プロローグ
探偵なんて絶滅している。そう考える人が今の世の中、大半だろう。推理だけで食っていける探偵なんて、今の世の中いない。
せいぜい、浮気調査や人探し専門の探偵がいるくらい。小説通りの探偵なんていない。
「純」探偵は絶滅した。
しかし、もしも副業がてら、探偵まがいの事をしていたら?そう、「純」探偵は絶滅したが、この世の中、存在するのだ。「副業探偵」が―。
自己紹介が遅れたが、僕の名前は双見。双見浩志だ。読み方はフタミコウシ。うちの親は余程の変わり者だったのだろう、ヒロシと読む名前をわざわざコウシと読ませたのには、何らかの魂胆があったのだろう。今となっては知りようもないが。
今は、両親が遺してくれた店「フタミ眼鏡」を経営する店主だ。副業として探偵をやっている。たまに事件を解決したりする。
(地元では全く有名ではないが)
この記録は、僕の推理をとりあえず文章にしたものだ。面白みに欠けるかもしれないが、とりあえず小説家っぽく書いてみた物。子供の頃は小説家を目指していたが、両親がこの店を継いでほしそうだったし、仕方なく継いで、ついでに小説家も諦めた。今となってはいい思い出だ。
プロローグが長くなったが、まあ、聞いてくれ。