第2話 一人は楽でもあり寂しい
前回の小説を読んでくれた人はありがとうございます、今回は前作よりは明るめです(*`・ω・)ゞ
第二話 一人は楽でもあり寂しい
石神 y..e..s.....
突然現れたウィンドウ[逃げますか]と言う言葉を見て何も考えずとも答えが出てくる、
真っ暗の視界に出てきたウィンドウは消えコンマ数秒頭に何かがめり込んだ感触があったが草にねっころがったのような感触に変わる、
全身から来る痛みは何もなかったかのように治まり、もうろうとしていた意識ははっきりとある、
鉄臭い匂いが青臭い匂いに、もう聞きたくない斎藤達の声が鳥のさえずりに、
もう二度と開けたくないと思った目蓋は消えたはずの好奇心によって開けられる、
目を見開くと青い空、木々に囲まれ鳥が視界を通りすぎる、
石神 ・・・・・はぁ、なんだよ、転移場所間違えんなよww
何故だか気持ちは快適、生きている快感で満てている、絶望や不安、恐怖のどす黒色だった心が反転したかのように白くリフレッシュしている、長篠や斎藤達の事なんてこの空を見上げるとどうでも良く感じてくる、
折れてない足で勢いをつけ体を起こし周りを見渡す、
目視出来たには木、木、木、岩壁、木、木、リュック、
自分が背負っていたリュックに気付き中身を確認する、スマホは使い物にならないぐらいバキバキに砕けていて乾パンは中身は袋から出ていないが粉々になっている、唯一無事だったのは寝袋とその中に入っていた万能ナイフや布類、コンパスぐらい、、、
そしてクリエイトガーディアンの回復アイテム3種が3個ずつ、
何故リュックに入っているか、何故ゲームのアイテムがあるのか、考えるが原因が全く分からない、まぁあって困るものでもないければ嬉しい物なので思考を捨てる、
バキバキのスマホを見るとあれは現実だったと考えてしまう、スマホを残念な思いで眺めているとふとあのウィンドウを思い出す、あれはなんだったのだろうか、意識がもうろうとしていた為内容は曖昧で分からないがふと、考えが頭にひらめく、
石神 ステータス、
クリエイトガーディアンでステータスを確認するとき[ステータス]と言うとステータスウィンドウが出てくる、最初は喋って出していたが斎藤達が長篠の部屋に遊びに来るせいでキーボード操作で出していた、出るかどうか心配だったが空中にステータスウィンドウがシュッと表示される、
石神 健斗
MP10(最大値)
能力 防具転送装備 T1
防具設計・製作T1
装備
異世界の服、(防御力2)
案の定クリエイトガーディアン仕様のステータスウィンドウが出てくる、が能力がよく分からない、分かるのはT1と言う単語、これはパワードスーツ(ps)のランクを表すものだ、Mp、、、多分魔力の値なのだと思うが10は高いのか低いのか判断基準が分からない、
ただあのおじいさんのことを思い出すと魔法は存在するんだなと実感はする、
試しに能力の欄をタップしてみると
能力 防具転送装備 T1
・ 設計した防具を瞬時に装備しステータスを底上げ+チップスキル追加
防具設計・製作T1
・防具を設計、製作する
能力欄にざっくりとした説明文が追加される、
石神 (設計?、、、製作?、、、もしかして!?)
設計と製作と言う単語が目に入り思わずpsラボと喋る、
するとステータスウィンドウの横に新たにウィンドウが現れる、
Ps製作 簡易モード 現在T1まで (オプション2個まで)
頭部 なし
胸部 なし
右腕 なし
左腕 なし
右足 なし
左足 なし
バックパック リュック
チップ なし
設定
なし
石神 よし!
と喜びに思わず声をあげる、ゲームの時と同じウィンドウ、T1なので設計してあったデータが使えないことや設定欄に記入できないのは残念だがないよりはましである、
戦闘用のパワードスーツを作ろうと思ったがサバイバルと言う言葉が脳裏に過る、
石神 (ヤバい )
リアルを忠実に再現したサバイバルゲームを昔やっていたがそのゲームで学んだことは多い、
衣食住の大切さ、襲撃、病気、精神崩壊、腕が吹っ飛ぶ、、、う、頭が、、、
やっていた頃は現実ではあり得ないと気楽にやっていたがここは異世界、可能性は十分にある、
石神は慣れた手つきでウィンドウを操作し一つのパワードスーツを設計する、
Ps製作 簡易モード 現在T1まで(オプション2個まで)
頭部 ベーシックpsT1
胸部 ベーシックpsT1
右腕 ベーシックpsT1
グラップルショットT1
左腕 ベーシックpsT1
固定用アンカーパイロンT1
右足 ベーシックpsT1
左足 ベーシックpsT1
バックパック リュック
チップ サポートシステム
設定
エラー
T1なので高性能なパーツは装備出来ないが最低限の物は装備できた、グラップルは木の上への移動や退避、アンカーパイロンは拠点製作の為の道具、
そして何より役に立つのはT1パワードスーツ限定装備のサポートシステムチップ、これは初心者がゲームを楽しんで貰うためにあるチップで素材の簡易鑑定が取得できる、
ゲームを始めたばかりの頃、依頼時にお世話になったことを今でも思い出す、が設定欄に記入が出来ない、
そんな思い出に浸りつつ防御転送装備のスキルをタップすると光の輪が足元に現れ約1秒かけて頭上まで登って行く、光の輪が通ったあとはガチャガチャとパワードスーツが自分の体に合わせ装備されていく、
石神 すげぇぇ、、、左腕重っっ!!
少し装備やシステムを試し、衣食住の住の拠点製作に取り掛かるため岩壁の前に立ちアンカーパイロンを打ち込む、
バコン!!、、、シュー、、、カチ、
石壁 _| ̄|Σ・∴’、-
打ち込まれたアンカーパイロンは岩壁に容易く大きな穴を開ける、もともとアンカーパイロンはコンクリートや鉄製の地面にアンカーを張り固定するオプションでとても重いのだがヒットすると大打撃を与えるネタ武器だ、
その破壊力で縦3m、横4m、奥行き6mの洞穴を開ける、そして雨水が入って来ないように手で溝を掘り水を逃がす水路を作る、
最後に崩落しないように支柱をアンカーパイロンを代用として使い床と天井を固定する、
アンカーパイロンがなくなったことで軽くなった左腕を回しリュックから荷物を出す、
壊れたスマホ、万能ナイフ、寝袋、粉々の乾パン、潰れた空のペットボトル、タオル、コンパス、ヒモ、回復アイテム各種3個(ミニ、ミドル、フル)
石神 、、、まずは食料と水だな、、、
粉々の乾パンは保存はできるはずだが全部で3日ぐらいで無くなるし水がない、回復アイテムはゲームでは自分の体にかけて治すタイプだったので飲めはしないだろう、
人間は食料と水がなければ生きてはいけない、食料は栄養補給、水は、、、身体機能補助?、、、まぁとりあえず拠点の入口を隠して川を探しながら食料を探そう、
外に出て近くの木の枝を折りそれを入口に立て掛ける、人間から見たら怪しさ全開隠すき0だが知性の低い野生動物には効くだろう、多分、、、
左腕にT1コマンドナイフと言う小型のナイフオプションを装備し、コンパス、万能ナイフ、膨らませたペットボトルをリュックに入れ不安を理性で押さえ込み未知の森に足を踏み入れる、
森には様々な植物や様々な鳴き声が聞こえる、いつ何処から何が来るかも分からないが水と食料、生きる為に周りを警戒しながら手当たり次第にキノコや植物を簡易鑑定する、
森林キノコ 食べられる
バルノダケ 食べられない
雑草
ミキバ草 食べられる
フミの木の実 食べられる
ハバキ蟻 食べられる
石神 は?
食べられそうなのを簡易鑑定して、食べられるか食べられないしか分からく簡易の名は伊達ではないと分かったが手に乗っていた蟻も食べられると鑑定される、
鑑定ガバガバじゃないかと不安になりつつリュックにキノコや植物を入れて蟻をはたき落とし森を進むと前の茂みの奥が開けていることに気づく、
ザァァー
と水が流れる音が聞こえ、キタコレ!!と思いながら茂みを抜けると小川が流れている、透明度が高く川底が透けて見え太陽の光が反射してキラキラと輝いている、魚も泳いでおり食料も確保することができそうだ、
川に手を入れ簡易鑑定すると
飲める
と表示され手で水をすくい飲もうとするとパワードスーツの顔がが見える、よく見覚えがあるはずなのに自分ではない感覚を覚える、
石神 (人とあったら逃げられるかなぁ、言葉通じないし)
今の自分を客観的に異世界人視点で見ると人の形をしている何かに見える、言葉が通じないし字も通じないだろう、もしこの世界の人とあってしまったらモンスターと間違われるかもしれない、もしあの男がいる国内だったら素顔を見せても襲われるかもしれない、そもそも、この森に人はくるのだろうか、どうしよう、
そんな事を川に移る自分の顔見て考えていると
バシャ!!、、、
何かが川に入る音が聞こえ瞬時に音の聞こえた方向を見る、
そこにいたのは小型のラプトルみたいな恐竜が3匹、鋭い爪が生えている後ろ足にギザギザとサメのような歯、
自分の本能が危険信号を鳴らし襲われないようにそっと後ろを向き帰ろうとすると、
ギャー!!ギャー!!
後ろにも恐竜が2匹、囲まれてしまった、
石神 !!!???(ヤバいヤバいヤバい!!)
カチッ、バッシュルシュルガチン!!ウィーン!!!
とっさに右腕のグラップルショットを近くの木の枝に発射して木の上に退避する、ゲーム感覚で反射的に多分安全な所に逃げれたことに驚きや安堵を感じるも冷や汗と身震いが止まらない、
すると視界に一瞬キラキラした何かが見えた、周りを見てもキラキラしているのは川だけだが、何故か恐怖や不安が退いてゆく、冷や汗や身震いも止まりマイナス思考がプラス思考に変換される、
[パニックになっては勝てるものも勝てない]とゲームの名言を思いだし数回深呼吸をして冷静さを取り戻し恐竜を簡易鑑定、観察する、のっそのっそと5匹の恐竜が木の下に集まりギャーギャーとさわぐのを見て連結して獲物を屠るタイプの恐竜のようだ、
ハウンドバイト 危険度D級、
D級、、、なんとも言えない、、、逃げるのも手だが川の水はこいつらを殺さなければ得られない、パワードスーツやコマンドナイフの性能も実戦でわかる、一石三鳥だ、
が、どうしてこんな考えになるのか、普通は死の恐怖で逃げる一択なのだと考えもしたが湧き出る勇気と好奇心で考えるのを止め行動に移る、
グラップルショットを真下のハウンドバイトの背中後方に向かって発射する、発射したグラップルショットは発射した瞬間鉤爪を展開し真下のハウンドバイトの背中後方に飛んで行き鉤爪が皮膚、そして肉までくい込む、
ギャヴ!!??
石神 重!!?
くい込んだグラップルショットは持ち主の元に戻ろうとハウンドバイトごと持ち上がり石神の右腕に急速で向かう、左腕を木の枝に抱きつくように腕を回し重さに耐えつつ右腕と左腕を交差し左腕のコマンドナイフの刃が下向きになるように構える、
そしてじたばたしながら急速に上がってくるハウンドバイトはグラップルショットが引っ張る張力と自分の質量によって行きよいよくコマンドナイフに当たり首が飛ぶ、
ハウンドバイトは切断面から血を噴き出しながら空を舞い、重力にしたがって地面にグシャっと落ちる、
一瞬ゴリッという硬い骨を断った反動が左腕に来たがコマンドナイフを見るに刃こぼれはない、ただ赤い血が滴るだけ、、、
石神 ・・・はぁ、、、殺るか、
人間やればできる、自信のついた人間は強い、この名言が今実行される、
次々にハウンドバイトにグラップルショットを発射しコマンドナイフで斬る、数十秒後には3体の死体が出来てまった、残り2体、
すると半数以上が殺られて不利だと感じたのか一目散に川を渡り森の奥深くへと逃げていく、戦闘終了だ、
敵が逃げて勝利A判定と言ったとこだろう、殺気立つ興奮を深呼吸でおさめて木の下に降り冷静になった今、この3体の死体は生々しく見るに耐えない、しかし殺してしまったものは変わらないので肉や鋭い後ろ爪などを万能ナイフで捌きいらない物を地面に埋める、
川で血まみれのパワードスーツや肉を洗いペットボトルに水を入れる、ハウンドバイト3体分の素材は一気に持ち帰り出来そうにないので往復なりそうだ、、、
グチャっとした感触と生臭さに耐えながら拠点に運搬しては戻りを繰り返す、距離的には歩いて10分ぐらいなのですぐに運び終えるが優先目標が追加される、
それは拠点の防衛力強化だ、
肉食モンスターを歩いて10分程度の距離でエンカウントしたからにはこの森は相当危険な森なのかもしれない、逃げたハウンドバイトが寝ている間に来たら大変だし、ハウンドバイトより強いモンスターと遭遇する可能性もある、、、ハウンドバイトの素材を木の葉の上に置いて簡易的な堀と柵を作ろう、
まずは堀、手で50cmぐらいの堀を掘り、掘った土を堀の前と後ろに積みだいたい75cmの堀ができる、
次は柵、そこら辺に生えている木の太い枝を切り堀の前に出入口だけ開けて隙間なく刺して柵の上をつたなどで継ぎ足しては縛り、切れては縛るを繰り返す、最後に堀に枝を尖らせてスパイクトラップにしようと思ったがもう空がオレンジ色で夕方だ、トラップは明日に回し焚き火の準備を始める、
左腕のコマンドナイフを外し両足に装備できるスラスターオプションT1を装備する、本当は移動速度上昇の為の装備だがスラスターを起動しつつスラスター噴射口に枝を近づけると
ゴォーーボォウ!!
と枝の先端が噴射口から出る熱によって先端に火が灯り、その火を枝が入った深さ5cnぐらいの穴の中に投げ入れる、枝に灯った火は近くの枝に引火し最後にはパチパチと弾ける音を出しながら全ての枝に引火する、炎の光りが夕暮れの中途半端な光を強く照らし暖かい熱風を発生させる、
日が沈み石神を照らすのは焚き火炎だけ、ただその光や暖かい熱風は安心感や安らぎ感をもたらす、
石神 (腹減った、、、そう言えば昼飯食べてないなぁ)
今の今まで生存戦略に夢中だったためか空腹なんて感じなかったが安心感に浸れた為か腹が空く、乾パン(粉)は一様は保存食なので今日狩猟出来たハウンドバイトの肉を食べる、
さすがに生では食べない、万能ナイフで一口サイズに切り骨に刺して焚き火で炙る、ジューと肉の油で肉の表面が白く焼ける、火からの距離で火加減を調節し芯まで焼き、皿がわりの洗った大きな葉っぱにのせてゆく、
だいたい縦横奥ゆき2㎝3のブロックが4つ刺さった串焼きが20個、ひとまず食べる、不味くない事を信じて、
肉を噛むと肉汁が染みだし肉本来の旨味が感じられる、噛みごたえは少し硬いが食べれないことはない、
石神 、、、、、まぁまぁかな、、
人生で初めて調味料の便利性を感じ串焼きを一本、また一本と口に入れる、まだまだハウンドバイトの生肉は残っているが食べきれないので大きな葉で巻いて虫が登って食べないように枝で簡易的な簀を作りその上に乗せる、ミシミシと音がなるが多分大丈夫だろう、
洞穴に向かい寝袋の中に入る、今日は今まで生きてて一番精神的、身体的に疲れ日本がどんなに恵まれているのかを身を持って知り、今までゲームでしか自信が持てなかった自分もできると自信がついた気がした、またパワードスーツのお陰で普通じゃ時間がかかることも簡単にできてパワードスーツ様様と言える、
そして何よりここで生活する事を決意して一人は楽でもり寂しくも思った、全てにおける行動は法律やルールなどに縛られず自由だ、それに誰かに口出しされたり、邪魔されたりなどしない、
ただ、日本にいた頃は長篠やネットの友達とコミュニケーションが取れてて寂しいと思ったことはないが、いざ誰も話し相手がいないのはとても寂しく感じる、[人間は一人では生きてはいけない]と言う名言はある、人間は寂しいと思う心があるから生きてはいけず仲間を求める、それがどんなに嫌いな奴でも、、、
そんな心情を抱きながらザワザワと揺れる森の中、石神は深い眠りについた、、、
読んでくれてありがとうございます(*`・ω・)ゞ
次回も読んでくれたら嬉しいです、