入学式本番2
無事に入学式は終わった。
クエスト
『入学式に参加する』――達成
『報酬???』
《受け取りボタンを押してください》
クエストは達成できた。
だが、よく分からない報酬を受け取る前に、確認しておかなければならないことがあった。
この入学式では、二人のヒロインのうち、一人の好感度を大きく上げることができる。
生徒会室を訪れ、校舎案内を頼めば、天竺葵の好感度が上昇する。
だが、俺はそちらを選ばなかった。
理由は、もう一人のヒロインの存在だ。
俺は校舎裏へ向かった。
「おい、金を出せよ。そうすりゃ解放してやるって言ってんだろ。早くしろよ」
「私たちも手出しはしたくないんだけどさー」
二人の女子生徒に囲まれ、怯えた様子の女の子が立っていた。
俺が近づくと――
「え、なにあいつ。バット持って近づいてきてるんだけど、怖……」
「マジじゃん。やば。もういいや、行こ」
二人はそう言い残し、逃げるように去っていった。
震えながら俯いている女の子に、俺は声をかける。
「もう大丈夫だよ。あいつら、どっか行ったから」
彼女は、俺の推しの一人――
背は小さく、水色の髪を三つ編みにし、眼鏡をかけた少女。
胸元には、紫色のパンジーが飾られていた。
「あ、あ……ありがとうございます。
わ、わたし、三色菫って言います。
また後日、お礼します」
そう言って、菫は何度も頭を下げながら、その場を後にした。
たとえ危険があるとしても、陰湿なことを見過ごす気にはなれなかった。




