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26話 やわらかおててへの挑戦

 夕食を終え皆が自室へ戻り始めたところで、フィーネさんに声をかけた。



「フィーネさん、お願いがあります」


「はい、何でも言ってください、アグリさん」


「今日もお風呂をご一緒してもよろしいですか?」


「えぇ、もちろんです。でもほとんど毎日ご一緒していると思うのですが、今日は特別何かがありますか?」


「はい、フィーネさんにアドバイスを頂けたらと思っていることがありまして……それにお風呂は都合も良いので」


「分かりました。お風呂はいつもの時間でよろしいですか?」


「できれば皆さんが入った後にお願いしたいのですが」


「それなら大丈夫です。今日は兄上たちは外出の用事があるらしく、もう入浴は済ませているようですから」


「では、いつもの時間でよろしくお願いします」




 お風呂へ向かうとミリンダさんが出迎えてくれた。今日は1人で服を脱着してみて、ミリンダさんに片手でも着替えやすい工夫ができるか検討してもらうことにしていた。服を脱ぎ終えてお風呂に入る、そして私は魔手を出そうとしたが、思いとどまった。もともと攻撃を目的とした魔手なので、伸ばしたり、曲げたりは柔軟にできる。ならば、見栄えを気にしなければ、肘はいらないのでは?そうなると肩も手首もいらない?まぁ、やってみてダメならいつもの魔手を出しなおせばいい。いつもとはイメージを変えて詠唱!


 出現した魔手は蛇のようで、ただ頭の部分は手という感じの不思議な形状。右手にスポンジ(のようなものです。現代語訳(笑))を持たせて石鹸で泡立てる。そして体を動かしながら全身くまなく撫でるように動かしていった。結論としてはくまなく洗うことができるかは合格、力加減ができず強すぎたり弱すぎたりで、きれいに洗えたかは不合格。でも全身あっさり洗えてしまうのはとても便利だった。


 かけ湯用の風呂釜から桶にすくうのも、とても楽だった伸び縮み自由で重さもそれほど感じない。まだ細かな調整が面倒で、結果、頭からざばーっとかけるのはご愛敬(笑)何度か体を流せば泡も落ちました。次に頭を……お湯をかけるのは頭からしかできないのだから、体も頭も洗い終えてからのが効率良かったですね。明日からはそうしましょう!


 そしてシャンプーは先に頭に垂らして、魔手で頭をガシガシ洗ってみた。頭を洗うには手が固い!やはり固さは早めに解決しないと、そのうちハゲてしまいそうで怖い。また、頭からお湯をざばーで、シャンプーも完了。後ろで見ていたミリンダさんに問いかける。



「ミリンダさん、いかがだったでしょうか?」


「フィーネ様なら拷問と思われるかもしれませんが、アグリさんが問題なければ洗い残しは無かったので合格です」


「はい、ありがとうございます。明日はもう少し丁寧を心掛けてみます」



 そんなやり取りの後で、フィーネさんがお風呂に入ってきた。



「お先にいただいていました」


「はい、相談は湯船に浸かってからでいいですか?」


「はい、お願いします」



 ミリンダさんが丁寧にフィーネさんの体を洗っていく。人様が体を洗う動作もまじまじとみたことがなかったので参考にる。しばらくするとフィーネさんも湯船に入ってきた。



「アグリさん、相談は何でしょう?」


「魔法のことで伺いたかったのです。魔手の指先が固くて、頭を洗うと痛いのです。柔らかいものを出す魔法をご存じでしたら教えていただきたいのです?」


「魔法でしたら液体を出したりしますけど……急には思い浮かびませんね。そもそも固い柔らかいの違いを考えてみましょうか」


「そうですね、固い柔らかいは、例えば頬に指を充てて、頬の方が柔らかいからへこむ。同じ固さならどちらもへこむって感じですかね。指の場合は中に固い骨があるから骨までへこむイメージならそんなに違和感はなさそうですね」


「なるほど、何層かに分けて作るイメージですね、チョコレートでコーティングしたチョコレートケーキみたいです♪」


「それです、フィーネさん!上にかぶせるものが薄い膜のようなものなら、中は液体でも問題ないです。押した感じの弾力が同じなら、中身は何でも構わないでしょう」


「何か糸口がつかめたようで安心しました」


「はい、ありがとうございました」



 2人で少しのぼせ気味になりながらお風呂を出ました……




 部屋に戻って、早速エコを質問攻めにする。



『エコは人の人差し指の弾力がどれくらいか理解できている?』……『はい、パスで表現可能です』



 パス?何の単位だろう?まぁ、私が知らなくても問題ないか……



『エコは私の左手の人差し指の弾力を知ってる?』……『いいえ。測定すれば数値化は可能です。手を乗せたままにすればすぐに測定できます。測定しますか?』


『はい、お願いします』……『測定が完了しました』


『エコは今測定した私の左手の人差し指の弾力を記録保存するの?』……『はい、消去の依頼がない限り保存しています』


『私がエコに人の指の弾力について質問した場合は、私の左手の人差し指の弾力だと解釈してもらうことは可能ですか?』……『はい、可能です。関連付けを行いますか?』


『はい、お願いします』……『関連付けが完了しました』



 関連付け機能は便利そう!では、早速。



『私が本の検索をお願いしたときは、該当した本の1つ目の本の該当ページの1ページ目をイメージで見せると解釈してください』……『はい、関連付けが完了しました』



 流石フレンドモード!どんどん会話らしくしていけそう♪



『人の指の弾力と同じ弾力を魔法で出現させられる?させられる場合、詠唱方法を教えてくれる?』……『いいえ、もっとも近い弾力の詠唱は水魔法でイメージはハードサップです』



 ハードサップ?固い樹液ってこと?確かにドロッとしてて弾力はありそう……



『ハードサップの詠唱で出現させた物質を、漏れ出させないように薄い膜で包んむ魔法はある?ある場合、詠唱方法を教えてくれる?』……『はい、詠唱はシールドでイメージはスキンです』



 その名もズバリだった!これで実験準備は完了!それにしても魔法って白とか黒って分ける必要があるのかしら?かえって意識して出しにくいような気がする……それに白魔法は体の中の魔法を、黒魔法は周りから取り込んで溜まると発動って教えられたけど、私がシールドを詠唱した時だって、私の中の魔力を使って発動されていたし、周りから集めた魔力を私の体内に取り込めばそのまま保存もできるし、もちろん白魔法にも使える。大人の事情ってことかしら?まぁ、それはおいおい探求していきましょう!


 それで、手の弾力の実験はどうしよう?ハードサップを失敗すると絨毯を汚してしまう可能性もあるし……明朝、ミリンダさんに相談してお掃除前のお風呂をお借りできるようお願いするのがいいかな。


 今夜はこの辺にしましょう。おやすみなさい……


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