国を救え
人に言っても絶対に信用されないもの幽霊やUFOそしてタイムスリップなど怪奇現象を他人に絶対に伝わらないものであり矢嶋も寺島そして俺も信じていなかったものであったが今戦国時代にタイムスリップしたことにより怪奇現象を信じざるを得ない状態になってしまったのだ
「あーどうしよう…本当に戦国時代なのかよ…親心配してねえかな…」実家通いの寺島は不安げに語りだしどこかいつもの様子とおかしい
「大丈夫だよ。時間軸は現実世界とは一緒ではないがこっちで多くの時間を過ごしてもあっちの世界ではそんなに時間は動いてないよ」
寺島を励ましてみるがこんなことしか言えない。ていうか仮に戻れないとかいうことになったら俺らは一緒戦国時代で暮らすことに?そんな嫌だ!絶対に!
「輝殿!殿が御呼びです!」
家来が部屋の襖を壊れそうな勢いで開けそれもどこか困ったような顔をしている。なんかあったのか?
俺ら3人は殿の広間まで家来に連れられ歩く途中に城の中を見たりその景色を見ているうちに二人も戦国時代にタイムスリップしたことに実感が湧いてきてる感じが見受けられる。
「なあ輝この外の景色って俺らの地元に似てないか?」
言われてみれば確かに…矢嶋と俺の地元は山に囲まれておりここもどこか故郷に似ている気が…どこか懐かしい心が落ち着く感じがするのだ。
「こちらです」
家来は俺らを殿の広間に通し広間には多くの家来が集まりどこかピリピリしている感じが広間を覆っており殿の表情も真剣な眼差しで広間全体を見渡して俺らが来たことを確認して口を開いた
「本日使いが武田からの一通の手紙を承った。内容はこう記されてるので今から読み上げる。」
『小林国殿方へ我が国甲州国は今天下統一のため多くの領地を得るために日々戦に向けて準備しておる。そして越後上杉家は我が武田家にとって天下統一の妨げとなっている。そこで我が国と越後に挟まれた小林国に我が国の支配下として越後との戦に備えた領地になって欲しいのだ。そこで小林国の姫方を我が国甲州国に引き取りたいのだ。これで小林国は裕福な我が国の支配下として平和に過ごせるだろう。もし万が一姫方を我が国に送れないのであればさもなく小林国に戦を起こす。』
ようするに姫を嫁としてくれたら小林国は武田軍からの攻撃はしないということだか姫を甲州国に嫁がせないなら武田軍が小林国に戦をしかけ武力で制圧する気か…
「だということじゃ!余は我が子である凛を出す気はない!」
すると殿の横に可愛い女の子が座り込む。そうかこの子が凛姫か…なんていう可愛さ本当に可愛すぎる…姫は目がぱっちりしており口元や鼻も整っておりなんといっても純白な肌が魅力な女性である
「しかし殿!武田軍は約2万の兵でうちの兵は2000人足らずなんですぞ?」家臣の1人が慌てた形相で殿に質問しはじめ周りの家臣や家来だって殿の意見には納得いかない顔をしている。
そりゃあそうさどうみたって勝ち目は…10倍の兵の数もあれば無理に決まってるそれも甲州兵というのは尾張兵5人に対して甲州兵1人の能力って言われてぐらい戦闘に優れている。それがどうやって勝とうって言うんだ馬鹿馬鹿しい…
「そんな事は知っておる。じゃが我が国には異国からやって来た方たちがおるじゃないか!輝殿!そしてあとお二人がいたら勝ち目はあるかもしれないのじゃ」
え!?俺ら?おいおい冗談はよせよ。
矢嶋が隣で俺の肘にデコピンし隣を見てみて矢嶋は必死顔で見つめ話しかけ「おい輝俺ら本当にこのまま戦国時代で死ぬんじゃ…」
そんなわけない。また現実世界に戻れば…いや待てよ…そしたらまた戦国時代に戻されるのでは…
「殿!勝ち目はさすがに…」俺は勝ち目はない事を伝えようとしたが殿の必死な顔を見てどこかもしここで勝ち目がないみたいなことを伝えたら殿は悲しむそしてその隣に座っている凛姫だってきっと悲しむ。自分が生きたくない所で一生暮らすなんて嫌だよな俺だって今一人暮らしで上京してるけど仮に二度と故郷に戻れないなんていったら悲しいどころかなんていうかその…言葉に言い表せない気持ちに…
そんな事を考えていると俺は言葉をつまらせ黙ってしまった。
「どうしたんじゃ?輝殿?勝ち目はないわけではないじゃろ?なぁ?輝殿!」
はぁ…なんでこんな事にでも今まで普通に生きてきてこんなにも人が俺に頼ってきた事なんてあったか?普通の人生を過ごしてきてた人間がこんなドラマみたいな展開が起こっているんだ殿の必死な真っ直ぐな目を見て裏切れるのか?
矢嶋…寺島…ごめん…俺は…そして姫あなたのこの国に残りたい気持ち受けっとたよ…
「勝ち目はあります!任せてください!」
あ…言っちゃったよ…あまりの興奮状態で言って
はいけないものをいってしまったような気がする
「おい…輝嘘だろ…?」
「なにいってんだ!輝!」
矢嶋は信じられない顔で俺を見つめ寺島は今にも俺に殴りかかりそうな勢いで俺を睨む
「よくぞ!言ってくれた!感謝している!」
殿には笑顔そして姫は俺に頭を深々と下げて感謝しているように見える。
しかし言ってしまったのはよいがこの先どうなるかなんて実は考えていなかったのである…