第65話-2:アルカナ叡智王決定戦
「それではルールを説明するぜ~! 今から俺が出す問題をよぉく聞いて、お手元の解答用紙に答えを書いてくれ! 全員書いたら解答オープン、正解者にはポイントをプレゼント! 一番多くポイントを稼いだ挑戦者が叡智王だ!」
シンプルなルールだ。シマノは一つ溜息を吐き、耳を澄ませて問題に集中する。他の挑戦者たちも同じく司会者から問題が提示されるのを待っている。
「それでは早速第一問! ……おおっと、これはサービス問題だぜ!『ラケルタの森のボスの名前は?』さあお答えください!」
ついさっきまで本人に会っていたシマノにとって、これはさすがに楽勝だった。
「解答オープン! ……全員揃ってるね~! じゃあサクッと正解いきますか! 正解は『バルバル』でした! 全員正解10ポイント!」
まずは全員正解だ。
「続いて第二問!『王都アルボスの西方にある小さな村の名前は?』お答えください!」
ここでいきなりシマノの筆が止まった。川下りの後に泊まった、あの村。訪れてからまだそんなに経っていないはずなのに、名前が出てこない。
両隣の挑戦者たちはスラスラと解答を記入している。このままではまずい。
「シマノ!」
名前を呼ばれて顔を上げると、ユイが何かを伝えようと一生懸命に空中をタップしている。その動作にシマノは覚えがあった。
「そうか、見ればいいんだ」
シマノはこっそりウインドウを開き、マップ画面に遷移する。マップには村の名『マルゴ』が表示されていた。急いでその名を用紙に書き写す。
「凡人の解答も出揃ったところで、オープン! おおっ、また全員揃ってるね~! 正解は『マルゴ』でした! 全員正解10ポイント!」
反則スレスレの手を使い、何とか正解に辿り着いたシマノはホッと胸を撫で下ろした。
「どんどん行きましょう第三問!『唯一の正統なる王位継承者の名前は?』これは難問だ~! さあお答えください!」
唯一の正統なる王位継承者、すなわち姫様のことだ。
だが、シマノは姫様の名前など知らない。とりあえずウインドウを開いてみたものの、別々に行動している今、ゲスト扱いですらない姫様の情報がウインドウに掲載されるはずもなかった。
焦って思わずユイに視線を送るも、困ったような顔で見つめ返されただけだった。どうやらこの難局を自力で乗り越えなくてはならないらしい。
が、知らないものは知らないのである。一か八か、過去の自分がつけそうな名前を適当に書きなぐるしかない。
「それではオープン! ああっと! ここで解答が割れた~! 凡人だけが違う名前を書いているぞ~!? この中に正解はあるのか~!?」
どう考えてもやらかしてしまった気がしてならない。祈るような気持ちでシマノは正解発表を待った。
「正解はこちら!『プエラ=グロリア・デア・アルカナ=レガリウス』! お見事、エリとシララが正解だ! 二人に10ポイント!」
「こんなもんわかるかーい!」
シマノの心の叫びが容赦なく駄々洩れた。
「さあいよいよ泣いても笑っても最終問題だ。最後はなんと! 100ポイントプレゼントだ~!」
早くも最終問題のようだ。そして、この手のクイズ大会によくある最終問題以外は勝っても意味がないパターンだ。
「それでは最終問題! 叡智王たるもの、先を見通す力と時の運も必要。最後はこの俺と、じゃんけん対決で勝負だ!」
まさかの、今までのクイズは完全に茶番だったようだ。この司会の男とじゃんけん勝負をし、勝った者だけが残る。最後まで残った者に100ポイント進呈となるらしい。
シマノにとっては、願ったり叶ったりの展開だった。そう、シマノには「レンズ」がある。
「それじゃあいくぜ~? じゃーんけーん……」
***
「まさか宝珠もらえるとは思わなかったなぁ」
アルカナ叡智王決定戦に見事優勝したシマノは、賞品として知の宝珠を手に入れた。ラケルタの森でバルバルから受け取った力の宝珠の色違いで、こちらはユイの瞳と同じ透き通った緑色をしている。
「シマノ。一度城に戻り、ムルとキャンを連れてから神殿へ向かうことを推奨」
「……いや、先に俺たちだけで行こう」
提案を断られたユイが首を傾げている。
「何故?」
「なんとなく」
まるで理由になっていないシマノの答えにユイはますますわからないといった風で眉間に皺を寄せている。
実際になんとなくではあるのだが、シマノがユイの提案を断った原因は宝珠の色である。ユイの瞳と同じ色。
もしかすると、試練の神殿でユイの記憶に関わる重大なイベントが発生するかもしれない。そうなったとき、なるべくムルたちがいない方がメタな話も出来て都合がいいのだ。
シマノとユイは二人だけで試練の神殿へと向かうのであった。
今回の好きなゲーム【パタポン】
やるとしばらく音が頭から離れない パタ・パタ・パタ・ポン♪
1+2 リプレイありがとうございます! Switchで遊べるの助かる




