あの日の記憶
ああ、あの日。
思い出すだけで頭が痛くなってきた。
げろ吐く前に先輩と別れてから……
ほろ酔い気分、近くにあったBARに入ったんだ。
いつもならさっさと帰るのに、そのBARのカクテルの名前が美味しそうでつい。
飲んだ。
何倍目のんでた時、辛気臭くため息をつくおっさんに気がついたんだ。
「よーおっさん。暗い顔してんな。」
普段なら言わない言葉。
心の言葉。
どうせ一回こっきりの出会いだと思っていたのと、酔っていた勢いで素がでてしまった。
当然、睨まれたけど無視された。
「ほっといてくれないか」
この時の西海の反応は、かなり普通だったと思う。
私でも無視して、さっさと帰ろうと思う。
そう絡み酒。
こんな女、勘弁してくれって思うはずなのに、私は絡み続けた。
「嫌なことあって、一人でいてもよくならないぜぇーー。
俺っち、うまい飯食わせちゃるよ」
男は席を立ちお金を払う。
私は慌てて後を追うため、支払いを済ませようとすると、すでに男が払ったあとだった。
「帰って寝た方がいい」
何優しい男なんだ。
思わず抱きついていた。
ただの酒乱。
「兄さん、ありがとう。お礼に今度は飯奢るぜ。」
おっさんから兄さんに昇格。
ああ、こんなに素が出ているのはいつぶりだろうというぐらい素の私が出ていた。
男の手を掴み歩き出す、きっと男が…おっさんから兄さんに昇格した西海が私の掴んだ手を振り払わなかったのは振り払えば倒れこむのが目に見えていたからだろう。
そして…たまに一人で行くご飯屋にいわゆる大衆食堂になだれ込んだ。
おっさんばっかだけど美味しいとこでご飯を食べてタイムリミットを迎えた。
お酒のみましたーーー二時間経過しました。
ゲロりまーす。
なんだかこのあたりから記憶は曖昧だが西海が介抱してくれて部屋に送るため住所を聞かれたけれども教えなかった。
知らない男を警戒したわけじゃなく、なぜなら部屋がきたないから。
で、ホテルに泊まって。
またホテルの一室で飲んでいた。
今度は西海も…そして気がつくと朝、あの状態。
どこに惚れる要素があったんだ。