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## 番外編 「未来の話をしよう」

## 番外編 「未来の話をしよう」


春。


窓を開けると、少し暖かい風が入ってくる。


ルナはソファに座りながら、その風を感じていた。


---


「もう春か」


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朔が言う。


---


「早いね」


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ルナはカレンダーを見る。


季節はちゃんと進んでいる。


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それが少しだけ不思議だった。


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昔の自分なら。


未来なんて考えられなかったから。


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### 休日の午後


二人でのんびりしている時間。


テレビも消えている。


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珍しく静かだった。


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ルナがぽつりと言う。


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「ねえ朔」


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「ん」


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「将来って考える?」


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朔は少し考える。


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「たまには」


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「どんな?」


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「普通に働いて」


「普通に飯食って」


「普通に生きる」


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ルナは少し笑う。


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「朔らしい」


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### 未来予想図


しばらくして。


ルナが聞く。


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「その普通の中に」


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「うん」


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「私はいる?」


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沈黙。


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数秒。


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朔は答える。


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「いるだろ」


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あまりにも自然だった。


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まるで


"明日も太陽が昇る"


くらい当たり前に。


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ルナは目を丸くする。


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「そんな簡単に言う?」


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朔は肩をすくめる。


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「だっているじゃん」


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ルナは何も言えなくなる。


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### 少し照れる話


夕方。


空がオレンジ色になっている。


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ルナがクッションを抱きしめながら聞く。


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「もしさ」


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「うん」


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「もっと大人になったら」


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朔はなんとなく察する。


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「ん?」


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ルナは少しだけ顔を赤くする。


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「一緒に住んだりする?」


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沈黙。


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今さらなのに。


なぜか二人とも照れる。


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朔は頭をかく。


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「たぶんな」


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ルナの耳まで赤くなる。


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「たぶん?」


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「かなり高確率で」


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「それ、ほぼ決定じゃん」


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### 約束


夜。


帰り道。


街灯の光が足元を照らしている。


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ルナが言う。


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「未来って怖かったんだ」


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「今は?」


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ルナは少し考える。


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そして答える。


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「楽しみ」


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朔は小さく笑う。


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「ならよかった」


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ルナはそっと手を握る。


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「朔」


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「ん」


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「未来の話、またしようね」


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朔は頷く。


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「いつでも」


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### エピローグ


家に帰る。


靴を脱ぐ。


明日の準備をする。


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本当に普通の夜。


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でも。


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未来の話をしたせいか。


少しだけ世界が明るく見えた。


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ルナは窓の外の月を見る。


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そして小さく笑う。


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「明日も楽しみ」


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隣から朔の声が聞こえる。


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「まずは宿題終わらせろ」


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「うっ」


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「未来の前に現実な」


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ルナは頬を膨らませる。


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でも笑っていた。


---


## 番外編タイトル


**「未来はまだ来ていない。でも、一緒なら待つ時間も好きになれる」**


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こうして二人の毎日は続いていく。


特別な奇跡じゃなく。


手をつないで歩くような速度で。


少しずつ、未来へ。


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