表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名もなき少女から始まった、魔法士の系譜  作者: みや本店
3章 夢を紡ぐ2人編
206/336

58話 初めての食材納品

 今朝の訓練で、僕は面白いことを思いついて試してみることにした。立ち合いを始めるにあたり、アスカと向かい合って立つ。実際の僕は左手で杖を持っているが、この杖に盾を張り付けるようイメージする。土の盾が出てくる。魔力の消費量も想定内の範囲。右手は魔法の手の糸を出すつもり。今日のスタイルは剣士のイメージ。アスカと同じ土俵で戦ってみたくなったのだ。


 僕は盾を前面に構えて防御の姿勢を取りつつも、右手を突き出し糸を出してアスカを攻撃。アスカはよけながら試しにと突きを打ってきた。僕は盾を突き出す。アスカの突きがはじかれる。アスカの体勢が戻る前に、僕はまた糸を飛ばす。アスカはよける。僕はそれを追って糸を飛ばす。


 何度かそれを繰り返すと、アスカは隙をついて剣を突き出す。すごい、まるで剣が伸びて迫ってくるみたいだ。でも、僕は落ち着いて、盾で防御する。僕の盾はかなり大きいのに重さがなく、とてつもなく固い。アスカにとっては厄介な盾だろう。


 アスカは仕方なさそうに、僕を揺さぶるように横移動のステップをするようになった。こうなることは予想していたけど、実際にされるととても厄介だ。僕は攻撃の手数を増やすことにした。アスカの揺さぶりがより早く大きくなる。


 はっきり言って、僕はもう手の付けようがない状態。だって、何をしてもよけられてしまうから。でも、これを続けないと、ダンジョンでは死を受け入れることになってしまう。それだけはダメだ。現状を維持しつつ、何か突破口を探す。そして僕は1つの手を思いつく。アスカにジャンプさせること。アスカがジャンプしている間は、移動も方向転換も後退もできないはずだ。


 僕は攻撃目標を足にした。膝を狙うのが目標になっていい。僕は糸を飛ばし続ける。僕の攻撃方法が変わったことを感じたアスカだが、特に何を変えるでもなく、よけたり移動したりを繰り返す。そして僕は初めてアスカに向かってダッシュして距離をつめながら、糸も飛ばし続けた。距離を短くしてよけるタイミングを失わせる作戦。アスカはたまらず後ろに大きくジャンプした。きた!僕のチャンス。アスカの胸元を狙って、糸を投げまくった。するとアスカは不思議な剣遣いで僕の糸を次々に撃ち落としてしまった。


 僕はここで両手を上げて降参。



「アスカ、今のは何?今まで見たこともない防御方法だった」


「はい、剣の柄やガードも使って防御しました」


「そんな防御方法もあるの?」


「はい、剣は剣先も柄もすべて剣ですから」


「勉強になりました」



 僕は汗をだらだら垂らしながらお風呂に向かった。あれだけ動いていたアスカは涼しい顔をしている。おかしい!


 アスカとお風呂に入り、その後、朝食となる。



「セリエさん、今日はこの後すぐに外出して、屋敷に夕方には戻ると思います」


「お昼ご飯は外で、夜ご飯はお屋敷ですね」


「はい、よろしくお願いします」




 僕とアスカは、まずマイルさんの店に行く。



「マイルさん支払いをしに来ました。あちらで追加購入した商品もあります」



 僕はボタンさんから受け取った書類をマイルさんに渡す。内容を確認したマイルさんは合計金額を提示し、僕は支払いを済ませた。



「倉庫では、ボタンさんに大変お世話になりました。宿や食事までお世話になってしまいました。ありがとうございました」


「魁の皆さんはお得意様ですから当然です。また、ご贔屓にお願いします」



 僕とアスカはガデンさんの店でも支払いを済ませた。お願いしていた僕の名前入りの食器セットも受け取って、店を後にした。次はリイサさんの店。アスカと手を繋いで歩いているのはいつものことだ。


 店に入ると、キキさんが待ってましたとばかりに、出てきてくれた。



「キキさん、面倒がないので倉庫で話しましょう」


「はい、ご案内します」



 キキさんを先頭に僕とアスカがついていく。厨房の先が倉庫だった。倉庫は広かったが、思ったより物は置いていない。キキさんと倉庫内の一画に来ると、壁に僕が渡した献立表が張り付けられていた。僕はリュックから同じ献立表とペンを出してアスカに渡す。よく見ると、壁に貼られている献立表には数字が書かれていた。アスカはその数字をさっそく、自分の紙にも書き写し始めた。



「キキさん、献立表の数字が作る日ですね」


「はい、その通りです」


「では、今日は1が書かれている材料を置ていきます。それで、私からもお願いがあります。例えば朝食はパンとスープとメイン料理の3種。この作ったものは、こちらからから渡すお鍋にそれぞれ入れてください。ですので、朝は3つの鍋を使って、パン用の鍋、スープ用の鍋、メイン料理用の鍋としてください」


「グランさん、例えば1日目のスープと同じスープが17日目にも出ます。これもお鍋は2つに分けるのですね」


「はい、その通りです。鍋がスカスカでも気にしないでください。そうそう、実際に使う食器を決めてきました」



 僕は食器セットが入った袋をキキさんに渡す。キキさんは食器セットを持って厨房へ行き、しばらくして戻ってきた。



「では、キキさん。材料をだしていきます。アスカは材料と数を教えてくれる。まずは鍋の数がいいか」



 僕はまず鍋を出し、アスカに伝えられた材料を鍋の中へ入れることにした。どの鍋に入れるかは、キキさんに指示してもらった。鍋に入れにくいものや、入れて欲しくないものは棚に置くよう指示された。共通に使う調味料や油はすべて棚へ置き。薪もすべて壁際に積み上げてしまった。明日からは少し作業が減るかな?


 念のため、キキさんとアスカが最終確認をしてくれた。両者で確認が終わり、本日の材料納品は完了。



「キキさん、明日からは作った料理の鍋も、この辺に置いておいてくれると助かります」


「分かりました。早速調理担当に作業を始めさせます」


「よろしくお願いします」



 僕たちは厨房を抜け、店内に戻った。リサさんがすでに店に来ていた。ようやく昼ご飯が食べられる!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ