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酒に飲まれた恋心  作者: 月帆
本編
7/22

またデートです

次の休みは…西海がやってきた。


だから、どうやって家調べてんだ。

おめーーーらよぉおお。

と、突っ込みたいが、おそらく先輩に聞いたのだろう。


「今日は楽しもう」

爽やかに挨拶されても、トキメキません。

それより、酒のんで記憶がないからわかりませんがあたし、なにしたんですじゃぁああ。という気持ちの方が強いのですが…初対面の相手に結婚申し込ませるほど酷いことしましたか?


そして連れていかれたのは海。


はっ?


海でなにするんですかーーと思う間もなく釣りモード。


いやん、生き餌のミミズなんてこわくてさわれなーーい。

すみません。

やりすぎました。


今ならゴキブリだって素手で叩けます。お嬢様育ちのはずが、こんな性格ですみません。魚釣りの準備もできて餌を垂らして魚が引っかかるのを待つ。準備のいいことに手でつまめるおやつやご飯まで用意されている。

静かにリードの先を見つめる。

「玲は何にも聞かないんだな」

西海が話し出した。

いつ名前でよばれるようになったの私。

これで、2度目…3度目の出会いなんですが。

私、名前と職業以外知りませんよ。あと先輩の友人ってことぐらいしか。

「はぁ」

興味がないから聞かないんだよ。

いきなり結婚なんかいいだすの変人でしょ。

ソレに付き合ってる私も変人か。


「私は…仕事のくせが抜けないな。

俺は君のお父さんの事務所で働いている。」

おそらく名刺や少しでも西海のことを調べればわかる情報だったが、まったく調べていなかった私は驚いた。

父の事務所…ここで務めるということは弁護士として有能なのだろう。

「そうなんですか。」

「勘違いしないで欲しい。

嫌なら辞める。引き抜きの話ならいくらでもある。ただ、変な誤解をされたくなくて言っておきたかった。」

嫌なら辞めるって、彼女でもないのに。

でも引き抜きの話ならいくらでもあるって、当たり前のようにいうけれど…嘘ではない何かを感じさせる。

「で、どうして欲しい。」

どうして欲しいっていわれても………あの、私は何度も言いますが初対面なんです。

「どうもしてほしくありません。」

「人の仕事に口を挟まない。奥ゆかしいですね。」

決定だ。

こいつも妄想家だ。

「俺は初婚じゃないんだ。」

この言葉の方が衝撃が少なかった。

そうなんだーー。

「妻とは10年前に死別しました」

西海が言葉を続ける。

へーーーお気の毒に…でも今の状況と関係なくない?

ってか魚きたーー。

「ひっぱれ」

大声で叫んでいた。

驚く西海。


キターー


でっかいどーー。


魚つったど。「焼き魚」思いは口に出ていた。

西海は笑い出した。

「やっぱり玲は面白い」


…はっ、本音が口に出た。いつもはクールな才女なのに、最近イレギュラーなことが多すぎてどうも調子がおかしい。

ってか西海呼びつけ早くない?

「出会った日、運命を感じたんだ。」

先輩は妄想家でこいつはポエマー?

「覚えているか、あの日のこと。」

いえ、覚えておりません。

酔ってましたから。

初めて記憶を飛ばしました。

はい、

黙っていると西海は話し出した。私は焼き魚を頬張る。


「衝撃だった。BARで飲んでいると君が声をかけてきて…元気だせっと慰めてくれて…

正直鬱陶しいだけだったんですが、いつに間にか目が離せなくなっていた。

……何というか。

君のように活力に満ち溢れた人はいないと思った。

俺は玲のような生きる力が足りないと思ったら君が欲しくなった。」

一目惚れ。

頭が痛い。

なにを言ってるんだ。お互いいい年なのに。

夢見る少年は少年だから許されるのであって、夢見るおっさんはイタイぞ。


……ああ、なんか思い出してきた。

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