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最終章 真堂守哉と神掛ゆんと奮闘記(前編)その4
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恨めしいぐらいに眩しい太陽がさんさんと照りつける中で、今日の気温を計算に入れていなかったことを後悔しながら、覆面の男はスナイパーライフルのスコープを覗いていた。
順調だ。
彼がスコープを通して見ているのは、ターゲットの部屋。
全体的に見てこの屋敷は危機感と言うものが足りないと彼は思う。大体の部屋は外側が大きなガラス窓、それに加え外からの死角は大量にあるときた。
まるで、何もかも、拒絶なんてしない存在に見える。
全てを受け入れる。響きは良いが、つまりは平和ボケしきった人間が発する言葉だ。
男は、それが気に食わない。
……ほうら、恐怖を知らないウサギが、自ら危険に足を踏み込んできた。
「……『神懸かり』の強運は効かんぞ」
男はスーツケースから四十ミリ口径の弾を取り出す。
それを銃に装填しながら、男は標的の部屋を見据える。
スコープは、ちゃんとターゲットを捕らえている。
準備は整った。




