表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

眼鏡を買ったらメンテナンスを(1)

 その日、店の前には一人の女性が立っていた。20分ほどウロウロして、何度か店の中に入ろうとして、そしてためらっている。こういう人は間違いなく不確かな情報を元に依頼しに来た依頼人なので、コーヒーを淹れてから店の中に入るよう勧める。

 「あの~、良かったら、コーヒー飲みませんか?」

 「あ…ありがとうございます。」

 茶色いロングコートに、地味な黒縁眼鏡の女性が店の中に入ってきた。


 うちは個人営業だ。この店は元々喫茶店だった店舗に、父が看板を作ってひっかけたものだ。そのため、元からあったカウンターはそのままあり、そこで客と相談したり、コーヒーを飲んでもらったりする。

 今回のお客には、唯一特注の仕切りがある、カウンターの端っこに座ってもらった。

 「ところで、依頼は何ですか。」

 「はい…、実は、うちの主人が事故死したんです。」

 「ほう、随分とドライですね。主人が事故死したのに。」

 「そりゃそうですよ。私の雇い主ですから。」

 「…………。」

 一分ほど考えてから、やっと

 「…ええっ!?」

 驚くことができた。

 「主人て普通、旦那さんの事ですよね!?なんでそんな普通に『主人』なんて呼べるんですか!?こっちが勘違いするじゃないですか!?」

 「す、すみません…。」

 「あ。」

 昔から両親に「お前はオーバーリアクション過ぎるんだよ…」と言われていたことを思い出して、苦笑いした。

 「こ、こちらこそすみません…。」

 依頼人に引かれてしまってはやばい。

 「そ、それで、依頼内容をお願いします。」

 「はい、実はですね…。」


 あれは、主人と一緒に山奥の別荘に行った時の話です。主人はまだ若いのですが、結婚もしていない上に、仕事にもついていないロクデナシでした。そのくせ両親が大企業の社長と秘書なので、30歳を過ぎた今でも、親のすねをかじって暮らしている有様でした。

 私はその両親に雇われた家政婦ですが、契約にあたって「息子を主人という事で、働いてほしい」と頼まれたんです。私はその条件を含めて契約したのですが、あとで後悔しました。その息子が大変な面倒くさがり屋で、家事の全ては勿論、「あれを取ってこい」とか「これを捨ててこい」とか、細かいところまでやらせようとするんです。拒否すると駄々をこねだす始末。もうこりごりだと契約破棄のため、その両親の所に行ったんです。そしたら、「あと一週間我慢してくれ」と頼まれたんです。

 その一週間の最後の二日間に、主人が急に別荘に行くことになって、それについていったんです。


 主人は楽にできる仕事を求めて、毎日パソコンで調べていました。その日、一日目もパソコンを使っていたのですが、よく独り言を呟いていました。それに何だか上機嫌だったんです。まるで、仕事が見つかったようでした。そして、事件はその晩に起こったんです。

一応ヒントはばらまきました。問題は、ストーリーとして成り立つかどうかですね。トリックに自信はあるのですが…。次の話は近日公開という事で、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ