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駆逐艦という生き物

「ふぇっ!?」

「えええ!?」

「まじですか~~!?」


 攻撃指揮権を移乗され、駆逐艦達への指揮を取るように言われたデューク達は、慌てふためくのでした。


「攻撃の合図を出すだけの簡単なお仕事だからぁ、あなた達でもできるわよぉ。さぁ、映像をよく見てねぇ」


 メノウを経由して、駆逐戦隊のライブ映像がデューク達の龍骨に流れ込みます。


「うわぁぁぁぁ、キ、キノコ船が目の前――⁉ すぐそこにいる――!」

「撃たれてる?! 撃たれてる?! これは、プラズマ弾かしら?!」

「うぎゃ~~! 回避回避ぃ~~!」


 デューク達は、敵の姿がかなり近いところにあるので、慌てふためきました。駆逐艦群はすでに、敵の放火を浴びる位置に入っていたのです。


「畜生! 汚ねぇ花火だぜ!」

「スラスタ最大出力ですわ――! 敵弾――回避!」

「ふむ、速度がないとは言え、数が多いな」

「熱い! 熱すぎるぞ! わははは」

「天然の対空砲火というわけか、ベリーグッド!」

「おわっ……と、やるではないか」

「戦争を教えられてるのです!」

「あちちち、よくもやったな――!」


 キノコ船からは、なにやら巨大な熱球が繰り出されていました。無数に打ち出されたそれは、駆逐艦の進路を妨害しているようです。敵弾は駆逐艦に近づくと、大爆発を起こし、破片が装甲を叩く音も聞こえてきました。


「か、数が多い――あれに近づくのか――!」

「無理よっ! 回避運動で手一杯じゃない!」

「というか被弾してる~~!」


 直撃すればフネが沈む弾雨の中に、駆逐艦たちが居るのです。巨大な火球はさらにポンポンと打ち上がりました。


「さぁ、戸惑っている時間はもうないわぁ。彼女たちに命令してあげてぇ」


 そんな様子を眺めながら、メノウは冷静な声でデューク達に命令を下すように言いました。


「命令って……攻撃……しろって? それって近づくってことでしょ……僕らの装甲だったら耐えられるかも知れないけれど……」

「駆逐艦の装甲じゃひとたまりもないわ」

「巡洋艦のボクでも嫌なんですけれど~~!」


 映像データを眺めたデューク達は、躊躇してしまいました。自分たちならまだしも、他のフネ――装甲の薄い駆逐艦にそれをやらせるのは、自殺行為だと思うのです。


「突撃するのが、駆逐艦のお仕事――なんにも問題ないわぁ」


「「「で、でもぉ……」」」


 デュークたちが口答えするのを認めたメノウは、切れ長の目に冷ややかな光を載せて、こう言います。


「またぁ、若造って怒られたいのかなぁ?」


 デュークらに向けられた視線は龍骨をゾッとさせるほどの威力があり、甘ったるい声の裏には「沈めるぞ」という含みがあったのです。


「ちょ、怒られるどころじゃない…………こ、攻撃開始してください!」

「ひぃ…………ねぇ様方、やってください!」

「ボクのせいじゃない~~ごめん~~突撃してぇ~~!」


 デューク達は、クレーンをバタバタと振りながら叫びました。それを聞いた駆逐艦から次のような通信が入ります。


「あら、やっと命令がきましたわぁ」

「バーロー、もちっと早く言ぇ!」

「ふむ、魚雷が腐るかと思ったぞ」

「遅いよ、何やってんの!」

「兵は拙速を尊ぶのだ」

「スロー過ぎて――」

「――あくびが出たのです!」

「異論は認めない」


 次の瞬間、駆逐船達は推進器官を全速に入れ、キノコ船に突撃を開始します。


「「「狩りの、時間、だ!」」」


 「じゅる……」口の中の潤滑油がぬるりと滑った音も聞こえました。それは獲物を前にした肉食獣の舌なめずりに違いありません。


「ふぇぇぇぇ…………」


 自分より強大な敵から攻撃を受けているのに、それが獲物だというのです。デューク達は呆れるのを通り越して、「駆逐艦って……怖い生き物だなぁ」と思いました。

さて、駆逐艦の娘さんたちが突撃したので、次は艦砲の出番です。

一回、デュークの武装設定を整理しないとなぁ。

あらすじの中にでもいれておきましょうかねぇ。

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