カーテン
あさ、カーテンの向こうが白む時間が
日々、遅くなって来る
削れない想いを削りながら
生きている気がする
海がみせてくれた芸術を超えた芸術を
心の底に飾りながら生きている
メタル回線の固定電話は
光ファイバーへ移行するというけど
あまり関係ないと想う
ただ、少しだけ昔の想い出があるから
固定電話って、懐かしい春を想い出させる
カーテンを
部屋を出る最後の瞬間まで開けないのは
固定電話を使っていたころくらいからの
ずいぶん昔からのクセだ
カーテンを開ける瞬間に
じぶんのやる気スイッチを入れているのかな
よく、わからない
削れない過去の想い出を削りながら
生きている気がする
夜がみせてくれた海の底のような夜景を
心ではけして消さないように生きている
あさ、カーテンの向こうが白む時間が
日々、遅くなって来る
まるでなにかに向かってゆくように