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名もなき少女から始まった、魔法士の系譜  作者: みや本店
3章 夢を紡ぐ2人編
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14話 結婚式準備

 昼食を終えると、マルスさんとリサさんに合流して、ガデンさんの店に向かう。ガデンさんの店は武器と防具の店のようだ。


 入店するとガデンさんとゲイテさんが出迎えてくれた。僕は早速挨拶した。



「魁に新しく参加したグランと申します。魔法士です。よろしくお願いします」


「俺がガデンで、武器と防具を作っている。隣がゲイテで魔法士の装備はこっちが担当だ」



 するとゲイテさんは僕の腰に着けている魔法の杖を見て驚かれた。



「その杖は相当な品物。国宝と言っても差し支えないレベルのものね」


「はい、グリス侯爵家からお借りして使っています」


「そうでしょう。さすがにその杖を超えるものは、この店では用意できないですけど」


「はい。でも杖以外は一式お願いします」


「グランさんは黒魔法士?それとも白魔法士?」


「私はどちらでもありません。両親はどちらもユニーク魔法士だったそうです。私は白でも黒でもユニークでも、何でも詠唱します」


「それなら汎用的で基本性能の高い物がいいわね。希望はあるかしら?」


「はい、私は魔力量が少ないので、それを補える装備があればお願いしたいです」


「それなら、魔力量増強と魔力回復量強化の観点で探してみよう」


「はい、よろしくお願いします」



 そう言い残して、ゲイテさんはすぐにいなくなった。僕たちは応接室に案内されて、アスカの剣について話すことになった。


 皆がソファーに腰かけたので、僕はリュックからミスリルを机に並べる。それを見てガデンさんが驚いた顔をする。



「このミスリルをどこで手に入れた!国宝級の品が作れる品質をこれだけの数だ」



 その問いにアスカが答える。



「ガデンさん、ごめんなさい。詳しくはお話しできません。これで私の細剣を作っていただくことは可能ですか?」


「当たり前だ、王国最強剣士にふさわしい最強の細剣に仕立ててやる。俺の最高傑作になるだろう」


「ガデンさん、この子も打ち直して短剣にしていただけますか?ずいぶんと私を助けてくれたので、お別れするのは寂しいです」



 そう言ってアスカは腰に差していた細剣を抜き出す。



「アスカ、剣を貸してごらん」


「はい、旦那様」



 アスカは僕に少々刃こぼれしている細剣を渡してくれた。僕はその細剣をじっくり見つめる。



「この剣も相当なミスリルを使われてますね。素晴らしいです」


「ああ、まさかこの剣を超えるミスリルを手に入れてくるとは驚いた」



 僕はアスカから鞘も預かり細剣を鞘に納める。そして魔法を詠唱して剣の不純物を取り除く。



「この剣の短剣への打ち直しをお願いします。きっと今回の細剣に劣らない短剣になるでしょうから」



 ガデンさんは僕の言葉を不可解な顔で聞いたが、細剣も受け取ってくれた。


 しばらくするとゲイテさんが何点かのローブを持って戻ってきた。ゲイテさんはリサさんと2人で、ローブを次々に羽織らせては僕に魔法を詠唱させた。僕は単純なライトを詠唱して明かりをつけた。するとゲイテさんもリサさんもこれねと意見が合った。黒いフードの付いたローブだった。その後も服やブーツやいろいろな物を準備された。


 購入する商品が決まったところで、ガデンさんと支払いについて交渉になる。ガデンさんは僕が渡した、アスカと初めて会ったときに受け取った小さめのミスリルをつまんで話しを始めた。



「今日の依頼の品すべてを、このミスリル1つで請け負わせて欲しい」



 僕もアスカも、あまりのことに驚いた。そして僕はつい言ってしまった。



「ガデンさん、ご厚意はありがたいですが、あまりに破格のお申し出ではありませんか?」


「何をいうか!これほどのミスリル、いくら金を積んだところで手に入るものではない。ぜひ譲ってほしい」


「分かりました。それでお願いします。お礼と言っては何ですが、またミスリルを手に入れたら、ガデンさんのところへ持ってきます」


「グランさん、ぜひお願いする。その代わりお前のクランのことは何でも引き受ける」



 まさかそれ程の価値になるとは知らなかった。王都はやはり恐ろしいところです。




 僕の装備はすべて持ち帰れることになり、リュックに詰めて店を後にした。次はライザさんの店にアスカのウェディングドレスをお願いに行く。リサさんも興味津々で付いてくることになった。5人は揃ってライザさんの店に向かう。


 店に入ると、ライザさんが直ぐに降りてきてくれた。



「どうしたんだい?昨日来たばかりなのに」



 すると父上が説明してくれた。



「今日、グランとアスカが正式に結婚した。それで神殿での結婚式に着せたいので、アスカのウェディングドレスをお願いしたくてきました」


「ええっ、アグリさんの息子のグランさんとグリムさんの娘のアスカちゃんが結婚するの?それはとても目出度い。店としても全面的に協力するよ」


「ライザさん、娘のためにありがとう。ライザさんにお任せするので、アスカのために一式揃えてやってほしい。金額のことは気にしなくていいから」


「何を言うんだ、グリムさん。この店はアグリさんから多大な利益をいただいたんだ。ただで請け負ってもいいくらいだが、100シルだけ出しておくれ。それですべて私が準備するから」



 僕はライザさんに質問する。



「ライザさん、私とアスカの結婚指輪もお願いしたいのですが……」


「結婚指輪?お宅のクランの武器や装備はガデンさんのところにお願いしてたよね、あそこはアクセサリーを作らせても天下一品だ。直接お願いしな」


「はい、ありがとうございます」



 その後、僕とアスカは体のあちこちを採寸された。僕はついでにライザさんにこっそりお願いする。



「ライザさん、僕の普段着をいくつか見繕ってもらえませんか?何分田舎から出てきたもので、王都では少々みすぼらしく見えるのです」


「確かにそうだね。グランさんの父親も嫁もそれなりの服装をしているから、グランさんだけが少々浮いている。採寸が終わったらアスカちゃんと見立ててあげる」



 こうしてウェディングドレスの準備も無事に終わる。何点かの服も選び終えたところでお店を出て、急いでガデンさんの店に戻り指輪もお願いする。アスカの細剣のあまりのミスリルで作ってくれると言ってもらえた。僕とアスカは指のサイズだけ測って店を後にした。結婚の準備はこれで無事に完了です。


いつも読んでいただき、ありがとうございます。

今年の4月20日から掲載を初めて、9月20日でPVが1万を超えることができました。

PVとユニークの違いがよく理解できていないのですが、単純に皆さまにポチッとしていただいたのが1万回なのかなと認識しています。

特別な日はSSを掲載される作者さまが多いようですが、今回は急にPV数が増えたため準備ができませんでした。ごめんなさい。

皆さまの声なき声援?を受け、これからも毎日掲載を目標に、執筆と掲載を続けていきたいと思います。

1万PV達成を、心から感謝しております。


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