--- ## 番外編 「世界でいちばん普通のクリスマス」
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## 番外編 「世界でいちばん普通のクリスマス」
12月24日。
街はうるさいくらいに明るかった。
イルミネーション。
笑い声。
ケーキの広告。
全部が“誰かと一緒にいること前提”の空気。
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「寒い」
ルナが言う。
「そりゃ冬だしな」
朔はコートのポケットに手を入れる。
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ルナは少しだけ間を置いてから言う。
「クリスマスって、何する日?」
「普通はデートとか、プレゼントとか」
「じゃあそれする」
即答だった。
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### プレゼント選び
雑貨屋。
ルナは真剣な顔で棚を見ている。
「これとこれ、どっちがいい?」
「どっちでもいいだろ」
「ダメ」
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朔はため息をつく。
「なんでそんな真剣なんだよ」
ルナは少しだけ考えて言う。
「ちゃんと“好き”って形にしたいから」
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その言葉で、朔は一瞬止まる。
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結局ルナは小さなマフラーを選んだ。
「これ、朔に似合いそう」
「地味に照れること言うな」
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### イルミネーション
夜。
街の光の中を歩く。
ルナはずっと上を見ている。
「すごい」
「毎年やってるぞこれ」
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「でも今年は違う」
「何が」
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ルナは少しだけ笑う。
「隣にいる人が違う」
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朔は何も言えなかった。
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### ケーキ
小さな店。
ホールケーキを前に、ルナはじっと見ている。
「これ、食べるの?」
「クリスマスだからな」
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ルナは少し考えてから言う。
「誕生日みたい」
「まあ似たようなもんだな」
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「じゃあ」
ルナは小さく言う。
「今日、私の誕生日でもいい?」
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朔は少し驚く。
「なんで」
「今日、“ちゃんとここにいる日”だから」
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朔はそれ以上聞かなかった。
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ろうそくに火が灯る。
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### 願いごと
「吹いて」
朔が言う。
ルナは少しだけ目を閉じる。
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そして一息で火を消す。
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「何願った?」
朔が聞く。
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ルナは少しだけ笑う。
「秘密」
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「ずるい」
「うん」
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### 帰り道
夜の空気は静かだった。
ルナがぽつりと言う。
「今日、すごく幸せだった」
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朔は少しだけ笑う。
「普通すぎて?」
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「うん」
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ルナは手を伸ばす。
朔の袖をつかむ。
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「でもね」
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「普通が一番怖くない」
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朔はその手を握り返す。
「じゃあ毎年これでいいな」
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ルナは小さく頷く。
「うん」
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## 番外編タイトル
**「世界が特別じゃなくても、君がいればそれでいい」**
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