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第59話-1:はやくしてやくめでしょって言うやつ皆キッズ

 ウインドウを開いたシマノは、レンズを掛け直しつつティロ攻略の作戦を立てる。

 とにもかくにも操りの術が厄介だ。あれで地底民たちを操られてしまえば、即ち詰みである。


「姫様、ムルたち地底民に光の加護を。ティロの操りを何としても防いでください」

「お安い御用ですわ」


 姫様が両手を天にかざすと、薄い光の膜がムルや長老たちを包む。セクィ戦でシマノがお世話になったバリアと同じようなものだろうか。


「これで暫くはあの術も怖くありませんわ」

「ありがとうございます!」


 お礼がてらに地底民たちの方を見ると、彼らは各々の周囲を包むように現れた光の膜をまじまじと見つめていた。

 その先頭に立つムルが、ちらりと姫様を一瞥し、小さく頭を下げる。


「……恩に着る」


 聞こえるか聞こえないかの声でそう呟くと、ムルは地底民たちとともに詠唱の準備に入った。


「おーし、オッサン! オレたちも行こーぜ!」

「言われるまでもないわ。貴様は貴様で勝手に何とかしろ」


 一方こちらは全く息を合わせる気のない前衛組である。こんなことでは先が思いやられる……と俯き頭を抱えたシマノは、あることを思いついた。


 ゼノのアジトにはきっとニニィがいるはず。ユイに指輪を渡してセクィをアジトまで送らせ、帰りにニニィを連れてきてもらえば、姫様のお力を借りなくともデバッグモードでティロの操りを完全無効化できるのでは?


 シマノはすぐさま顔を上げた。見ればキャンが一人で前に出たウティリスに後れを取るまいと光る聖剣を構え、今にも駆け出そうとしている。

 その肩を急いでがっしりと掴み、シマノは笑顔で右手を差し出した。


「……? こうか?」


 キャンが聖剣を下ろし、シマノの右手にぽん、と自らの右手を置いた。お手である。


「いやそうじゃなくて」

「じゃあこっち?」


 今度は左手を置いた。おかわりである。


「そうじゃなくてええええ~~~~!」


 と言いつつシマノはがっちりとキャンの左手を捕まえた。そして、その人差し指に輝く金色の指輪を強奪する。


「あーっ! 何すんだよシマノ!」


 聖剣の光が消え、当然キャンが騒ぎ出した。が、無視だ。シマノは指輪をユイに投げ渡す。


「ユイっ!」


 ユイが指輪を受け取ったのを確認し、シマノは喚くキャンを抑えながらユイに指示を出す。


「セクィをゼノのアジトへ! ニニィを連れて帰ってきて! それと、あいつも!」

「了解」


 ユイはセクィに近づき、そのまま横抱きに抱え上げるとアジトへワープしていった。


「ユイって、結構力あるんだな……」

「何ボケーッとしてんだよシマノ! オレの指輪、ユイが持ってっちゃったじゃん!」


 キャンが当然の主張をぶつけてくる。が、ここで折れるわけにはいかない。


「指輪が無くてもその剣なら大丈夫だろ?」

「そーだけどさー……そーゆーことじゃなくてさー……」


 ぶつぶつ文句を垂れるキャンに、シマノはこっそりと耳打ちする。


「大丈夫。俺のスキルでキャンを強化できるから」


 シマノの言葉に、キャンの耳がピクリと反応した。手応えありだ。


「本当か~?」


 まだ半信半疑といった風を装っているキャンだが、その尻尾は左右に揺れ始めている。チャンスとばかりにシマノは持論を展開していく。


「風の魔物と戦った時、どうして剣が使えたと思う?」

「それは……」

「俺のスキルでキャンの力を強化したんだ」

「そう……だったのか……」


 ここまで興味ありげに聞いていたキャンが、急に俯き黙り込んでしまった。もしかすると余計なショックを与えてしまったのかもしれない。

 焦ったシマノは無理矢理キャンの気持ちを奮い立たせようと全力で励ましてみる。


「だから安心して! 俺のスキルでバッチリ強化するからさ! 指輪が無くても問題ないって!」

「……」


 キャンは俯いたままだ。シマノの額に冷や汗が浮かぶ。ただでさえユイもセクィもいないのだ。これ以上の戦力削減は何としても阻止したい。


「……シマノ、すげーっ!! シマノがいればオレ無敵じゃん!!」


 キャンは俯いていた顔を上げ、嬉しそうに声を上げた。その瞳は輝き、尻尾は千切れんばかりに揺れている。単純なキッズで助かった。シマノはホッと胸を撫で下ろした。


「よっしゃーこうしちゃいられねー! シマノ! オレを強化だ!」


 キャンの要望に、シマノは了解と返した。


 さて、どう強化しようか。とりあえず開いていたウインドウをスキルの一覧に切り替え、スワップを選択したシマノは、暫し思案する。


 確か風の魔物と戦った時はキャン自身の力と精神力を入れ替えたはず。今回もそれでいくか。

 いや、聖剣で何か光属性の技を繰り出してくる可能性がある。属性攻撃に影響を与えそうな値は弄らない方がいいかもしれない。


 頭を悩ませるシマノをよそに、キャンは待ちきれず地団駄を踏んでいる。


「シマノ~はやく~やくめだろ~」

「このクソキッズめ……」


 シマノは独り呟くと、一先ず考えるのはやめにしてキャンの力と精神力を入れ替えておくことにした。

 精神力の値をタップし、次いで力の値をタップする。


「あっ」


 シマノの指は、力をタップしようとして、すぐ下の防御に触れてしまった。精神力と防御が光り、値が入れ替わる。完全にやらかしてしまった。

今回の好きなゲーム【星のカービィ 鏡の大迷宮】

いろんな色のカービィが使えて全部かわいくてよかった

携帯機ながらもボリュームたっぷりで遊びがいのある作品でした

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