016 離別
(工藤視点)
所長の事務所へ配属の移動に対して、文句を言いに行った迄は覚えているがそれ以降が思い出せない。
目が覚めると、病院のベットの上であった。
警察の人に多くの質問をされるが、全く記憶がないので答えようがない。
元桑原義肢製作所が、火事で全焼したニュースと新しく来た所長と補充されたスタッフが行方不明になったらしい。
データとの夢の様な研究が終わってしまった。
「僕に一体何が起きたの?」
そう呟いて、病院の窓を覗いて下を見ると道路に長髪の作業着を着た人物が立っていた。
顔に見覚えがある。
データと一緒に開発したプロトタイプの義体だとわかった。
僕の視線に気がついたのか、全く違和感なく自然な動きで手を挙げて去っていった。
もう会えなくなるような気がした。
え?
データ?
か、完成したの?
どうやって動かしているの?
何故か涙が溢れた。
それは、自分の夢が動いているからか? データともう会えない気がする為か? わからないが、再びデータに会うために何をすべきか決心をした。
「僕もいつか追いつく」
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