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(二)-9
「美佳子の仕事なら、ちゃんと爆薬量を調整しているでしょ」
川合優輝がそう言ってから、起きてきた美佳子の姿に気づきいて「なあ、美佳子」と同意を求めてきた。
「調整はしていないけど、他の部屋には被害は出てないハズよ」
美佳子はそう返すとあくびをした。
「郷美を欺したホストだったんでしょ、あそこに住んでいたヤツって」
菜那は美佳子の方を振り向いて確認した。
美佳子は「そうよ」と短く言ったが、この場に山吹郷美がいないことに気づいて「郷美ちゃんは?」と続けた。
(続く)