ドイツロマン派研究書目リスト 50選(日本語で読めるもの)
ドイツロマン派文学研究のための参考文献書目リストです。
ドイツロマン派文学研究のための参考文献書目リストです。
日本語で読めるものに限ります。
以下。順不同です。
日本においては戦前の昭和前期にドイツロマン派が結構流行しました。そのころ研究書もいっぱい出版されたということです。
○獨逸浪漫主義 茅野蕭蕭 著 昭和17年 三省堂
戦前の書物ではあるが現在からみてもこれほどのまとまった網羅的なドイツロマン派研究はいまだ、ないということでしょう。ドイツロマン派の百科事典的な存在。包括的に知るには最適ですが何しろ文体が古めかしすぎるし、表現が学者的で無味乾燥?なのが難点?。「研究としてやってるんだぞ」、みたいな、つきはなした?冷静さが
ドイツロマン派の熱と夢想性から見ればは、つまらないですね。学者的過ぎます。
https://books.google.co.jp/books?id=5dUnCVcuLvQC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=falseウエブブック無料
以下ドイツロマンティック叢書
タウゲニヒツ ; 大理石像
アイヒェンドルフ著 ; 関泰祐訳
青木書店 1944.1 獨逸ロマンチック叢書 14
2
ブラムビラ姫
ホッフマン著 ; 石川道雄訳
青木書店 1943.6 獨逸ロマンチック叢書 8
3
セヴェンヌの叛亂
ティーク著 ; 神保謙吾訳
青木書店 1943.9 獨逸ロマンチック叢書 6
4
ヒュペーリオン
ヘルデルリーン著 ; 吹田順助譯
青木書店 1943.3 獨逸ロマンチック叢書 1
5
パウル・クルックホーン『独逸浪曼派
高橋義孝著
青木書店 1943.11 獨逸ロマンチック叢書 18
6
ライン綺譚 ; 遍歴子弟の手記
ブレンタノ著 ; 原健忠訳
青木書店 1943.8 獨逸ロマンチック叢書 11
7
青い花 ; ザイスの學徒
ノワ゛ーリス著 ; 小牧健夫訳
青木書店 1943.5 獨逸ロマンチック叢書 2
〇ドイツ浪漫派の人々 小牧健夫 昭和27年 アテネ文庫
○獨逸浪漫派 リカルダ・フーフ 岩波書店 昭和8年北通文 訳
「ドイツロマン派の開花期」のみの全訳です。かなり深い研究内容です。
今でもこれを乗り越えた研究はないかもしれませんね。
同氏の続編「ドイツロマン派の全盛期と衰退期」は未訳です。
こちらのほうが重要なのですが、訳者の北通文氏は、重要じゃないといっていますね。
意味不明ですね。こっちの方がもっと重要でしょ。
○ドイツロマン派 ハイネ
遅れてきたロマン派といわれるハイネですが。私から言わせれば「手遅れのハイネ」
ですね。ハイネにはもう何も期待できません。その彼によるドイツロマン派への追想です。
薄っぺらな解説と諧謔だけの内容です。
○ロマン主義の世界観と芸術観 オスカー・バルツル 1932年飯田安 訳
○独逸浪漫派 ブランデス 春秋社 昭和4年吹田順助、訳
ブランデスの解説は結構共感的で、機微に触れています。
内容もけっこう深い。しかし、その訳文が、あまりにも旧字体の難解で、今の人には到底読みこなせない。
○ロマン的魂と夢 アルベールベガン
戦後の研究書としてはこれが最高だといえるでしょう。
内容は網羅的でしかも深いですし共感的でもあります。
仏蘭西ロマン派についても詳述。
○怪物の解剖学 種村季弘
氏の独特の観点からのドイツロマン派の分析(解き明かし)が実に面白い。
ティークの短編小説「案山子」の分析が特に興味深いです。
あとはホフマンの「4大の精霊」の分析も面白い。
○ホフマン、浪漫派の芸術家 吉田六郎
ホフマンの伝記です。
○予感と現在、アイヒェンドルフの生涯 (伝記)
日本語で読めるアイヒェンドルフの伝記ではこれしかないです。
○『少年の魔法のつのぶえ―ドイツのわらべうた』矢川澄子・池田香代子訳、岩波書店〈岩波少年文庫
○詩人と英雄 グンドルフ
○ヘルダーリン ロロロモノグラフィー叢書 理想社
〇ユリイカ特集 ホフマン
〇ユリイカ特集 ノヴァーリス
○シュレーゲル 同上、おそらく日本語で読める唯一のシュレーゲル研究書。
○ドイツロマン派全集 全21巻
○ドイツ幻想小説傑作選 ――ロマン派の森から (ちくま文庫)
○ホフマン全集 全11巻
○フリードリヒの遍歴 「予感と現在」の全訳です。 神品義男訳
河出世界文学全集 アイヒェンドルフ
○悪魔の美酒 同上 ホフマン、中野孝二、訳
○悪魔の霊酒 深田甫 ちくま文庫
○悪魔の酒 ホフマン
○悪魔の霊薬 ホフマン 冨山房百科文庫
○小夜物語 ホフマン
〇夜景集
〇夜の画
○ロマン主義の自我・幻想・都市像―E.T.A.ホフマンの文学世界 (関西学院大学研究叢書) 単行本 – 2002/4
○叢書・ウニベルシタス 439
E.T.A.ホフマン
ある懐疑的な夢想家の生涯
R.ザフランスキー:著, 識名 章喜:訳
○『ノヴァーリス全集』全3巻 沖積舎、2001年
○ヘルダーリン全集
○ユリイカ ホフマン特集
○ゴッケル・ヒンケル・ガッケライア 改造社文庫
○『ロマン派文学論』(山本定祐訳 冨山房百科文庫、1978年、新版2000年) シュレーゲル
○ドイツロマン派集 筑摩世界文学大系
○見霊者 シラー
○独逸浪漫派集 河出世界文学全集
○グリム童話 マリア・タタール
○グリム童話集 岩波文庫
○グリム童話 角川文庫
○セヴェンヌの反乱 ティーク
○ライン奇譚 遍歴子弟の手記
○盗賊の森の一夜 ハウフ 岩波文庫
○隊商 ハウフ 岩波文庫
○リヒテンシュタイン ハウフ
○芸術を愛する1修道僧の心情の披瀝 ヴァッケンローダー
○ルチンデ ブレンターノ
○幸運の騎士 アイヒェンドルフ
○断章 ノヴァーリス 岩波文庫
○断片 ノヴァーリス 第一書房
○日記・花粉 ノヴァーリス 古典文庫
○ヒュペーリオン 岩波文庫
○エンペドクレス ノヴァーリス
○青い花 岩波文庫
○ザイスの学徒
○ミルテの精 ブレンターノ 東洋文化社 メルヘン文庫
○金髪のエックベルト ティーク 同上
○ジャンパウル全集 鈴木武樹個人訳 訳者の急逝のため、未完結
○巨人 ジャンパウル 古典文庫
○ザントマン ホフマン メルヘン文庫
○怪奇小説傑作集 4、ドイツ編 創元文庫
○砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫)
○黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ (光文社古典新訳文庫)
○世界短編文学全集 ドイツ19世紀編
○詩人とその仲間 アイヒェンドルフ著作選
○ドイツ名作集 集英社世界文学全集
○影をなくした男 シャミッソー 岩波文庫
○ウンディーネ フーケ 岩波文庫
○ホフマン短編集 岩波文庫
○黄金宝壷 ホフマン 岩波文庫
○ホフマン 集英社世界文学全集(砂男・ブランビラ姫)
○ホフマン物語 新潮文庫
○牡猫ムルの人生観 岩波文庫
○デュランデ城悲歌 岩波文庫
○ホフマン音楽小説集 音楽文庫
○アルニム エジプトのイザベラ 世界幻想文学大系
○ウイルヘルムマイステルの修業時代。遍歴時代、 ちくま世界文学大系
○フランツシュテルンバルト試論
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/7439/1/bungeikenkyu_56_20.pdf#search=%27%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%27
○フランツシュテルンバルトについて
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN1006705X-20120331-0137
○アルディンゲロと至福の島 パウルハインゼ
ネット上に邦訳があります。
https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/koda12.pdf#search=%27%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AD%27
ブレンターノ、 ライン童話集の研究
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/25741/1/13_P17-38.pdf
○ウイキペディアのロマン派の各作家の項目も検索・参照されたい。
後書き
まだまだ探せば、、いくらでもある?と思うが、
とりあえずこのくらいかな?
日本語で読めるものだけでもこんなにあるって事実が
むしろ、、ある種の驚きですよね?
ドイツロマン派なんてある意味、マイナーな分野ですよ。
それについて日本語でこんなにあるっていううれしい?驚き、
それが私の偽らざる心境です。
とはいえ
例えばティークやブレンターノについての、日本語で読める研究書はゼロという哀しさ。。
それにひきかえ、、、
ジャンパウル
ヘルダーリン
ノヴァーリス
ホフマン
なんて全集まであるんですよ、
アイヒェンドルフは邦訳の全集こそありませんがその作品はほとんど訳されているのです。探せば全部日本語で読めます。
まあティークやブレンターノは
なんというか混乱と錯綜しきった?作家ですから、
全容がつかみにくい?という面もあるんでしょうかね?
ドイツロマン派の主要な作家で、その、長編小説の代表作品が、いまだに、
邦訳されていないという事実にも。それが如実にあらわされてているんでしょうね。
未訳の代表作にしてドイツロマン派を語る上での最重要な作品。
「ゴドヴィ あるいは母の肖像」 ブレンターノの長編小説
「ウイリアム・ロベル氏の話」ティーク初期の長編小説
「フランツシュテルンバルトの遍歴あるいは古いドイツの物語」 ティークの代表作です
「ドロレス伯爵夫人、貧困と富と罪と贖罪」 アルニム
「王冠の番人」 アルニム
「女教皇ヨハンナ」 アルニム
「隠者新聞」 アルニム
http://www.ajisaibooks.com/german13.html
上記のような重要な作品がいまだに、未訳というのは、日本のドイツ文学者の怠慢?と言わざるを得ないでしょうね。
といって、、「じゃあ、お前が訳せよ」、、と言われても、、
一応ドイツ語を大学で学んだ私ではありますが、、
こんな大作、長編を全訳できるほどのドイツ語力がないのが悲しい現実なのです。
ああだれか訳してくれませんかね?
付記
断わっておくが、、(あえて断ることでもないか?)
私はドイツロマン派が好きなのであって、
別にドイツ人が好きだとか
ドイツ全体が好きだということでは決してありません。
念のため申し添えておきます。