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酒に飲まれた恋心  作者: 月帆
こぼれ話
22/22

片思いの時間と好きになる時間

先輩と別れて、西海と二回目に飲んで、たくさん話をして。

少し辛い週明け。

先輩と会うのが辛い。


「おはよう。」

先輩、やっぱり優しい顔で微笑んでくれる。

「おはようございます。」

こんなときに上手く話せない自分の経験値のなさが困る。

少しの無言の時間のあと、声を出したのは先輩でも私でもなかった。

「おはようございます。東山さん…北川さん。」

確か、事務の女の子。いつもと同じニコニコした顔で元気良く挨拶をしてくれる。

私の緊張していた気持ちが途切れる。

「おはよう、南さん。」

先輩が先に返事をする。

「おはようございます。」

私も返事を返す。

事務の女の子はいつものように事務所に消えて行く。

たわいもない日常、仕事の雰囲気。

先輩が軽く肩を叩いてくる。

「先輩?」

「片思いの時間と好きになる時間なんて比例しないさ。

あいつには言わないけど、あいつは大事な奴だし、東山さんは大事な後輩だよ。

いつまでも。またみんなで馬鹿しよう。」

肩に置かれた大きな手、優しい手。

「そうですね。私も尊敬する先輩がいて嬉しいです。」

二人で視線を合わせて微笑んだ。


西海とは違うけれど、この人も大事な人。

お互いのスペースに移動する。

「どうぞ。」

事務の女の子がいつものようにお茶を出してくれる。

「ありがとう。」

温かいお茶、何だかいいことがある気がした。

「片思いの時間と好きになる時間っか。」

先輩の言った言葉を繰り返す。

「どうかされましたか?」

事務の女の子が聞き返してくる。

聞かれてるなんて思わなかった。

「なんでもないの。」

「そうですか、失礼しました。」


好きになる時間なんて、一瞬。

温かいお茶を飲み終え、私は仕事を始める。

新しい一日の始まりだった。

先輩メインの話と織り交ぜたこぼれ話です。


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