帰還、そして母親の死を嘆く
本編です。
「武器も買ったことだし、一度家に戻るか!」
仕事に就いたから入れてもらえるだろう。
「よし、着いた!」
そう言って、玄関を開けた。
「母ちゃん仕事始めたぞ。」
しかし、帰ってきたのは静寂だけだった………
「居ないのか?かーちゃーん?」
買い物行ってるのか?
「ん?あれは……人の足?………まさか」
そう言って近くと、
「かあ…ちゃん……?」
母ライアが倒れていた。
「母ちゃん!?」
「母ちゃん!母ちゃん!」
しかし、起きることは無かった………
元々、体調を崩していたライアは、自身が酷い病気にかかっていることに気づいていなかった。
「母ちゃん!頼むから目を開けてくれよ!俺、仕事について来たんだぜ!?これから母ちゃんを楽させてやろうとしてたんだぜ!?」
せっかく親孝行しようとした矢先にこんなのって………あんまりだ!
「っく、もっと早くに、ぐすっ、仕事についてれば………」
ラジェスの中には後悔しか無かった……
「クソックソックソォォォォォ!」
かさっ
「…………ん?…………手紙?…………まさか!」
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『ラジェスへ、この手紙を読んでる頃には、私は多分死んでいるだろうと思う。ラジェスのことだから、もっと早くに働いていればとか、親孝行しとくんだったとか、後悔しただろうけど、ごめんね?母さん、体が持たなかった。体調が悪いことはわかってたんだけど、まさか死ぬとは思わなかったよ………。でも、私が死んだからって、働かないのわダメよ?空から見てるからね?だから、怪我と病気には気をつけてね。お父さんと一緒に見守ってるから。
母より』
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「わかったよ。母ちゃん。俺、精一杯働くよ………。だから、空から見ててくれ」
俺は、世界一のハンターになる!そして、誰にも恥じることのない、立派な人間になる!
ラジェスは、ライアを抱えて家を出た。
「父ちゃん、母ちゃんもそっちに行くから。空から一緒に俺のこと見守っててくれ………」
そう言って、ラジェスは旅立った。
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