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名もなき少女から始まった、魔法士の系譜  作者: みや本店
3章 夢を紡ぐ2人編
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68話 テント決定!

 僕とアスカは昼食を食べ終えリイサさんの店を出て、市場の方へ歩いて向かう。目的はボタンさんへのお土産だけど、僕もアスカも自分たちのおやつももちろん購入予定。アスカに案内されてきたのは、最近のお気に入りの焼き菓子の店だった。これなら日持ちもするからボタンさんのお土産に丁度いい。自分たちのお土産はしゃれた箱に入ったケーキの詰め合わせ。アスカはチョコチップの入ったケーキとフルーツの乗ったタルト3つずつを家用に購入した。


 市場から屋敷に戻って、受け取ってきた紙を確認した。男性でベッド希望の人は2人しかいなかった。これなら6人用のテント2つで間に合うな。



「アスカ、悪いけどテントを張る手伝いをしてもらえるかな」


「はい、かまいませんよ。すぐに始めますか?」


「うん、よろしく頼むよ」




 2人で庭に出る。リュックからとりあえず8人用と書かれたテントを取り出す。部品が少なく組み立てやすいように工夫されていることに驚く。こんなので本当にテントになるの?


 とりあえず、アスカと2人で紙に書かれている通りに組み立ててみた。驚くほど簡単だった。


 さて、中の広さはいかがかな?うん。思ったより広い。念のため、いつも使っていると僕とアスカの組み立て式のベッドを組み立てて並べて置いてみた。これでいいな。


 せっかく組み立てたので、アスカとベッドに寝っ転がってみる。



「このテント、天上も高いし広くて快適だね」


「そうですね。テントの中とは思えない広さです」


「これに決定でいいかな?」


「はい、これなら女性からも不満はでないと思います」



 しばらくそのまま寝転んでいたかったけど、テントを片付けることにした。組み立てがとても簡単だったので、片付けも簡単だった。テントを専用のバッグに片付けて、リュックの中にしまう。片付けを無事に終え、屋敷に戻ることにした。




 屋敷に戻るとセリエさんがお茶をいれてくれた。僕はアスカに協力してもらって、注文品の確認を始めることにした。まず、個人単位の表を作り、続いては商品単位の表も作る。倉庫では商品単位に仕入れてきて、屋敷に戻ってきてから個人単位に詰めなおすことにした。食べ残しや飲み残しを入れる袋も用意するか悩む。悩むなら袋も用意しておけばいいか。使わなければリュックに入れっぱなしでもいいし。


 これで今日の作業は全部終了。僕はのんびりお風呂に入りたくなってアスカを誘ってみる。アスカもいいですよと言ってくれたのでお風呂に入ることにした。セリエさんに料理を渡し、もうお風呂に入ることも伝えた。


 アスカと並んでお風呂に入る。毎日1度や2度は、こうしてお風呂にはいっているけど、今日は特別リラックス感が違う。僕がボケーっとしていると。アスカは僕の肩に寄りかかってきた。2人で何もせずボーっと過ごした。いいお風呂だった。




 翌朝、いつもと変わらずに過ごして、3人で朝食を食べる。セリエさんには日帰りで倉庫街に行くと伝えて家を出た。リイサさんの店に寄ってキキさんに事情を話し、料理の受け取りと材料の納品を済ませる。店を出て門の近くで馬を借り、そのまま馬を引いて守衛さんに挨拶をして門を通過する。人ごみを抜けたところで、馬にまたがってゆっくり走り始める。


 1時間も走らせれば倉庫街が見えてくる。門を通過してマイルさんの倉庫へ行き、受付小屋でボタンさんを呼びだしてもらった。ボタンさんはすぐに駆け付けてくれた。



「お2人、また来てくれたんですね。とても嬉しいです」


「私たちこそボタンさんとまた会えて嬉しいです。急に来てしまったけど、お仕事大丈夫でしたか?」


「何をおっしゃいますか。上得意のお客様ですし、荷馬車を救ってくれた英雄です。この倉庫ではお2人はすっかりヒーローですよ」


「ありがとうございます。では早速」



 僕はボタンさんに仕入れたい商品のリストを渡す。そうだと思いつき、いくつかの商品を書き足させてもらう。ボタンさんは受け取ったリストを眺めて頷いた。



「では、書類を書かせてくるので、倉庫の前のベンチにでも座っていてください」


「はい、分かりました。それと、ボタンさん。2人からのお土産です。ぜひ食べてください」


「ええ、私にお土産ですか!それはとても嬉しいです。ありがとうございます」



 ボタンさんはリストとお土産の箱を持って事務所の方へ走って行った。相変わらずお元気そうだ。僕とアスカは指示されたとおり、倉庫入り口のベンチに腰掛けた。アスカにオレンジジュースを入れたマグカップを手渡し、ジュースを飲みながらしばし休憩。ボタンさんが駆け戻ってくるのが見えたので、マグカップをリュックにしまい2人で立ちあがった。


 お互いに1度経験しているので、受け取り作業はとてもスピーディー!午前中に受け取りは終わってしまった。僕はボタンさんにお願いして。ガデンさんの店の倉庫でテントも欲しいと相談すると、二つ返事で請け負ってくれた。


 3人で倉庫へ向かい、倉庫の担当の人に王都で借りたサンプルのテントを見せて、4つ欲しいと伝えた。すぐに商品を担いできてくれる。書類をお願いしている間にリュックに詰めれば終了だ。書類にサインしてお礼を言って倉庫を出た。



「ボタンさん、お昼ご飯をご馳走してください」



 僕はべたにそう言って、ボタンさんを見てにんまりと笑う。ボタンさんも僕を見てにんまり笑う。



「お2人のおねだりでは断れませんね。お2人は馬を預かって入り口辺りでお待ちください。急いで書類をおいてきます」



 こうしてまた3人でいつものお店でお肉をたっぷり食べて、お店の前でボタンさんとは別れた。倉庫街を後にして、王都へ向けて馬を走らせる。



「アスカ、今日は王都にまっすぐ帰るよ」


「はい、今日も大忙しでしたから、屋敷に帰ってのんびりしましょう」



 2人は急いで屋敷に帰りお風呂にはいって汚れを落とし、その後はのんびり過ごしました。


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