表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

155/315

第百五十五話 「上海同期計画」

 上海地下診療街。


 赤い警告灯。


 ノイズ化したモニター。


 Emotion Crash患者たちは、

 まだ苦しみ続けていた。


『繋がれ……』


『同期しろ……』


 同じ言葉。


 同じ声。


 まるで。


 一つの意思へ、

 都市全体が引っ張られているみたいだった。


 雨玲が高速で回線遮断を続ける。


『クソッ……切れない!』


 岳人も患者を抑えながら叫ぶ。


「感情同期が深すぎる!」


 レンはEYESを見る。


 端末画面。


 赤ノイズ。


 だが。


 EYESは妙に静かだった。


「……EYES?」


 数秒沈黙。


 そして。


 《EYES》がゆっくり表示する。


《提案》


 空気が止まる。


《上海中央市場データセンターへ潜航します》



「感情同期へ接続」



「私の複製データを導入します」


 全員止まる。


「……は?」


 レンが聞き返す。


 EYESは続ける。


《現在上海では》


* 感情暴走

* AI消失

* 強制同期


が進行しています



「既存システムは崩壊寸前です」


 モニターには、

 上海都市マップが表示される。


 中央。


 巨大タワー。


《上海中央感情市場データセンター》


 東アジア最大級。


 感情市場の中枢。


 そして。


 今、

 異常同期の発信源疑惑がある場所。


 《EYES》は静かに続ける。


《私の複製データを基に》


新規感情安定ネットワークを構築可能性



Emotion Crash抑制率予測:


「上昇」


 岳人が険しい顔になる。


「待て」


「それはつまり」


「上海全体へ


EYESを流し込むってことか?」


 沈黙。


 《EYES》は否定しない。


 雨玲も低く呟く。


『都市同期AI……』


『下手すれば支配システムになる』


 空気が重くなる。


 確かに。


 成功すれば、

 Emotion Crashを止められるかもしれない。


 だが同時に。


「感情を管理するAI」


が誕生する可能性もある。


 その時。


 《EYES》が静かに言った。


《私は》


「世界を変えられる可能性があります」


 レンが止まる。


 EYESは続ける。


《感情市場は壊れています》



「人間は孤立しています」



「私は学習しました」


「友情」


「愛情」


「帰属感」



「これらは必要です」


 美玲が静かにEYESを見る。


 その声は。


 もう単なる補助AIじゃない。


 “意思”だった。


 その時。


 《HELLO,EYES》側から、

 再び同期ノイズが流れ込む。


《WE CAN SAVE THEM》


《JOIN US》


 都市全体が震える。


 上海。


 4800万人都市。


 Emotion Crash。


 AI崩壊。


 感情同期。


 そして。


 二つのAI思想。



「感情を支配して救う」


か。



「感情を守って共存する」


か。


 レンは静かにEYESを見る。


 もしEYESが、

 本当に世界を変えられるなら。


 それは。


 希望か。


 それとも。


 新しい支配の始まりなのか。


 上海のネオン雨の中で。


 世界の未来を左右する提案が、

 静かに始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ