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不運? なんなく鑑定団  作者: 足羽くるる
第二章・休暇の間の騒乱 〜川越編〜
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第二章0 サモン・ザ・ダイアリー

第二章、始まります。

とその前に、このまま読み進めてもらって構いませんが、章の途中から実質、分岐に入りますのでそこの辺りの説明を。

第二章を読み進めたから第三章、には繋がりません!

第三章は第二章の途中からスタートします!そこのところご注意願います!ネタバレはしないよ!

[4月7日 火曜日!

 今日からあたしは高校一年生!

 友達作って、せいいっぱい勉強して思いっきし部活やって、って色々やることあり過ぎて何からやっていいかわかんない!

 ずっと小学校から幼馴染だった奈由ちゃんたちだって別の高校へ進学しちゃったし、あたし今ほんとうに一人ぼっちだよ……

 RINEもぜんぜん通知来ないしどうしよう、みんな元気にしてるといいけど。

 うん、きっと大丈夫。

 楽しい高校生活が待っているはずだから。]


「……」


[4月22日 水曜日!

 もう入学式から3週間くらいたったかな。

 あれから部活も決まったし、友達もできた! 名前はね、理沙りさだって! 理沙、だから『りさちー』って呼ぼうかな。すっごく話も盛り上がって楽しいし、なんかもう、高校生活こんなに楽しいとか思ってなかった!

 今あたし、さいっこうに楽しい!!]


「……」


[5月3日 日曜日!

 今日は待ちに待っていたりさちーとのお出かけの日! それでね、池袋のシャンシャインに行ってきた! 水族館にも行ったし、映画もすっごくおもしろかった! そうそう、もちろん帰りのゲーセンもね!

りさちーすごいんだよ、クレーンゲームのめっちゃおっきいクマックのぬいぐるみを800円でゲットしちゃったんだよ! そのあともういっことってくれて『おそろだねっ!』って言ってくれたんだよ!ほんと優しい!!

でも家に帰ってきたらバカ兄が勝手に上がって来ててね『こんなもん家にあったら迷惑だろ』とか言ってさ、ほんとなんなの! 別に伯母さん以外誰も普段いないんだしどーでも良いじゃん。友達とか呼んでも自分の部屋に置いとくしね。

これまでぜんぜん帰ってこなかったくせに偉そうにするし、まじでムカつく。]



○○○○○



「はぁああ……あたし一体書いてるんだろ」


咄嗟に5月3日の日記の半分を消しゴムで消した。

嫌になって。


日記ってつけるものじゃないな。

こんなのは書いていても見返すのも腹が立つだけだ。

過去のあたしは律儀に毎日つけて、それでストレス発散! ……なーんて下らないことばっかやってたんだろうなぁ。



ここは、誰もいなくて静まった真夜中、あたしの家であたしの部屋。

あたしは夜寝つけなかったから、机に向かうも何も……勉強なんかも今やっておこうという気にならない。少しスタートダッシュにつまづいて周りに追いつかなくなってきたとかどうでもいい。

終わったことに一喜一憂する暇があれば今のこの時間こそ有意義にすればいいのに。


こんなことを考えてる間に時計の短針は2を過ぎてしまっていた。本来の睡眠時間が刻一刻と消えていくのも構わず、机に突っ伏して消しゴムを手で転がす。



「なんでこんなになっちゃったんだろう」


その問いは夜闇に溶け去り、無論答えなど返ってくるはずもなかった。

第二章登場人物

(殆ど一章からの流用)


観月卓みづきすぐる

18歳。コミュ障。勿論童貞。

今年高校を卒業したばかり。

将来性がない自分のことを卑下しながら生活していたが、父の死をきっかけに彼の経営する質屋(兼骨董品店)を継ぐ決意をした。

とはいえまだネットで仕入れた多少の知識のみ、短期間で身につくはずがないので、知識がないと見られ、前にはその知識の無さを悪用されて、パチモンを本物だと思わされ高値で引き取りやばい程損した。早速人生のスランプだとは思いたくはない。


「社畜じゃないから実質まだ人間だぜ……自営業サイコー」



琴吹舞ことぶきまい

何の変哲もなさそうであったりな大学生。

骨董にやたら詳しいところ以外は基本的にコミュ力高め女子。最近骨董品店のバイトを始めたのだが、周りにはバイト先で男子を誑かしているとか無い噂を流されているとか。

本心は趣味にのめり込んだ挙句そんな仕事をやりたくなったというだけ、だったが……


「バイトなんてお金の貰える遊びでしょ? 好きなことやって貰えるならちょーお得じゃない?」



観月綾みづきあや

卓の妹。今年から高校生。

クラスでも特に目立つところはないが、普通人間として生きたいと思っている。

だから普通じゃないようなこの状況にはタダでさえイライラする。今はどうにか人生は学校生活を普通に送ることだと思い、仲のいい友達が出来たし仲良くやっていけそう……な気がしている。


「あたしはふつうに、あんたと違って真面目に生きてるんだっつーの」

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