0章 戦線崩壊
思い付きで始めるのも一興かなと
楽しんでください。
たぶん違和感だったりおかしな部分有ったりするかもですがご容赦をーなんかあったら感想とかに書いていただけると助かりまーす。
夜明け前の空は、まだ色を持たず、ただ重く沈んでいた。
草原を渡る風は冷たく、鎧の隙間から容赦なく体温を奪っていく。
「前列、盾を上げろ! 後列は弓を番え!」
怒号が飛び交う。
誰の声かは分からない。
ただ、戦場の空気が張り詰めていくのが分かった。
青年─ ─介の兵士は、震える手で剣を握り直した。
隣の同期が、乾いた笑いを漏らす。
「なあ……本当に来るのか?」
「来ない方がいいけどな。俺、まだ死にたくねえし」
「帰ったら酒奢れよ。生きて帰れたらな!」
軽口は、恐怖を誤魔化すための儀式だった。
青年は深呼吸をした。
胸の奥が重い。
妹の泣き顔が脳裏に浮かぶ。
──帰りたい。
その思いだけが、身体を支えていた。
風が止まった。
鳥の声が消え、世界が息を潜める。
「……静かすぎる」
誰かが呟いた瞬間──
大地が震えた。
最初は小さな揺れだった。
だがすぐに、地面の奥底から何か巨大なものが迫ってくるような振動に変わる。
「地鳴り……?」
「いや、違う……これは──」
地平線の向こうに、黒い影が現れた。
最初は煙のように見えた。
だが違う。蠢いている。
「……嘘だろ」
影は膨れ上がり、形を持ち始める。
獣の咆哮、羽ばたき、牙の軋み。
無数の魔物が、地面を埋め尽くすほど押し寄せていた。
スタンピード。
「魔法兵、詠唱開始! 急げ!」
後方で詠唱の声が一斉に上がる。
低い声、高い声、震える声。
魔力が空気を震わせ、淡い光が列の後方に灯る。
「《火矢》準備!」
「《雷槍》、あと数秒!」
だが、魔物の群れはあまりにも速かった。
「前列、踏ん張れ! 衝撃に備えろ!」
魔物の群れが突っ込んできた。
衝撃で前列が吹き飛ぶ。
盾が砕け、槍が折れ、悲鳴が上がる。
「うわああああッ!」
「押されるな!」
「無理だ、数が……!」
魔法兵の詠唱が終わり、光の奔流が放たれた。
火の矢が空を裂き、雷の槍が地面を貫く。
爆発が起こり、魔物が吹き飛ぶ。
だが──
「……止まらない……?」
「嘘だろ、あれだけ撃って……!」
魔物の群れは、穴が空いてもすぐに埋まり、
波のように押し寄せてくる。
青年は必死に剣を振るった。
腕が震え、視界が赤く染まり、呼吸が荒くなる。
仲間が倒れ、血が飛び散り、地面がぬかるむ。
魔物の牙が肩を裂き、痛みが走る。
「帰るんだ……絶対に……!」
その願いは、切実で、真っ直ぐで、ただひたすらに“生きたい”という叫びだった。
だが──
背後から巨大な影が迫る。
青年は振り返る暇もなく、身体が宙を舞った。
世界が回転し、空と地面が逆さまになる。
地面に叩きつけられ、肺から空気が抜けた。
視界が暗くなる。
音が遠ざかる。
最後に浮かんだのは、妹の泣き顔だった。
──そして、すべてが途切れた。
難しくね?小説書くの




