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私小説④ カップうどん

作者: Mikic

母親は4年前に亡くなり、父親や弟夫婦とは音信不通、孤独な日々を過ごしている。


仕事は順調で収入面には困らない。生活には困ったことがない。

唯一、恵まれていることだろう。


このコロナ禍の影響で自宅で一人飲みをする機会が増えた。


大抵、そうした時は仕事終わりにビール500mlを2本と好物の練り物(例えば、さつま揚げ)で一杯やるのが定石だ。

締めは食べないこともあるが、食べるとしたら、カップ麺のかき揚げそばであることが多い。


最近では35という年齢と次の日の胃もたれも考え、かき揚げは抜くことが多い。即席の具無しそば、素そばにするのだ。

空腹にビールを流し込んでいるから腹が「くぅうう」と鳴る。

そこに流し込む即席の素そばは、うまい。


休日は大抵、ビールを控え、酎ハイをいろんな味を買って楽しんでいる。

350mlを4〜5缶。最近は果実の実が入った酎ハイも増え、果実本来の甘さとアルコールが相まって、これまたうまい。

ストロング系はすぐ寝落ちしてしまうので避けている。アルコール度数が4〜6%程度のものが良い。果実感を味わいたいのだ。

そして、そこに合わせるのは、ハムかチーズであることが多い。

即席のバル気分を味わうのだ。


こうした休日の晩酌時は、ハムとチーズのみだから腹が減る。

私はいつも休日の一人飲みの最後は即席きつねうどんと決めている。

そこに平日の晩酌で余らせた、即席そばのかき揚げを入れ、豪華な即席かき揚げきつねうどんにするのだ。

なんと贅沢な締めだろうか。


即席そばやうどんは関西と関東で出汁が違う。

関西生まれの私も関東で10年住んでいるためか関東の出汁が舌に合うようになってきた。

そして、かき揚げが出汁を吸うから少しだけ味が薄くなるのだ。


この即席きつねうどんを食べる時、母親が昔作ってくれた薄味のきつねうどんを思い出す。

天かすが乗っており、程よく油分があった。

その天かすの感じはかき揚げが出してくれる。


私はいつも週末になると、即席のかき揚げを乗せたきつねうどんを食べ「くぅうう」と唸っている。


そして月曜日がくる。気が付けば枕が濡れていることがよくある。

きっと、胃液をえずいんたんだろう。

「くぅうう」と言いながら。

無色透明だから、きっとそうだ。

涙な訳がない。

もう4年前のことだ。


もう母親が亡くなったのは4年前のこと、いつまでも気にするべきではない。


さあ月曜日、仕事だ。

仕事が救いだ。

仕事に熱中している時は、涙を流すことはないのだから。

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