第1章 3話 俺の妹は優等生らしいですね
閲覧ありがとうございます、ありあと申します!
拙い文章ですが最後までお付き合いいただければ嬉しいです(^O^)
ではあとがきにて!
スーッ、ハー
まずは深呼吸。
考え事をする時一番大事なのは落ち着くことだ。
……
うん、無理だ。
この状況で落ち着けるほど肝っ玉は備わってない。
俺は数多の冒険危険をくぐり抜けてきた歴戦の猛者でも何でもないのだ。
ただの高校生。本当に何の特色もないただの高校生だ。自分で言ってて悲しくなるな、コレ。
とりあえず昨日の事を覚えている範囲で思い出してみよう。なにか分かるかもしれない。
ーーー
俺の名前は一之瀬。
一之瀬 真。
本日4月7日をもって高校3年生になった。
高校3年生といえば受験に部活に修学旅行。3年間で1番濃い1年だと思う。
俺の通う高校は県立高校で県内4、5位の自称進学校。そんな訳で俺もまだ受験モードという訳でもない。
部活はサッカーをしていて中学の頃は地域の選抜チームに選ばれたりもしたが、しょせんその程度。試合には出れるが別にチームの主力という訳でもない。俺の代わりはいくらでもいる。
そんな理由もあって俺の1番の楽しみは、そう、クラス替えだ。
どんなクラスか、誰と一緒か、あの子と同じクラスになれるかな、と年甲斐もなく考えていた訳で昨日は眠れなかった。
はあ、眠い。
そんなことを考えていると、後ろから声がかかる。
「お兄ちゃん、邪魔なんですけど。
どいてくれませんかー?」
不機嫌そうな声に振り返ると、そこにはパンをくわえた妹がいた。
一之瀬 沙也加、2つ年の離れた俺の妹だ。
こいつは俺とは違い学業優秀、容姿端麗、運動神経バツグンと3点揃い。
まあ、いうなればあれだ。優等生ってやつだ。
いや、俺だってそこそこ賢いし、運動神経もそこまで悪くない。一応部活でレギュラーだし。顔はまああれだ、うん、不細工ではない。大丈夫、不細工ではない。
頑張れ俺!
っと失礼、話が逸れた。
とにかく出来た妹なのだ。
そんな妹も今日から高校生だ。
妹のレベルならもっといい高校にも入れたのに
「運動会とか文化祭とか、お兄ちゃんと別々だとお母さんたち大変じゃん!」
とか何とか言って結局は俺と同じ高校に入ることになった。
「別に運動会とか文化祭とかこなくてもいいよ」
と俺が言うと
「そんなんダメだし!」
と妹はめっちゃキレた。ホントにめっちゃキレた。そこまで俺の運動会とかの事を考えてくれるとはいい妹だ。
だが、俺としてはこんな優等生の妹が同じ学校だと肩身が狭い。実際中学の時はよく比べられたものだ。
そんな訳で俺としてもささやかな抵抗を試みたものの
「お兄ちゃんには関係ないじゃん!
私がどこの学校行こうと私のかってでしょ!」
…それに、その、お兄ちゃんと一緒に行きたいし......
と、最後の方は聞き取れなくなるほどに目に見えて機嫌が悪くなる妹を見て断念した。
まあ、実際その通りだ。どこに行くかは妹が決めるべきだ。
はあ、1年間大変だな。
なんて考えていると
「お兄ちゃん、聞いてんの?」
っと、いけない。
妹はご機嫌斜めのようだ。
「聞いてるよ、悪かったな。
ほら、どうぞお通り下さいな。」
「はあ?同じ学校なんだし一緒行けば良いじゃん。」
まあ、その通りだ。
いや、嫌だけど。
「いや、別に一緒に行く必要な...」
目に見えて機嫌が悪くなる妹。
あ、ダメだコレ。
はぁ、一緒にいくか...
「ゴメンごめん。そうだな、一緒に行こうか。
てか、お前朝メシは家で食えよ。
それくらい待っててやるからさ。」
諦めた俺はいつもの様に妹に言う。
「お兄ちゃんうるさい。
いつも言ってるけど私みたいな優等生にはこれくらいのダメさがあった方がいいの!」
「あー、はい。
さよですか。それじゃあ行くか!」
なんだよそれと思いつつ、声をかけると返事はないが妹は付いてくる。
電車を乗り継ぎようやく学校にたどり着いた。妹は初めての通学で緊張しているのか終始無言だった。
心なしか顔が赤く見えたのは気のせいだろう。
校門で妹と別れ貼り出された新クラスに行ってみる。
南館4階の教室に入るとそこには見知った面々。女子なんて数える程しかいない。
いや、知ってたけども。
うち学校は2年に上がる時に文理選択をする。何をとち狂ったのか理系を選択してしまった俺は男子8対女子2の人数比のクラスで1年過ごした。
楽しいは楽しい。しかし、女子たちには悪いが如何せん花がない。
理系クラスは2クラスだった。
つまりいくらクラス替えをしようと女子は増えない。
いや、分かってたよ。分かってたけども少しくらい期待したっていいじゃないか。
詰まるところ昨晩俺は、明日のクラス替えに希望を抱いていたなんてことは無く、ただただ妄想をし続けていただけなのだ。
はあ、自分で言ってて以下省略
うちの学校は変わっていて入学式と始業式が続けて行われる。何でも新入生に早く高校に、慣れて貰いたいという先生方の粋な計らいだそうだ。
...絶対嘘だ。めんどいだけだろ。
なんて思いながらも入学式は進んでいく。
校長の長ったるい話、PTA会長の長ったるい話、教育委員会のetc…
淡々と続く祝辞に眠気を感じていると
「新入生代表、一之瀬沙也加」
え、マジかよ。
耳を疑った。
当然と言えば当然だが一言くらい言っておいて欲しかった。
俺にだって心の準備ってもんが必要だ。
...これは何としてもバレる訳にはいかないな
などと考えていると
「...この学校に通う兄に負けないよう精一杯頑張ります。新入生代表、一之瀬沙也加。」
はい、バレた。
頭が真っ白になる。
この学校に一之瀬なんて珍しい名字は俺だけだ。
隣に座る男子が冷やかしてくるが断固無視だ。
せめて冷やかしてくるのが女子ならなぁ、なんて無駄な事を思いながら時間が過ぎ去っていくのを待ち続けた。
いやーしんどい。
見切り発車なもんだから書き出したら止まらない笑
一応異世界転生ものなんですよね、これ。
早く異世界でぶいぶい言わせたい笑
後1、2話くらい回想が続きますがどうかお付き合いくださいm(_ _)m
……普通に妹ものの学園ラブコメになってしまいそう笑