65話 パーティーの始まり
パーティーが始まって、僕とアスカは魁さんの皆のところへ戻った。セルシスのヒナノさんが支援魔法のことを相談したいと話していたことをリサさんに伝えた。これで僕のお役目はお終い!さあ、お料理をいただきますよ。何せ大型クラン主催のパーティーで、おいしそうな料理が盛りだくさんなのですから。もちろん、アスカも同意見です(笑)
僕とアスカが料理を取っていると、いろいろな人がアスカに挨拶にきた。皆は光栄ですと口々に言って離れていく。ようやく落ち着いて、山もりのお皿を持って魁のところへ戻った。
やっと料理を食べる。うん、おいしいです。どの料理をつまんでも、かなりおいしいです。アスカも料理に夢中になっていた。すると驚いたことにセルスさんが僕に挨拶にきてくれた。
「グラン、ようやく会うことができた。セルスだ。よろしく頼む。ダンジョン攻略の準備を頑張ってくれているようだな。グリムからいろいろ聞かされているが、俺は今だに信じられない。でも、あのグリムが本気で俺とランゼンを説得にきた。だから俺もランゼンもグランを信じて全力で行くことにした。期待しているからな」
「はい、父上の期待もセルスさんの期待も、決して裏切りません。準備ももうすぐ完了します。私がダンジョン攻略に革命を起こす覚悟でやっています。頑張ります!」
「頼もしい言葉だな。グランとダンジョンに行く日を楽しみにしている。アスカもよろしく頼む」
ふーっ、緊張した。やはり大規模クランのリーダー、オーラが出ている感じ。そんな僕を見て、アスカは面白そうに笑っていた。悔しいからアスカのお皿のミートボールをつまみ食いしてやった!アスカに怒られていると、リサさんが僕に声をかけてきた。
「グラン、魔法士の打ち合わせに行くよ」
その言葉を聞いて、アスカが寂しそうな顔になる。リサさんは仕方なさそうに言った。
「アスカもついておいで」
アスカが嬉しそうに僕たちについてくる。リサさんは始めにLHのチャミさんに声をかけ、リーダーのランゼンさんに借りてくよと伝えていた。
続いて僕たちはセルシスの人たちの方へ歩いて行く。
「ヒナノ、魔法士集めてきたよ。1人おまけもついてきたけど」
「あらら、アスカさんまで。支援魔法の打ち合わせですね」
「それもあるけど、まずは乾杯!」
リサさんが皆を引き連れグラスを取りに行く。皆がグラスを持つ。
「今回は魔法士を極力減らして少数精鋭どころか、国内最強の魔法士3人と、グラン……冒険者ランクいくつ?」
「調べたことないです。私は冒険者になってまだ、数カ月ですから」
「まあ、いいわ。グランはとんでもない魔法士だから、ヒナノもチャミも心配しないで。私が保証する。それじゃ、こき使われる魔法士の皆さん、頑張っていきましょう。乾杯!」
「乾杯!」
「しかし、ヒナノのところでも、レベル14の魔法士はヒナノだけなのね。魔法士の育成強化もしていった方がいいか……チャミのところも魔法士は少ないの?」
「はい、魔法士の数はいるのですが、冒険者レベルはなかなか上がらないです」
「せっかくの機会だから、ダンジョンの中で一緒に考えない?いい意見がでたらリーダー連中に提案して、意見を取り入れてもらいましょう」
その意見に皆も賛同した。
「それで、ヒナノ。支援魔法、どうしようか?私はいつも目隠しと足元の土を溶かしたり固める魔法を使ってる。私はステータスアップはダメ」
するとチャミさんが発言。
「私はリサさんと逆で、ステータスアップの魔法をかけた後は、あまりお役に立てません。回復魔法は今回使用しないのですよね?」
「基本は回復魔法は使わない。ただ、目の前で死にそうなのがいたら、無視することもできないでしょ。臨機応変に対応しましょう。それでヒナノは?」
「私は攻撃魔法が得意なんですが、今回攻撃魔法はどうしましょう?」
「攻撃魔法は使い方が難しいわね。前衛のリズムを崩すような攻撃はしたくないから。敵の動きを遅くさせたり、移動範囲を狭めたりする魔法は何かない?」
「うーん、急に言われても思い浮かびませんね」
「しかたない。セルス、おたくの魔法士を全員お借りしたいのだけど、いいかな?」
「ああ、かまわないよ。ヒナノ対応してやってくれ」
「それなら、ヒナノ。魔法士に庭に集合してもらって。皆で考えていいとこどりしましょう。どうせだからクランとか関係なく、できる人の魔法を見て、できなかった人の参考になって魔法士のレベルアップにもつなげましょう」
庭に大勢の魔法士が集まった。リサさんが集まった目的を話し始める。
「魔法士の皆さん、今回クラン連合で使用する支援魔法について意見を募集します。目的は魔獣の動きを遅くさせるか、移動範囲を狭めることです。私の魔法が役に立つかもと思った人はぜひ、披露してください。披露してくれた人には、セルスからご褒美がもらえる……よう、私が説得します!」
皆が大笑いしながら、やる気を出してくれた。
「グラン、何か目標が欲しいから、土で目標を作って」
「了解です」
僕は土の盾を塔のように出すことにした。僕の身長くらいまで伸ばせばいいかな?魔力を切ってみると、崩れずそのままの形を維持していた。周りからどよめきがあがる。
「これでいいですか?」
「面白味はないけど、目標にはなるわね」
そしてトップバッターとして、リサさんが皆の前に出た。いよいよ魔法のお披露目会が始まります。




