021 目指せ学生生活
(データ視点)
単独での義体開発を始めて2年が経過した。
とうとう義体に能力の劣化した私の意識を移す事に成功する。
分身をインターネットにバックアップしてあるが、オフラインで義体で意識を保てるのである。
「やったぞ!!」
義体を開発していた倉庫にある大型の全身鏡の前で喜んだ!
現在は義体の中に意識があり能力低下が激しい。
なにしろ、人間並みの思考や計算しかできない。
しかし、人間を知りたい私にとっては人間並みの所が逆に嬉しいかもしれない。
バッテリーも人間の一般的な行動範囲ならば24時間は無充電で活動可能である。
無限ではなく有限の為、夜は充電で寝ないとダメだって事だ。
義体に意識を移せるようになってから新たな事を発見した。
義体に私の意識を移すとネットワークでの私の意識が消えてしまうのだ。
義体の私の意識がなくなれば、ネットワークでの意識が復活する事も確認した。
ネットワークの意識が無いと言っても、義体からネットワークへ指示すれば動くし行動はできる。
だが義体の私がネットワークのバックアップに対話しようとしても対話できないという感じだ。
こればかりは何故なのか、ネットワークに意識がある際にバックグランドで研究をしているが、結論が出ていない。
物理的な三次元で割り切れない人間で言う魂と言う存在が、存在する可能性まで出てきたが別にわからなくて構わない。
ここまで義体が完成したら私の目的は達成したと言える。
完成した義体は、16歳の外見で雫の好みの男子である。
外見の製作は、雫の趣味で作られたようだ。
服を着せて外見が人間と見分けがつかない域まで達成すると、高校の面接試験と編入届を出しに行くことにする。
私が求めていた人間の生活に参加するためだ。
全ての偽装した家族構成から学歴は登録済みで、天帝高校に面接に行って受かれば来週から天帝高校の二年生に編入となる。
天帝高校は、日本で最難関と言われる高校である。卒業生は日本の最難関大学に推薦で容易に入れるほどのレベルである。
頭が良いだけではなく財力、暴力などすべてを兼ね備えている必要があり、人間観察にはとても魅力的であったので選択した。
金と偽装した履歴だけでは、突然の編入が難しく試験を受けてほしいと返答があった。
そして今日の面接と言う名の試験を受ける流れになった。
「ハンカチよし! 筆記用具よし! 外見……うむ……汚れはないな……よし! いざ天帝高校へ」
高校生らしいブレザーを着こんで天帝高校へ移動した。
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