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第三章 後半

前回に三章は二つに分けると書いたんですが、長くなりそうなのでキリのいいところで区切りを付けて四章に続く感じにしたいと思います。

さて、この学園の中ではセリスは優等生ということもあり色々な生徒からよく声をかけられる。

「あ、セリスだ!セリスはさあもう契約守護獣と契約した?」

「え!?もうしたの!はっやぁい流石は優等生だね。」

「セリスセリスぅ契約守護獣何にしたの?」

「えっと、竜。みたいなの・・・?」

「ええー!!竜!すごっ!」

「ねえねえ聞いた?あのセリスさんの契約守護獣って竜らしいよ。」

「えっ!竜なの!?やばいわー」

「セリス先輩の守護獣、竜なんて、カッコよすぎます!!」

「---。---。」

「---。---。」

「---。---。」

・・・・・・。



 今セリスたちは自分たちの教室に来ていた。

「ああー、ダルかった。」

「お前、人気なんだな。」

「並みの人気なんてものじゃないよ、セリスは。学園の裏生徒会長って呼ばれるくらい多くの生徒から人気なんだから。」

「確かに慕ってくれるのはありがたいけど、さすがにあそこまでこられるとハッキリ言って面倒くさいわよ。」

 今、セリス、ルナク、フィリナの三人(あ、メリィちゃんも入れて四人)は、先ほどの生徒たちの質問攻めをかいくぐり、教室にきていたのであった。

「そういえばさ、ルナク。」

「ん?どうした?」

「アンタって何歳なの?」

「あーそれ、あたしも気になる。」

「うーん、何歳だったかな、一万年ぐらい前のことは覚えているけどそれよりもっと前からいた気がするんだよな。」

「え、ってことはルナクは軽く一万歳超えているってこと!?」

「まあ、そうなるな。」

「・・・。スケールが大きいというか・・・。」

「・・・。信じがたいというか・・・。」

「・・・。がうがうっ・・・。」

「まあ。信じれないんだったら信じなくてもいいぜ。なにせ証明できるものがないし、するのもめんどいからな。」

「「じゃ、信じない。」」

「はやっ!?少しは迷えよっ、てかやっぱり信じて!?」

「ふふっ嘘よ、冗談で言ってみただけ。」

「うんうん、でもやっぱ1万年はねぇ、私たちの寿命がだいたい2桁なのにいきなり5桁になってもフツーは驚くか、呆れるだけだしねー。」

「まあその事はおいおい話していくとして。」

「「今話せよっ!」」

「それよりこの後どーすんだよ。」

セリスは、(はぐらかしたな…)と思いつつ、次の予定についてルナクに説明した。

「んーと、この後、学園長室に行って守護獣と契約しましたよ、っていう正式な書類を適当に書いて今日の用事は終わりかな。」

「へぇ、学園長って誰だ?」

そうルナクが聞くと、今度はフィリナが自慢気に答えた。

「あー、知ってる知ってる!セトロ・ウィールズ学園長でしょ!」

「セトロ・・・?」

「え!知らないの?結構有名だよぉ?」

「ええ、物好きな神としてね。さっきフィリナが学園長って言ったけどその人の本業は神職なのよ。

中級神としてね。」

「ほう・・・。」

 ルナクは何か、意味ありげな返事をした。だが、セリスとフィリナはそのことに気付かなかった。

「そのセトロってやつは神職のほうはちゃんとやってんのか?」

「んーどうでしょうね、殆ど学園の中では見かけないから神職もしっかりやってるんじゃないかしら。」

「んー、そーだねーなんて言ったってそっちが本職だからねー、学園長なんてただの趣味じゃない?」

 なるほどな、とルナクはうなずいた。

「つまり、そいつは学園長なのに学園に来ていないのか?」

「うーん。たぶん忙しいんじゃないかな?」

 そうね、とセリスもうなずく。

「学園長の秘書さんにチラッと聞いた話では、学園の裏で色々と動いてらっしゃるそうよ?」

「へぇー。」

 ルナクは納得したようにうなずいた。


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