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名もなき少女から始まった、魔法士の系譜  作者: みや本店
3章 夢を紡ぐ2人編
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44話 料理の打ち合わせ1

 お昼を少し過ぎた時間に、僕とアスカがリイサさんの店に入るとキキさんに声をかけられた。



「先にランチをすぐにお出しします。その後でリイサさんを呼んできますね」


「はい、よろしくお願いします」



 僕たちが席についくと、僕はすぐにメモ用紙を束ねた自称メモ帳とペンを取り出す。未使用のメモ帳に日付と『リイサさんと打ち合わせ』とタイトルを書いた。



「旦那様の使われているペンはとても高価なものに見えますね」


「うん、たぶん高価だと思う。母さんが先代の国王陛下からいただいたらしいから」


「ええっ、お母様が国王陛下からペンを賜ったのですか?」


「そうだよ、いただいた当時は王国内で数本しかない、貴重なペンだったらしい。もう15年以上経っているから、今は知らないけど」



 そんな話しをアスカとしていたら、キキさんがランチを持ってテーブルにきてくれた。僕はテーブルの上を片付けて、ランチを置いてもらう。リイサさんの店はランチはランチプレートと言った感じで、1つのお皿にいろいろいな料理が乗っている。メインの料理が1番量が多く乗っているから、ダンジョンではメインだけにしてもらおう。



「キキさん、今日のランチのメインはこのお肉のグリルになりますよね」


「そうですね、ランチプレートでもメインはがっつりな感じの料理にしています」


「ダンジョンとなると、お昼はメインだけになると思います」


「なるほど、私もリイサさんと一緒にお話しを聞いた方がいいかな?もう、お客さんも少なくなったし」


「そうですね。可能なら参加してください」



 僕とアスカが食事を食べ終えた頃、ちょうどリイサさんがお店に降りてきてくれた。



「リイサさん、昨日は打ち合わせをキャンセルしてしまってごめんなさい」


「いいのいいの、ちゃんとセイラさんが知らせにきてくれたし。グランさんも王都へ来てそれほど日も経っていなのに、結婚もしたし、冒険者にもなったしで、忙しかったから疲れがでたんだよ」



 リイサさんがお茶を出す指示をして、席についた。キキさんがお茶とケーキを持ってきてくれて、キキさんも席に座る。



「では、改めてお話しします。年内に16人分の1日3食の料理を35日分提供でお願いしたいです。食材も調味料も薪もこちらで準備します。料理の引き渡しのためのお鍋もこちらで準備します。まず手始めに献立表を作りから始めるつもりです。お引き受け可能ですか?」


「細かいことはこれから決めていくけど、基本的にはうちの店で引き受けさせてもらう。それで、献立表だね。それについては、まず店のルールを説明するよ。モーニングは11日分、ランチが16日分、ディナーが31日分のメニューが店で決まっている。どのメニューも毎月1日目が1品目でスタートして、モーニングは3回、ランチが2回ローテーションすることで1カ月のメニューにしている」


「なるほど、合理的ですね。そのメニューは見せていただくことは可能ですか?」


「もちろん、キキ、お見せしてあげて」



 キキさんが3つの表を見せてくれる。僕は許可をとってとりあえずそのまま書き写してしまった。



「グランさんは驚きほど書くのが早いんだね。書記の仕事でもしていたのかい?」


「絵の勉強を少々です。では、作っていただきたい料理に丸をつけていきます」



 僕は自分のメモに丸を書いていく。そして不足しているところに、スープやパンと書いていく。



「このメニューだと、1食はメインの料理1品とパンとスープだね」


「はい、ダンジョン内での給仕になるので、品数が多いのは忙しくなってしまうので」


「うちの店は味付けは濃いめだから、体を動かす人たちでも問題ないだろうけど、量はどうしようかね?」


「はい、それについてはパンで調整しようと思ってます。パンはお店で出す数の倍を出します」


「なるほど、それと気になるのは、スープと手書きされたところだね。そんなにスープのレシピはないよ」


「はい、私がダンジョンに行ったときは、3種類のスープだけ持って行きました。それで、朝、昼、晩でローテーションさせました。ですからそんな感じでレシピ分でローテーションさせてしまいましょう。具を変えたりするだけでも1レシピとカウントするのもありだと思います。パンも同様な考え方でいきましょう!」


「了解だよ。キキは気になるところはあるかい?」


「お酒も持っていくと聞きました。おつまみとかはどうするのですか?」


「まず、食事のメニューを皆さんにお見せします。そして料理の希望は聞きません。その代わり、食べたいものを追加で受け付けます。それは、パンとチーズで我慢する人もいれば、晩酌にお酒だけ飲めばいいという人もいると思います。なので、追加の注文は出てくるでしょう。それは聞いてから考えます。少なくともアスカはおやつやデザートの注文をするでしょうから」


「グランさん、調理期間は16日間もらっていいかい?」


「はい、僕も16日間で考えていました。お店の負担が少なく済みますからね。それと教えて欲しいのが、食材の納品と料理の引き取りです。例えば、毎朝食材をお店に置きに来て、夜に料理を取りに来るとかの取り決めです」


「店としてはモーニングが終わる頃に料理の引き取りに来てもらうのがありがたいね。食材はそれに合わせて持って来てもらおうか」


「分かりました。お店に来たときに、どの料理の食材が必要か教えてもらいます。その場でお渡ししますので」


「ちょっと休憩しないかい。せっかくのお茶が冷めてしまったよ」



 リイサさんが気をつかってくれて、しばし休憩することになりました。作者も休憩をいただき、次回に続きます(笑)


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