0.ユウキ レン
僕”結城 蓮”は現実に打ちのめされていた。
就職難の昨今なんとか新卒で職につけたと思ったらサービス残業当たり前のとってもブラックな企業で、去年一年に二回も過労で倒れそうになった。
そんな状況でさらに上司に仕事を沢山押し付けられるので耐えられなくなり今まで働いていた職場をこの間辞めた。
そして現在二度目の就職活動を始めたはいいが就職難を現在進行形で体感中である。
今日も面接を終えた所だが手応えを全然感じなかった。
(帰ったらまた情報誌と格闘かぁ…)
昼の空いてる電車に乗っているとそういう事ばかり考えてしまい気分が滅入ってくる。
スマホを起動してメールを確認しても就職情報サイトのメールばかりで友人のメールは全然ない。
(このまま電車に乗ってどこまでも行ってみたいな…)
単純な現実逃避だ、もちろん考えるだけで実行する気はない。
そんな事を考えてるうちに近所の駅に到着し電車を降りる。
電車を降りた後はバス10分くらいの距離なのでバスに乗っても良いのだが節約の為歩いている。
就職活動に使う交通費等を考えると無駄遣いも出来ないし時間特に急がない。
帰路の途中にあるコンビニでおにぎりを買って公園のベンチで食べる。
「ま、ハロワでも寄って帰るかな」
のんびりしてても仕方ないので帰路からは少し外れるが近所のハローワークに寄って帰る事にした。
(ん?)
ベンチから立ち上がった時視界の端に女性が見えた気がしたのでそちらを向いたが誰もいなかった。
(見間違いかな…?)
居ないのだから見間違いなのだろうけど何故かその女性の存在が頭から離れなかった。
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戦争でもあったのだろうか?
焼け野原の中に沢山の死体が転がっている、人の形をした物から人ではない何かまで様々だ。
そんな中で真っ黒の刀身の刀を持った少女が真っ白の大鎌を持った女性を刺していた。
――ポツッ ――ポツッ
―――次の世代では…対…貴方を…『純白』
―――次の世代で…貴方……に…『漆黒』
降り出した雨に二人の呟きはかき消されていった。