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第4章

遅くなりましたが第4章更新です。まだまだ続きますよ〜。さて、この後、セリス達はどうなったのでしょうか。どうぞご覧下さい。

第四章


 ルナクが召喚されて幾日かが経った。

「今日はどこに行くんだ?」

 ルナクが眠そうに聞いた。しかし、今は朝の10時である。セリスはそんなルナクを横目に、(竜ってコアラみたいね・・・)と思いつつ、今日すべきことを伝えた。

「今日は学園に契約守護獣の登録をしにいくのよ。」

「ん~、どこに?」

「学園の近くにある事務棟よ。」

「えっと、誰が?」

「私達が。」

「誰と?」

ぷちぷちぷち・・・セリスの中で何かが切れそうになる。

「あなたよっ!」

 そこまで言われてやっとルナクは気付いたようだ。

「あー、そー言えば俺、お前の契約守護獣だったんだな。」

「もう、寝ぼけてるの?」

 セリスが呆れたように言う。

「はい寝ぼけてます、っていうか寝ます。おやすみzz」

 ルナクは言い終わらないうちに立ったまま寝始めた。

(なんていうか、器用ね・・・。はっ!?感心している場合じゃなかった!)

「ちょっと!起きてよ、立ちながら寝ないでっ!!」

「・・・・・・え?」

「なに心外だ、みたいな顔してんのよ。急がないと日が暮れちゃうのよ。」

「おいおい、それはちょっと言いすぎなんじゃないか?」

 そういうとルナクはあたりを見回した。何故か普段はそんなに人が多くいない通りが妙に騒がしかったからだ。

そしてその異変にはすぐに気が付いた。

「なあ、何であんなに人がいるんだ?」

それはね、とセリスが説明する前にルナクは急に真剣な顔になった。

「ま、まさか・・・?」

「そう、そのまさかよ。」

「まさか、邪神獣ブルザガリア復活祭かぁ!?」

「んなワケあるかっ!」

 ルナクの言う邪神獣ブルザガリアとは、数多くいる邪神獣の一つである。邪神獣とはその名の通り、獣の中でも邪新級の力をもつ獣のことである。

 しかし、獣の中でといっても一般の守護獣使い(ビースト・ガーディアン)がツーマンセル(二人組)やスリーマンセル(三人組)で一体を処理するほどの個体もいる。

「なに物騒なこと言ってんのよ、だいたいまだ冬眠中で出現しないし、そもそも復活祭は邪神獣じゃなくて神じゃ・・・ぅえ?」

 セリスがルナクに説明しながら目線を前に向けると、……

「ええーっ!!なんで邪神獣がいるの!?」

 見ると、道に一つの大きな穴が開いている。

 なぜルナクが邪神獣の復活祭と言ったのか不思議に思いながらセリスは相手がどういうものなのか確認した。

(どうやら蝉型らしいわね、でもまだ相手は幼虫だし動きが鈍っているわ)

「お、おい、あれやべーんじゃねぇか、建物壊れるぞ!?」

 ルナクがおろおろしながらセリスに言う。その視線の先には学園の事務棟に登ろうとしている蝉の幼虫が巨大化したような生物がいた。

「あれぐらいなら……私だけでも行けるっ!」

「え!?お、おい、一人で相手するつもりか!?」

 ルナクが呆気にとられているうちにセリスは駆け出した。蝉型のブルザガリアに5,6メートルほどあけて近づいたとき、それは頭をこちらに向けた。どうやら蝉型のブルザガリアはセリスに標的を向けたようだ。

シュウウゥゥゥ

 蝉型のブルザガリアは今まで相手にしてきた一般人とは違うと感じたのか、威嚇をし始めた。

「フッ、せみだから雷でも撃っとけば何とかなるかな♪」

 セリスは不敵に笑うと手を前に突き出すと、まるで歌っているかのように滑らかな口調でことばを口ずさんだ。

「水よ、あるものは空へ舞い上がり、あるものは凍てつくものとなり互いと打ち付けあい、神を鳴かせ給え。」

 セリスが言い終える前に巨大な蝉の幼虫の頭上にもわもわっと小さな雲が出来上がった。その下にいる生き物が顔を上げた瞬間、その場にいた一般人や学園生徒を含む全ての人の視界が真っ白に染まった。

後日談であるが、その時近くにいた人によると、目を閉じている間に聞こえたのは大きな衝撃音と少女が鼻で笑った声だけだったという。




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