表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れたひとり、世界を歩く  作者: ルーラ
第一章 王国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/14

1章7話 噂

いやーまじで自然な文作んの大変過ぎない??

兵士は桶を置くと、

 なぜかすぐには帰らず、

 入口のあたりで少し迷うように立ち止まった。


 男は手ぬぐいを受け取りながら、

 その気配だけを静かに感じ取る。


 「……ああ、そうだ」


 兵士がぽつりと呟いた。


 「伝令が来た。

  スタンピード……終わったらしい」


 男は手ぬぐいを水に浸し、

 軽く絞りながら顔を上げた。


 「そうなんだ」


 兵士は苦笑した。

 安堵とも、戸惑いともつかない表情だった。


 「“終わった”って言われてもな……

  あれだけの数が、急に静まるなんて普通じゃねえ」


 男は黙って耳を傾ける。


 兵士は壁にもたれ、

 天井を見上げるようにして続けた。


 「前線の奴らは皆、口を揃えて言ってる。

  “何かが起きた”って。

  魔物が……一斉に引いたんだと。

  まるで、何かに怯えたみたいに」


 男は静かに耳を傾ける。


 兵士は少し黙り、

 言葉を探すように視線を落とした。


 「……でな。

  その“何か”について、変な噂がある」


 男は手を止めず、ただ聞いている。


 「前線のどこかに、

  “とんでもない魔法使い”がいたらしい」


 言いながら、兵士自身が苦笑した。


 「姿を見た奴はいねえ。

  でも……

  “空気が一瞬で変わった”とか、

  “地面が震えた”とか、

  “魔物が灰になった”とか……

  誰も見てねえのに、皆が同じことを言うんだ」


 苦笑の奥に、

 わずかな恐れが滲んでいた。


 「戦場じゃ噂なんていくらでもあるが……

  今回は、妙に一致してる。

  まるで、誰かが本当に“何かをやった”みたいに」


 男は手ぬぐいを畳みながら、

 ゆっくりと頷いた。


 兵士は続ける。


 「王都は“掃討作戦が成功した”なんて言ってるが……

  あんな綺麗な言葉で片付くもんじゃねえよ。

  前線の奴らは皆、

  “あれは人間の仕業じゃない”って言ってる」


 男のまぶたが、

 ほんのわずかに揺れた。


 兵士は気づかず、ため息をつく。


 「……まあ、噂は噂だ。

  けど、あの静けさは……どうにも気味が悪い」


 扉に手をかけ、

 出ていく直前、振り返らずに言った。


 「……悪かったな。

  疲れてるだろうに、こんな話して。

  ゆっくり休んでくれ」


 そう言い残して兵士は去っていった。


 扉が閉まる。


 男は窓の外を見つめた。


 夕暮れの空が、

 ほんの一瞬だけ揺らいだように見えた。


 「……人間、ね」


 その呟きは、

 誰にも聞こえないほど小さかった。


そういえば俺国語の成績あほほど低かったわ.........

でも漢文は得意だからWorth

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ