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Dogs never bite me. Just humans.


南部が大崎を攻め、最上、上杉が伊達に攻め入った。

葦名がそれに乗っかり伊達領の切り取りを始めた。


大崎には頼みの綱の伊達、最上からの援軍が来ず、大した抵抗もなく落城。大崎氏は伊達領に逃亡した。



大崎領の切り取りを終えた南部軍はそのまま南下。伊達軍と攻城戦を開く。

篭もる伊達軍だが、五倍の兵力差の前に為す術もなく開城。


遂に相馬も参戦した。


東西南北から攻められている伊達は北上、佐竹、岩城に援軍要請、及び金品等の独立支援を行った。


伊達包囲網とそれを壊すための工作が行われていた。


佐竹の蜂起を切っ掛けに関東に血の海が出来た。

佐竹、北条が南北から関東を分け、関東に巨大勢力が3つ出来た。たとえ血族でも信用出来ず、裏切りに裏切りが積み重なり、疑心暗鬼に陥る。

血族の結束っが強い北条と地位が高く、求心力のある上杉は末端しか裏切りがないが、佐竹は内部がズタズタになった。


伊達の近くでは分国化が進み、小勢力が増えた。

小さい領地をもった大名が増え、勢力図が複雑化した。


海運を利用して、南部が相馬の支援を始めた。


南部勢は伊達の抵抗が強く、思ったよりも攻めることが出来ていなかった。

故に、南側からも攻めるために部隊のいくつかを相馬に送り、合同で南側から攻める。


南北で協調しながらジリジリと攻め落としていく。



1564年



武田勢が上杉勢と開戦。

近年ちょっかいをかけてきていた武田勢を黙らせるために、上杉は一時対伊達軍から抜けて、本軍で武田勢と防衛戦を行い勝利。

しかし、武田勢は黙らず、方々に攻める。

上杉勢が抜けたことで余裕が出来た伊達は工作に力を入れ、周囲の複雑化をさらに進めた。


これによって佐竹が荒れる。


岩城が相馬と開戦した。


佐竹の支援が受けられなくなった岩城は南部の支援を受けた相馬に押され、南に追いやられていく。


南部勢の南下が進むことで最上の攻勢が減った。

対伊達に出てくることが減り、内部安定を図るようになった。


伊達が葦名を攻め落としていく。


勢力の一部を集め、他の地域は城に篭もらせた。


北条、佐竹から圧力を受けた葦名は上杉に救援を要請するが、武田と戦っている上杉は支援せず、使者を追い返した。


佐竹に支援の要請しても再び拒否られた。


そこに、南部から金品等の支援が相馬を通じて行われた。


葦名は周囲の傭兵を集めて、勢力を増やした。


傭兵のため農耕期でも戦え、領地を取り戻しに成功した。



※※※※※



一年間で勢力図が一気に変わり、関東が荒れた。



南部が相馬、葦名に強い影響力を持ち、北条に間者を忍ばせれるまで行った。

最初はただの田舎大名が関東まで進出してきたのだ。


戦で荒れた関東だが、それでもまだ農業が盛んで様々な物資を安く買うことが出来た。

それを相馬領まで持っていき、船で南部領に運び込む。


戦続きで荒れていた南部領南部も食料が末端まで行き渡るとそれまでの荒れが嘘だったかのように復興していった。

そして、ほとんどの地域で南部に統治される前より良くなった。


落ち武者や敗残兵は残らず雇い入れ軍勢にしているため治安の悪化もなく、食料も配分されて明日生きることも分からない生活から脱出した。


生産方法も変えられて、収穫量が増えているため税も重いとは感じなくなったので近年では接している国から逃げてくる者たちも多くなった。


戦場は基本的に相手領が主でれっきとした砦がいくつも築かれて行くことで、北部の領民は戦に怯えずとも良い生活ができるようになった。



※※※※※



南部当主、九戸政実は対伊達戦線を離れ、領地改革を行っていた。


伊達は弱まっても名家。様々なところに伝手があるため苛烈に攻め落とすことが出来ない。

致し方ないが周りから潰して時間をかけて伊達本家を討つことにした。


そうなると、当主である政実が四六時中いることは意味がなく。逆に味方に圧をかけるだけである。


なので、重要な戦の前に発破をかけるだけでよいためこれまで出来てなかった領地改革を進めることにしたのだ。



※※※※※



佐竹義重さたけよししげは二年前の永禄5年(1562年)に父、義昭が隠居したため家督を継いで第18代当主となった。

だが、実権は未だ父・義昭が持っており、領内のことで出来ることは少なかった。

しかし、伊達の工作の影響で家臣の反乱が起こり、父の死により佐竹氏の常陸統一は遠のき、反勢力の反攻が始まることとなった。


そしてまもなく、反勢力と抗争が起こった。


今までは父によって守られ、陣の中心にいたが今回は大将だったが、兵を奮迅させるためにも前線まで出ていた。



※※※※※



「危ない!」


部隊を率いて、側面を討つことで味方を救う。


「あっしゃす」


農民なのか・・・。


部隊を率い、同じように味方を助けていく。


今まで通りにやれば皆を救える。そう、確信した。



※※※※※



目の前に広がるは村人を自由にする味方の兵。


金品を奪い、女を犯し、逆らう男どもを殺す。


こんな光景が広がっている。


「何で……、何でこんなことが……」


「あなたは、初めてでしたね」


隣に立つのは道場でいつも争っていた友人。


「あなたみたいな聖人君子には刺激が強すぎるでしょう。ですが、消して目を背けないでください。これが、私たちが守った兵の、人間の姿です」


「これが、人?まるで獣ではないか」


「なに、人間とは犠牲がなくては生を謳歌出来ない獣の名だ。あの中に一体何人の僧兵が混じっていると思う?僧の言う仏も神も、闇を直視出来ぬ弱者の戯れ言。醜さを覆い隠すだけの良いわけに過ぎない《犬は決して私に噛みつかない。裏切るのは人間だけ。》」


友人は大層蔑んだ目で兵を見ていた。


「俺は……、俺は……」


自然と握り込んでいた自分の拳を一度開き、再び握る。


「憧れて武士になったのだ。鉄の武器を持って、国や民のために頑張るのが武士」


また、視線を下げてしまう。


「俺は武士にはなったが、今、何を守ってるのかな。」


少なくとも、こんな光景を作るためではなかった。

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