表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

かたときの夢

作者: 天御夜 釉

 華がないが良かったのか、と問いかけた俺の言葉に君は微笑んだ。

 一口かじって、こちらに気づいて涙を湛える。


 1年に1度の夏祭り。その片隅にある、こじんまりとした屋台。

 品目はきゅうりの一本漬けのみだけれど、ここは特別だ。

 

 見ないうちに、彼女は随分と大人びたように感じる。

 前は背伸びしていた雰囲気のハイヒールも、様になってきた。


「毎年、ここに来るのがとても楽しみなのよ」


 口調も大人になった。今後も成長しない俺とは違う。

 はにかみながら祭りを、空を見つめる。


「この3日しか、貴方に会えないから」

 

 会いたい人と暮らせる、不思議な祭。

 祭の思い出を思い出しながらゆったりと過ごす、夢のひととき。


 きゅうりの一本漬けは"涙"の味。

 死に別れた人を呼び戻す、かたときの夢。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ