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012 都市伝説

(加藤視点)

 今日で勤続20年目になるタクシードライバの加藤は、いつも通り街中を流して客を探していた。


 ヘッドライトに、道路横で手を挙げている背広姿の人物を発見した。

 側に停車して車の自動ドアを開けると、すぐに車乗り込んできた。

 荷物などもなく、滑らかな動きで乗り込んで来た。

 深夜であったので酔っぱらいかと思ったが違うようだ。


 バックミラー越しに、乗り込んだ人物を見て驚いた。

 長髪で健康的な顔色の絶世の美女が背広を着て座っていた。

 行き先を女性か男性かわからぬ声で告げると、走行中の車外を楽しそうに見つめている。

 思わず美しい横顔に魅入ってしまった。


 よく見ると女性かと思ったが胸はないようだ。

 男性なのだろうか?

 聞くのは失礼なのでバックミラー越しに運転しながら判定していると、本人に気がつかれてしまった。


「私になにか変な所がありますか?」


「あ! すみません気になりましたか? 今年で20年目のタクシードライバーです。色々な人を見てきましたが貴方のように美しい人を見たのが初めてですみません」


「美しい?」


「失礼ですが、モデルさんでしょうか?そうであれば写真集を買いたくなってしまいます」


 思わず、訳がわからぬ事を口ずさんでしまった。

 恥ずかしさで自分の顔が赤くなっていくのを感じる。


 目的地に到着すると、電子マネーでの支払いを済ませて流れるような動作で車外に出て去っていった。


 現在のタクシーは乗車した人が犯罪者である可能性を考慮して、警察に許可された優良タクシードライバは少しだけ個人情報を調べる事ができる。

 加藤は、その優良タクシードライバーであった。

 どうしても今の人物が気になって、使用された電子マネーから個人情報を取得しようと試みた。

 いつもであれば最低でも名前がわかる筈だが、結果が得られなかった。


「え? なんで?」


 いつのまにか調べる以前に今回タクシーを使用した履歴自体も消えてしまっていた。


「どう言う事だ?」


 急いでタクシーに付いているドライブレコーダー情報を再生してみる。

 加藤のタクシーに搭載されているドライブレコーダーは、最新式でwebを経由してタクシー会社に録画されている。手持ちの端末で会社にある録画をすぐに見ることができる。

 情報端末に映った録画内容を再生した。


 驚く事に先程の人物を乗せた場所から、今いる場所まで車内には加藤しか映っておらず無人であった。


「なんなんだ? 幽霊でも乗せてしまったのか?」


 後部座席を調べると、長い髪の毛が数本落ちていた。


※低い評価(5:5ではなく1:1)でも連載の力になります。

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※作者多忙の為、誤字修正に力を避けません。誤字修正大歓迎!遠慮なく申し込んでください。

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