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神獣アストロメリアさんご登場...かな?

さてさて何とか始まりましたtwilight of stotysの第2章です。今回は何やら新しい仲間が来そうですね。ぐふふ


                 第二章


アルトリア学園は、校内設備が全て魔力で成り立っている。この世界の生物は全て魔力を保有している。特に、人間は多くの魔力を保有している。それでも性別によって大きな差がある。男も女も魔力の絶対量は個人差があるものの大きな差はない。

では、何が違うのかというと魔力放出口の大きさだ。男性よりも、女性のほうが一度に多くの魔力を放出できるのだ。では逆に男のほうはというと、安定した魔力を供給することが可能である。その為学園内の魔力供給は男性職員が行っている。そんな学園の校舎へと続く道で・・・

「ねぇ・・・。」

「なんだ?」

「何で私たちみられているの・・・?」

そう、セリスとルナクは学園食堂への道筋を辿る中で道すれ違う人々から好奇の視線にさらされていたのだ。ある人は驚きに目を開き、ある人は羨望の目を向けていた。

「さあ・・・?」

ルナクもわからない様子だった。

と、そこに...

「やっほーセリス、久しぶりだね~。」

無駄に明るいオーラを醸し出しながらやってきたのはブロンドの髪をうなじの上で一つにまとめた髪形をしている少女だった。

「あ、フィリナ!」

「誰だ?知り合いか?」

と、ルナクが尋ねる。

「そうよ、私の友達で、フィリナっていうの。」

「へぇ。」

セリスにとってルナクは一応、契約守護獣なので軽くフィリナのことを紹介する。

「ねえねえ、セリスはさあ守護獣の契約ってもうした?」

フィリナが興味津々といった様子でセリスに聞いた。

「ああ、そのことなんだけど・・・」

セリスがルナクのことを説明しようとする。

「あれ?その人だぁれ?」

(やっぱりきかれたかぁ・・・)

と、セリスは何も知らずに尋ねてきた友人を見つめる。誰?と聞かれた当の本人はセリスの横で明後日のほうを向いている。

「あのね、フィリナ、この人は・・・」

「てゆぅかさぁ、この人、すっごい金もちなんだねー。セリス、どこで知り合ったの?」

フィリナが少し驚いたように言う。

「え?」

「どういうことなの?」

それは、セリスにとって聞き捨てならないセリフだった。何故ならセリスは今、非常に懐が軽い状態、わかりやすく言ってしまえば金欠なのである。なぜかと言うとセリスがルナクを契約守護獣として召喚するときそれに用いた召喚魔方陣がとても複雑で細部まで魔力を行き渡らせるためには、非常に高価な魔力伝達媒体を多く必要としたからだ。

「ルナクがお金持ち?どうしてそんなことがわかるのよ。」

と、セリスがフィリナに問いかける。

「え、だってその人の服見たことのないデザインだけど布と一緒にターフェ鉱石が編み込まれているもん。誰が見たってわかるよ?」

フィリナがセリスの問いに、さも当然といった様子で答える。それを聞いたセリスは驚いたように目を見開き、勢いよくルナクに尋ねた。

「ちょっとルナク、今の話は本当なの?あなたの服にターフェ鉱石が編み込まれているっ

て。」

「ああ、そうだぜ。俺のこれにはターフェ鉱石が編み込まれているんだよ。ターフェ鉱石は魔力の伝導性がいいからな。」

・・・どうやらルナクは最初から知っていたそうだ。もしかしたらセリスがルナクの着ている服について何も知らないような素振りだったため、ルナクが黙っていたのかもしれない。

「な、な、な、・・・」

そのことを知ったセリスは、動揺を隠せないようだった。そしてー

「売りましょう・・・」

「「え?」」

「売ろう!それしかないわ、この状況を脱却するには!」

「「???」」

いきなりのセリスの宣言に意味が分からないといった様子のルナクとフィリナ。だが、そんな二人のことはつゆ知らずといった様子のセリス。

(ふふふ、まさかあの時大量に消費したターフェ鉱石がこんなところでもどってくるなんて、これで私は金欠状態から脱することができるわ・・・なんてスバラシイことなの!)

そう、セリスがルナクを召喚する時に使った非常に高価な魔力伝達媒体とは、ターフェ鉱石だったのである。しかし、そんな事を知らないルナクとフィリナはセリスをこのままにしておいてはまずいと思い、二人して止めに入る。

「ちょっとセリス、売るって言ったってそれはこの人のでしょ。」

「おいおいセリス、売るって言ったってこれは俺の唯一の服だろ。」

セリスの意見に同時に反論する二人。対してセリスは何か考えているようだった。

「・・・う~ん。」

「「な(ね)。そうだろ(でしょ)?」」

最後に一押しとばかりセリスにこれまた同時に同意を求める二人。初対面のはずなのに不

思議と息の合うルナクとフィリナであった・・・。

「そうね・・・。こんなにたくさんターフェ鉱石を持って行っても質屋が困るものね。」

((心配するのそこッ!?))

そこでフィリナがセリスに言う。

「いや、そこは質屋が困るとかじゃなくて人権とかそういうものがねぇあるじゃない。」

「そうそう!」

それに同意するルナク。

「あ、フィリナ、言い忘れてたけどその人私の契約守護獣だからね。」

「いきなりッ!?唐突すぎるだろ、いくらなんでも。」

「あ、そうなの?セリス。だったら守護獣だから人権関係ないか♪」

「いや、あるだろっ関係大有りじゃんッ!!俺は人型だぞッ!!」

「「え?そうだっけ?」」

「気付くの遅くねっ!?」

本気なのかボケているのかよくわからない二人のやり取りツッコむルナク。そもそも俺は守護獣じゃなくて守護龍なんだけどな・・・と思うルナクであった。

「そういえばそうね、なんでルナクは私の契約守護獣なのに人型なの?」

いまさらながらにセリスが聞いた。

「えっと、それはだな・・・」

心の中で、守護獣じゃなくて守護龍な、と思いながらルナクが説明しようとする。が、

「ちょっと待って、その人ってセリスの契約守護獣なの?」

フィリナがもっともな質問をした。

「そうよ。伝説龍ルナデュークを召喚したら人型の龍っぽいものが召喚されたのよ。」

セリスはフィリナに手短に説明した。するとフィリナは納得したような顔をしてセリスにこう言った。

「なんかね、伝承上の生き物とか、神獣とかは人型を保てる場合が多いんだって。あたしが受けた授業で言ってたよ。だからその人の場合もそうなんじゃないかな。」

「なるほど、そういうことだったのね。それよりフィリナはルナクが伝説龍だってことに

驚かないのね。」

セリスが意外といった様子でフィリナに聞いた。

「まあね。あたしの契約守護獣も神獣だからね。ちなみに名前はメリィちゃん。」

「えっ!フィリナの契約守護獣って神獣なの!?」

フィリナの急な告白に驚くセリス。

「まさかフィリナが神獣と契約していたなんて・・・驚きだわ!」

「そういうセリスも伝説龍と契約しているけどね。」

今、セリスとフィリナは何とでもないように話しているが普通の生徒からしてみれば、驚いて、騒ぎ出すほどの内容なのである。もっとも、その二人は気づいていないようだが。

そもそも一般生徒なら神獣、ましてや伝説龍なんかとは契約できないのだからである。

「その神獣って・・・なんだ?」

今まで黙っていたルナクがフィリナに聞いた。

セリスもフィリナの言うメリィとはどんなものか気になっていたのだ。

「えっとねメリィちゃんはアストロメリアだよ。」

「「はっ!?」」

「メリィってアストロメリアなの?それって三大上級神の一人であるリクルス様の守護獣の一人じゃないの!!」

「メリィってアストロメリアなのか?もうちょいましな名前つけろよ、アストロメリアが泣くぞ?」

・・・。・・・。・・・。

どこか驚く観点が違っているセリスとルナク。三人とも何も言い出せずにそな場に立ち尽くしている。そんな沈黙を破ったのはフィリナだった。

「そのことはひとまず置いといて・・・。」

「「置いとくのかーいっ」」

「そんなことより、二人は何しに行くの?」

そんなことで済ましていいのか、とルナクとセリスは思いながらフィリナに学園の食堂へ向かうことを伝えた。

「へぇ、人型の契約守護獣って人間の食べ物食べれるんだー。」

「ふっ、なめるなよ?これでも伝説龍なんだぞ?」

「そういやアンタって伝説龍のわりに貧弱そうだね・・・」

「なにっ!?し、失礼な!俺が本気を出せばこの星を潰すことも可能なんだぞ!」

「「・・・」」

「「またまたぁ~見栄はっちゃって~」」

「あー、お前ら信じてないだろ、ほんとだぞ?」

「何言ってんのいくら伝説龍でも星を壊すことわできないでしょ。」

「そうだよねぇ、そんなことできるのはこの星を作った神様ぐらいだもんね。」

そういってセリスとフィリナは学園のほうへ歩いて行ってしまった。

「お、おーい待てよぅ、話を聞けよぉ・・・」

慌ててその二人の後を追いかけるルナク。その三人の後姿を茂みから隠れて見る者がいた。

「・・・。まさかこんなところにいたとは・・・。早く戻って主に報告しなければ。」

バサバサッ。

そのあと茂みからは何かが飛び立つ音がこだましていた。



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