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名もなき少女から始まった、魔法士の系譜  作者: みや本店
3章 夢を紡ぐ2人編
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45話 料理の打ち合わせ2

 温かいお茶をもらい、ケーキもひと口いただく。おいしい。アスカもケーキを食べてリフレッシュしているようだ。


 皆でリフレッシュしたのは、リイサさんの作戦でもあったようだ。



「グランさん、確認なんだけど、そちらの料理を担当している間、うちの店の仕入れもお願いしてもいいかな?」


「実費でお支払いいただければ、私に異存はありません。もちろん、お支払いする手間賃から差し引くでもかまいません」


「それでお願いします。仕入れを4割引きなんてありえないからね」


「はい、その辺はリイサさんのお店とうちのクランとの長年のお付き合いということで、うまいこと進めていきましょう。リイサさんのお店にも儲けてもらいたいですから」


「あはは、グランさんは冒険者にしておくのはもったいないかも。商人になる気は……隣にいる女の子が怖い顔になってきたからこの辺で(笑)」


「では、お話しを再開します。リイサさんにお願いしたいのが、必要な材料の洗い出しです。可能なら、これから僕の作る表に書き込んでくれると助かります」


「グランさん、恥ずかしい話しなんだけど、この店で字がまともに書ける人がいないんだよ」


「分かりました。僕が書きます。皆さんはメニューが決まっていないところを検討していてください」



 僕は先ほど書き写した表を、1日目の朝のメイン料理、スープ、パン、昼のメイン料理、スープ、パン……2日目の朝の……と35日分を書きだした。そしてメニューが書かれていない部分を、皆さんと話して埋めて完成させた。



「次は必要な材料を書きだしていきます。お店の仕入れで必要な量は横に書きますから合わせて教えてください」



 リイサさんとキキさんが話しを始めたので、僕はアスカに細字の金属ペンとメモ用紙を1枚渡す。



「アスカには調味料なんかの共通で使うものを書いて欲しいんだ」


「何を書くかは具体的に教えてください」


「了解、よろしくね」



 僕は1日目の朝のメイン料理から材料を聞き出し、名前と数量を書いていく。そしてお店で使う分は横にカッコで数を書き足した。調味料は使う物をアスカに書いてもらった。こちらは量を書けないので、まずは必要なものの名前を書きだした。


 最初はリイサさんとキキさんがああだこうだと話していたけど、慣れてくれば、これがいくつ必要とパパっと答えてくれた。思ったより時間もかからず書きだすことができた。



「ふーっ、これで全部埋まりましたね。では、これで仕入れの交渉をしてきます。仕入れの時期が決まったら、リイサさんにお知らせに来ます。そして最後に費用のお話しです。いかがでしょう?」



「1人の1日分の費用を900カパで考えている」


「リイサさん、頑張りましたね。……1シルお支払いします。何かあったときにお願いしやすいですから」


「了解だよ。それで引き受けさせてもらいます」


「お支払いについては、次回お話しさせてください。僕も手持ちのお金を準備してきますので」




 こうして打ち合わせを無事に終えて、僕とアスカは店を出た。



「アスカ、長いこと付き合わせてごめんね。疲れたでしょ?」


「いいえ、頼もしい旦那様の姿を見られて楽しかったです」


「頼もしい?どうして」


「リイサさんやキキさんとテキパキ取り決めていかれる姿が、とても頼もしかったですよ」


「では次はアスカの頼もしい姿を見に行こう!」



 僕とアスカは手を繋いで、まるで散歩をする気分でダンジョンへ向かった。1階層なので、どんな冒険者でも身の危険を感じることはないだろう。散歩感覚になるのもしかたない。ただ、さすがに門を通り過ぎる頃には、手をつなぐのだけはやめることにした。周りの目が気になってきたからだ。デート感覚でダンジョンに来る人はいないからね(笑)


 ダンジョン1階層に着くと、僕とアスカは道からそれて人のいない場所まで来た。僕はサンストーンを取り出し、複製する。そして元のサンストーンはリュックの中にしまってしまう。


 僕はサンストーンを片手で持ったまま、サーチの魔法を使ってスライムを探す。見つけた。



「アスカ、あそこにいるみたい。ついてきて」



 そして魔法の攻撃が届く位置まで近づく。



「アスカ、何が起こるか分からないので、警戒をお願い」


「はい、旦那様」



 僕は手に持ったサンストーンを材料に、魔法で針を作り出し、スライムの魔石に投げつけた。スライムの魔石に当たる。でも、スライムは光の粒にはならなかった。それどころか、体が赤に変化した。僕はサーチでスライムを見ると、先ほどよりも明るく光っていることを確認した。



「アスカ、赤いスライムは見たことある?」


「いいえ、初めてみました」


「倒してみるね」



 僕は魔法の手でスライムの魔石を打ち砕く。今度は光の粒になって消えていく。何やら戦利品が残った。アスカと見に行くと、プルプルしたスライムの赤い皮?だった。



「アスカもこれは初めてみたんだよね?」


「はい、初めて見ました」



 僕とアスカは次のスライムを探し始める。そしてスライムを見つけた。魔法攻撃の射程内まで近づくと、アスカは警戒の構えをとってくれる。僕はサンストーンの針で攻撃。スライムは赤くなった。


 僕はさらにサンストーンの針を投げる。今度は見た目の変化はない。サーチでの変化は少しあった。また、サンストーンの針。見た目が変化して、白いスライムに変化した。サーチで確認するとさらに明るくなっている。


 僕はその後も、サンストーンの針を投げ、変化を確認したけど、見た目もサーチも変化しなくなった。白が最終形態ってことかな?


 僕は魔法の手でスライムを倒しにかかる。スライムなのにかなり固い。魔法を10%程度使ったところでようやく倒した。戦利品のスライムの白い皮が残った。



「アスカ、白いスライムはかなり強い。アスカも戦ってみる」


「はい、戦ってみたいです」



 僕とアスカは次のスライムを探し、白いスライムまで成長させたところで、アスカが剣で攻撃する。アスカの一撃でスライムは消えた。



「旦那様、スライムとは思えない固さでした」


「アスカもそう感じたんだ。魔石が大きくなったことで、魔力量も増えて強くなったんだね」



 僕とアスカは調査を終えて屋敷に戻ることにした。今日はアスカを半日連れまわしてしまったので、おいしい卵とお肉の料理を作ってご馳走しよう!


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