つけずにもって来いと言われただろ」
こいつらは優秀だがたまに大事なところを聞いてない。危うく旺1等航空司令官の逆鱗に触れるところだった。そうこうしている内に目的のマンホールに到着した。
「周りに人はいないか。しっかり確認しろ」
「東方向異常なし」
「西方向クリア」
「南方向大丈夫だ」
「北方向も問題なし。よしオールクリア。地下水道管に退避する」
俺たちは素早くマンホールのふたを開け旺1等航空司令官待つ地下水道管へと降りた。
第十七話に続く




