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外れたひとり、世界を歩く  作者: ルーラ
第一章 王国編

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1章9話 夜明け

主人公はって違和感ありまくりすぎたから男に変えた

 夜が明けきる前、

 男はゆっくりと身を起こした。


 眠ったのかどうかは分からない。

 ただ、目を閉じていた時間が

 いつの間にか過ぎていただけだった。


 外はまだ薄暗く、

 窓の向こうにかすかな朝の気配が漂っている。


 腹が鳴ったわけではない。

 けれど、身体が“食堂へ行け”と

 淡く促しているような感覚があった。


 男は立ち上がり、

 静かに部屋を出た。


 廊下には、

 夜の冷たさと朝の温度が混ざり合った空気が漂っている。

 足音が響かないように歩くと、

 遠くから人の声が微かに聞こえてきた。


 食堂の扉を開けると、

 温かい湯気と、

 人の気配がふわりと流れ込んできた。


 数人の兵士が、

 まだ眠たげな顔でパンをかじり、

 湯をすすっている。


 その光景は、

 戦場の噂話とは無関係の、

 ただの“朝”だった。


 男が入ると、

 昨日の案内役の兵士がちらりと視線を向けた。


 「ああ……お前も来たか」


 声は低く、

 けれどどこか安心した響きがあった。


 「あぁ」

 

 男は軽く返事をし、

 隣の席に腰を下ろす。


 湯気の立つ皿が前に置かれる。

 温かい匂いが鼻をくすぐった。


 「昨日は……悪かったな」


 隣の席の兵士が、

 湯をすすりながらぽつりと言った。


 「疲れてるだろうに、

  変な話ばっかりしてよ」


 男は首を横に振る。


 「気にしてないよ」


 兵士はほっとしたように息をつき、

 パンをちぎった。


 食堂には、

 人が生きている音があった。


 パンを噛む音、

 椅子が軋む音、

 誰かの小さな笑い声。


 そのすべてが、

 男にはどこか遠く、

 けれど確かに温かかった。


 湯を一口飲む。

 温度は感じる。

 けれど、それがどこまで身体に届いているのかは

 やはり分からなかった。


 「……朝だな」


 男が呟くと、

 隣の兵士が笑った。


 「ああ。

  生きてりゃ、嫌でも来る」


 男はその言葉を胸の奥で転がしながら、

 静かに湯をもう一口飲んだ。

主人公の名前はもう少し待ってね(^▽^)/

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