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名もなき少女から始まった、魔法士の系譜  作者: みや本店
3章 夢を紡ぐ2人編
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67話 魔法士のランチタイム

 ガデンさんの店に到着。お店の中に入る。ケインさんがいたので声をかけた。



「ケインさん、刻印してもらう名前のリストをもってきました。食器セットも4セット追加してください」


「分かりました。名前のリストをお預かりしますね」


「はい。よろしくお願いします」



 僕はケインさんにリストを手渡すと、ケインさんは自分の用意した紙に書き写し始めた。



「ケインさん、こちらはテントもありますか?」


「ありますよ。ただ、テントはこちらで大きさをお見せできないので、サンプルのテントをお貸ししてます。お試しになりますか?」


「はい、助かります。どうしましょう、ケインさんと倉庫に行って、リュックに入れてしまいましょうか?」


「そうしていただけると助かります。では、倉庫までご同行ください」



 ケインさんと倉庫まで行き、お借りできるだけのテントをお借りした。僕はその場で組み立て式の簡易ベッドも6つ購入して、実際にテントを組み立てて、簡易ベッドを並べてみることにした。店を出ようとしたところで、ガデンさんを見かけたので挨拶した。ガデンさんが明後日、また店に来て欲しいと言われたので了承した。




 店を出ると、少し早いけどリイサさんの店に行くことにした。僕とアスカは手をつないで歩き出す。しばらく歩いていると、僕たちを呼び止める声が聞こえた。辺りを見回すとマイルさんだった。マイルさんは走って僕たちのところへきた。



「お2人には何とお礼を言ってよいか」


「あぁ、マイルさんのお店の荷馬車の件ですね。皆さん無事に倉庫街に着かれましたか?」


「はい、おかげさまで皆も荷物も無事でした。本当にありがとうございます。それで、お礼の話しをしたいので、店に寄っていただけませんか?」


「マイルさん、ごめんなさい。今日はこれから人と会う約束をしています。それにいつもマイルさんにはお世話になっていますから、お礼なんてお気遣いは必要ないですよ」


「いえいえ、そうもいきません。では、お時間のある時に、お店に来ていただけませんか?」


「分かりました。明後日、お店に寄ります」



 その後は市場をのぞき見する寄り道をしながらも、リイサさんの店に到着。キキさんと倉庫に行って、料理の引き取りと材料の納品を済ませる。少し早かったので、ランチは皆が揃ってからにして、お茶をいただくことにした。アスカはケーキも頼んでいた。



「アスカ、明日は倉庫街に行くかもしれない。大丈夫?」


「はい、大丈夫です。ボタンさんのお土産はお菓子でいいですかね」


「そうだね。お土産を買うとき、自分たちの分も買って帰りたいな」



 アスカとお茶を楽しんでいると、皆さんがそろってお店に入ってきた。僕とアスカは挨拶して、ランチを人数分注文した。落ち着いたところでリサさんが話しを始める。



「今日こそ役割を決めるから。では、何から決めようかしらね」



 僕は考えを伝えてみた。



「リサさんと、チャミさんはもう決まってますよね。だから、ヒナノさんと私。2人は顔への魔法攻撃でいいのではないですか?ただ、攻撃の指示はリサさんから出して欲しいです」


「ヒナノが火の玉で、グランが土の糸ね。うーん、とりあえず最初のお目当てのボスは顔が3つのボスだった。顔を1人1つずつ担当して攻撃しましょうか」


「ヒナノさんは知りませんが、少なくとも私には前衛のリズム?のようなものを意識することができません。指示が欲しいです」


「リサさん、私も指示が欲しい。今回の前衛の動きは、うちのクランでは今までになかったものだから」


「分かった。それじゃ私が指示を出すから、2人は私の指示で魔法を詠唱して」


「了解しました」


「チャミはステータスアップの魔法を全員にかけて欲しいのだけど、魔力量は間に合いそう?」


「はい、詠唱後はしばらくお休みになってしまいますが、今回はそれでも問題ないですよね」


「問題ないわ。チャミはとにかくステータスアップが最優先と思って動いて欲しい」


「了解しました」



 ランチが出てきたので、とりあえず皆で食べることにした。


 チャミさんがランチを食べながら僕の杖について聞いてきた。



「グランさんの杖、とてもお高いでしょ?」


「はい、私は詳しく知らないのですが、侯爵家の家宝だそうです」


「ええっ、なんでそんなものを持っているの、もしかしてグランさんは侯爵様の隠し子とか?」


「いいえ、母が侯爵様からお借りして、そのまま私もお借りすることになりました。この杖凄いですよ」


「そうなんですか!後で私も握らせてもらっていいですか?」


「ええ、かまいませんよ」



 するとそのやり取りを聞いていたリサさんが横やりをいれてくる。



「チャミ、握るのはいいけど、その杖は使えないわよ。その杖は誰も使えないから、グランがお借りしているだけ。王国内で2人しか使える人がいないの。その2人がグランとグランの母親だもの。そしてグランの母親はもうお亡くなりになったから、今のところグラン1人」


「それは無理です。杖は結構です。何かあっても弁償できないですし」




 ランチを食べ終わったところで、僕は皆さんに確認。注文のリストを持ってきていませんかと。2人とも持ってきてくれていた。はっきり言って凄い量。やはり倉庫で仕入れだな。



「私とアスカは用事があるので、この辺で失礼してもいいですか?」


「ええ、いいわよ。グラン明後日、孤児院の方へ来てくれる。今日で作業が終わるらしいから、明日は仕込みをしておく」


「はい、分かりました。では、これで失礼します」


「お疲れ様でした」



 僕とアスカがキキさんに会釈して店を出ようとすると、リサさんのビール6つ?の声が聞こえた。飲みたくて集まっていたのか!


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