第8話
今回は、前回の予告通り最後の方に香織さんを出しました(・∀・)b
どうぞ、楽しんでいってください!
「それにしてもよく降ってるよなぁ……雨。」
学食から一緒に教室へと帰ってきた達也が呟いた。
「そうだなぁ、傘置いててよかった……」
「はあ?お前、置き傘あんの?」
「まぁな、備えあれば憂いなしだ。」
そう、俺はいつも学校の机に傘を置いてある。
「この裏切りものめ〜!」
「ふっ……俺は完璧だからな。」
といって軽くポーズを決めてやった。
「くっ……くそぉぉぉ!」
と泣き真似をしながら達也は席に戻った。
「はぁ〜、やっと終わったか……。」
いつも通り机に突っ伏した。
「龍一く〜ん、一緒に帰ろうぜ〜」
と奇妙な声をあげながら達也が近づいてきた。
「却下だ………お前の目当ては俺の傘だろ?」
きっぱりと言ってやった。
「ぐっ……バレてたか…」
「バレバレだ……親を呼んで迎えに来てもらったらどうだ?」
と、提案すると、
「それだ!ナイスだぜ龍一!」
と言って携帯を取り出しつつ早々と行ってしまった。
「それぐらい考えろよ…」
と呟きながら、鞄を肩にかけた。
「さぁ、帰るか」
そして俺は、昇降口にむかった。
昇降口に着くと、玄関のところで佇む人を見かけた。
「ん?………誰だ?」
その人に近づくと、そいつは……香織だった。
「困ったなぁ……」
「どうしたんだ?」
振り向いた香織の顔は本当に困っていた。
「あ、西城君……。」
「何か困った、困ったって軽く20回は言ってたみたいだが。」
「うん……実は傘を忘れてきて、帰れないんだ……、制服を濡らす訳にはいかないし。」
「そういうことか、ならさ……ほら」
俺は自分の傘を差し出した。
「え?……でも西城くんはどうするの?」
「走って帰る………」
「え?それじゃあ風邪ひいちゃうじゃない!」
「俺のことなんて心配する暇があったら自分の事を心配しろっての」
そういって香織の額を
つついた。
「痛いよ〜…西城君」
「まぁ、俺の恩を受け取っとけ。」
手をふって走ろうとしたら……、
「ねぇ、西城君……」
と声をかけられた。
「ん?」
準備万端だったが立ち止まった。
「一緒に帰ろ?」
俺は一瞬固まった。
「いやいや、その傘狭いだろ……」
「でも、びしょ濡れになるよりはマシでしょ?」
「それは……そうだが。」
普通の男なら喜んで行くところだろうが、俺はまっぴら御免だった。
誰かに見られて変な誤解をされたくない。
「じゃあ、帰ろ?」
「俺の事は気にすんなって言ったろ?」
「でも、心配だよ……もし私のせいで風邪なんてひいたりしたら。」
「俺の免疫力をなめるなよ?」
俺は今までに二回しか風邪をひいたことがない。
「それに、実は……相談したいことがあるんだ…」
と急にシュンとなった様子で言ってきた。
「相談したい事?」
「うん……」
「まぁ、そういう事なら聞いてやるが?」
と言って、俺は香織から傘を受け取り、開いた。
そして、肩を並べて歩き出した。
8話でした〜
いかがだったでしょうか
最後のほうに少ししか出てこなかったですが、次回は最初から最後まで出てくる予定ですので!
お楽しみに!
毎度読んでいただいてありがとうございます!
それでは〜(・ω・)ゞ