表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名もなき少女から始まった、魔法士の系譜  作者: みや本店
3章 夢を紡ぐ2人編
284/336

【幕間挿話】その後のグランとアスカ1

 ――僕とアスカが王宮に引っ越してきてから、次章が始まるまでのお話しです――




 王宮へ引っ越してきてからも、僕とアスカはマイペースに生活していた。朝起きると王宮の庭に出て、実戦さながらの訓練をする。その凄まじさが話題になり、王宮の警護をしている近衛兵の皆さんが見学にくることもあった。アスカは近衛兵の皆さんから見ても、別格の強さのようだ。


 もちろん、訓練の後は2人でお風呂にはいって、のんびりするのも相変わらずです。




 食事は僕とアスカの2人ではなく、メティスさんとヒメミさんには同席するようお願いした。もちろんお2人からは今でも激しい抵抗を受けたけど、この部屋のルールで押し通した。最初は涙目のお2人も、事務連絡をしながらの食事は効率がいいのも理解してくれて、今では自然に食事をしてくれるようになった。ちなみに僕とアスカは特別な料理を出されることもなくなり、アドラ料理長はスイーツの研究に万進してもらっている。最初はスイーツなどはと簡単に考えていたアドラ料理長も、僕とアスカの辛辣なダメ出しを受け続けて、今では本気の研究開発をしてくれている。そのお陰で、皇太子様や姫様と会うときの手土産はお2人から大変に好評で、僕とアスカが遊びに来るのを楽しみにしているそうだ(笑)




 僕たちと親しくお付き合いをしてくれていた、ファプロ商会のライザさんとオスバンさん、マイル商会のマイルさん、ガブリエル商会のガデンさんとゲイテさん、時々王宮にも顔を出してくれる。僕たちが面会の部屋に入ると臣下の礼で待ってくれていた。どうも親しい皆さんに臣下の礼をされるのは、何度挨拶を受けても慣れることはなかった。もちろん毎回早々に止めてもらっている。僕もアスカもせめてこの部屋の中では今までと変わらないお付き合いをとお願いするのが恒例になってしまっている。また、僕とアスカは貴族ではないので、気軽に庶民街に出歩くことをお伝してある。なので、今までと変わらず、ふらりとお店に立ち寄ることもお伝えしておいた。マイルさんとガデンさんには倉庫街にも行くことを伝えておきました。


 後日、庶民街の入り口からこんにちはとお店に顔を出すと、本当に来た!という驚きの顔をされたのは僕とアスカのいたずら心です(笑)




 僕たちの部屋にはフィーネ伯母上がちょくちょく顔を出されるようになった。毎回、メティスさんとヒメミさんがてんやわんやになるので、僕とアスカは相談して、フィーネ伯母上用の部屋を用意することにした。これにはフィーネ伯母上が大喜び。こっそりお忍びで来られて、のんびり過ごされることが多くなった。たまに皇太子様と姫様も一緒に来られて、親子水入らずで楽しい時間を過ごすこともあった。


 王宮に僕たちが住んでいるので、グリス伯父上、ガルム伯父上、ビーズ伯父上(キツカ伯父上)が、王宮にくると部屋に寄ってくれるようになった。もちろん、僕たちの様子を気にしてくれているのは間違いないのだが、どうもこの部屋は王宮内で唯一気が休まる安全地帯になっているようだ。確かに、王宮内で息抜きできる場所はないからね。でもまさか、フィーネ伯母上が皆さんに教えたのでは……怪しい!


 僕もアスカもそのことに気付いて、使っていない広い会議室のような部屋を、談話室のようなリラックスできる部屋に整えた。すると伯父上たちは大喜び!各々がいろいろな物を部屋に持ち込んで快適空間にしてしまった。その噂を聞きつけた国王陛下までが、たまに息抜きに来る始末。国王陛下、王宮内に談話室を作ればいいではないですか!




 王宮に来て最もお会いする機会が増えたのは宰相様だった。僕とアスカが何かをする前に、必ず宰相様に相談していることが大きい。宰相様は的確なアドバイスをくれるので、大変感謝している。


 一方、宰相様も庶民の暮らしについては、僕たちに助言を求めることも多かった。また、王宮は冒険者についての情報も少なく、僕たちが情報提供、もしくは情報収集をして提供することもあった。なので父上やセルスさん、ライゼンさんとは顔を合わせる機会が多かった。ちなみに父上たちとの情報交換をする場所が、新しくできたクラン『ミライ』の拠点で行われることが多い。もちろんこれには理由があって、セルスさんとライゼンさんが王宮は恐れ多くて行きたくない!が理由です。まぁ、僕とアスカも父上の屋敷に寄ってセイラさんとセリエさんにも会えるし、リイサさんの店にも寄れるので大歓迎ではあるのですけど。


 それと、宰相様は飛び箱を操る僕とアスカに急を要することを頼まれるようになった。これは本来僕たちの仕事ではないのだけど、王国の役に立つならと気軽に引き受けている。飛び箱で飛ぶ機会が増えたのと、長距離を飛ぶことが増えたので、長距離移動用の飛び箱を作成した。風よけのフードを付けたり、風の抵抗を減らすため、鳥のくちばしを参考にした流線形にしたりした。そのお陰で今までの飛び箱よりも倍以上の速度で飛べるようになった。ただ、風も感じないし飛んでいる実感もなくなってしまったので、移動中は僕はエコとの読書、アスカは編み物をしながら移動をすることが多くなった。ちなみに王都から一番遠い王立西貿易港でも日帰りが可能となった。


 宰相様は僕とアスカの功績を高く評価してくれた。皇太子様の後ろ盾になることも望まれていた。王国内にも悪だくみをする人が未だにいますから(汗)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ